閑話二 夢の記憶
夢を見た。
「ひゃっはっはっは。ここで会ったが百年目! 死ね!トール!」いつものセリフをいつものようにエイダが叫ぶ。
ガガガッ。鉄の銃弾が赤い機体に打ち込まれる。サイドステップで交わしながら、俺はロケットランチャを構える。
バシュッ!
コンテナごと射出し、ローンチ。八本のロケットがエイダの機体に襲いかかる。が、相手は高機動型の機体だ。一発残らず迎撃されてしまう。それは百も承知。爆煙で視界を奪い、バックステップをとる。が、爆煙の中をエイダ機が突っ込んでくる――。
ここは某サーバーの戦略的対戦場。多数対多数の乱戦バトルだが、エイダは一直線にトールを狙ってきては、冒頭のセリフ。
――強襲型一撃離脱の装備だったため、火薬たっぷり装備のペラペラな装甲だ。機動力を確保するため、積み込んだ爆弾、ロケットのありったけをエイダ機に向けて打ち出す。
とにかく、距離を稼がなくては。
どこのゲーム、どのサーバーでも必ず激突するもはやライバルだろう。いや、ストーカーか? どのゲームでも、俺はトールでキャラクターデザイン。あいつはいつもエイダだ。本名なんてお互い知らない。某SNSに走り書きしておけば、必ず襲撃してくる。対戦成績なんてもう覚えていない。
長い付き合いだったが、もう対戦できないんだな……。
そう言えば、某SNSに走り書き残してこなかった……。
いや、あいつも一年以上コメントなかった……。




