表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
TCG風の力で俺は魔法少女達と肩を並べる  作者: 庚 権左右衛門
15/24

日常風景2


 翌日の朝。

 朝食の準備を終えて、食卓に着く二人。

 本日は休日ということもあり、若干遅めの起床となったが、朝八時は依然として報道が多い時間だ。


『……次のニュースです。ここ連日発生している、百貨店・デパートの商品連続襲撃事件ですが、昨晩も発生しました。これで、被害は15件に到達し――』

「うわぁ……まただ。しかもこれ、昨日と同じ店じゃん……」

「一体警察は何やってんだろうな……」


 ここ最近連日起きている百貨店・デパートを対象とした襲撃事件。

 事件の詳細はお互いに親から聞かされることもなく、また子供が関わることではないと聞くこともできないため、亮一たちはニュースで語られている程度にしか知らない。

 そのニュースで報じられた内容によるならば、まず犯人たちは特定の何かを狙っているということはないそうだ。

 ただ、盗難にせよ破壊にせよ、暴虐の限りを尽くしていることに違いはない。

 例えば、テナントを借りているブランドショップが襲撃に遭えば、一部商品、あるいはほとんどの商品がごっそりと偽物にすり替えられていたり。

 食品コーナーが襲撃に遭えば、豆腐や漬物などのいわゆる生鮮商品は軒並み破壊しつくされ、加工食品や調味料、インスタント食品各種や菓子などは異味異臭のクレームの嵐。はては正気の商品を模した偽物ではないか、と返品を受ければ、照合の結果JANやISBNなどがめちゃくちゃだったりロット番号があり得ない物になっていたりと、とにかくめちゃくちゃだった。


 それゆえに、ここ最近百貨店・デパート業界はもちろんのこと、他の小売店も軒並み客から厳しい目で商品を見定められるようになっている。

 もちろん、売り上げも激減している。

 二人の家は、これらの業界も傘下に収めているために、これにより受けたダメージは無視できないものとなっていた。


「一体、犯人は何が目的なんだろう……百貨店とかデパートとかに、恨みでもあるのかな?」

「考えられるとすればそれくらいしかないが……例えば、満足のいかない理由で首を切られた社員による復讐とか、ありそうだしな」

「だとしても、戸締りだってきちんとされていただろうし、警備だってしっかりされているはずだよ? なのに誰にも気づかれることなく襲撃するなんて、できるのかなぁ~」


 そんなの、警備員が怠けていたり、監視カメラや警報装置が壊れていたりでもしなければ不可能に近いだろう。

 近年のセキュリティは、技術の革新により、かなり強化されているのだから。


「――ね。今日、実際に行ってみない?」

「どこにだ?」

「事件現場だよ」

「今日はさすがに無理だろ、多分。そもそも空いてるのか? 警察の人が来て色々調べたり、片付けやなんやらの後始末があったりするだろうし」

「……反対は、しないんだ」

「まぁ、俺も気になってはいるしな……」


 亮一としても、気になっていないわけではない。

 ただ、これまでの経歴上、この場所に放り込まれる少し前までは、普通に店に行って物を買うということ自体あまりしたことがなかった。

 しいて言えば、店頭で購入していたのは衣類や靴など、身に着けるものくらいだろう。

 それは玲子も同じだった。

 箱入り息子や箱入り娘もここまでくれば異常なほど。

 とはいえ、彼らの立場を考えれば、普段の通学風景などもどちらかといえば好ましいものではないかもしれないが。

 なにしろ、二人のお家事情は誘拐事件のネタになりそうな要素が満載なのだから。

 ちなみにそのあたりの話になってくると、普段はマナーにうるさい玲子が、逆に無頓着になり、亮一がむしろ立場を気にするような発言をしだすようになるため、二人のもとの性格がうかがい知れる一幕ではある。


「とはいえ、俺達でわかりそうなことっつってもそんなにないだろうに……」

「ん~、まぁ、そうだろうけど、ね……やっぱりさぁ、気になるって言えば気になるじゃん?」

「俺としては、もう少し立場を考えたほうがいいと思うがな。通学だって、本当は送迎頼んだ方がよかったと思うんだがな」

「いやいや、それじゃ意味ないでしょ。何のための社会勉強だと思ってんのさ」

「まぁそりゃそうだけどさ。だからって」


 ――と、まさにこのような感じに立場が逆転するのだ。


 まぁ、そんな話はさておいて。

 二人の意見は、休日は自宅で大人しくしている派の亮一と、部屋の中で腐ってないで外を駆けずり回りたい玲子とで見事に平行線だったが――やがて、


「じゃあいいわ。リョウの言い分にも一理あるし――ここはおとなしく、間を取って運転手さんに送ってもらいましょうか」

「……まぁ、それならいいかもしれないけどな」


 と、互いの妥協点に見事に着地。

 どちらの家の車で行くかの話し合いに始まり、最終的には亮一の指示のもと、マンションの駐車場に一台の黒塗りリムジンが配車されることとなった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ