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見つかる


それからしばらく後。


「はっ!!!●くらげ●の作品見た!?」


Aが驚き私に聞く。



新作タイトル【白菜タイタン丸の罪】


この時の私のアカウント名は○白菜タイタン◯である。遂に複垢マンに見つかった。


お天道様はいつも見ている。卑怯な白菜タイタン丸が惨たらしい結末を迎えるストーリーだ。

メッセージも2通来ていた。





〜〜〜〜〜


「正体、存じ上げております。

またアカウント作って同じ事しても無駄なのはお分かりですね?


〜中略〜


ブロックしてるし、そっちから連絡はいらないわ。

次に私の周りで妙な事が起きた時、それがあなたの全アカウントの、最後ね。

では、さようなら。」


〜〜〜〜〜





私のidを見るとお分かりいただけるだろうし先にも書いたが、このアカウントはかなり昔に取得している。他のアカウントも所持していない。ということは、複垢マンは複数人から目をつけられているということである。


ブロックするといいつつブロックしないでこちらの返信を待つことは既にAの時に勉強済みである。メッセージに返事を書くと面倒臭くなることも分かっている。

メッセージは絶対返すなとAからお達しがあった。



複垢マンは私のマイページを見ているかもしれない。

確証が欲しい。私はアカウント名を○白菜タイタン◯から新作と同じ◯白菜タイタン丸◯へ変えた。


そのすぐ後、複垢マンの新作【白菜タイタン丸の罪】は【白菜タイタン丸2世の罪】に変わった。メッセージもすぐ来た。





〜〜〜〜〜


「2Pt御献上、ありがとうございました。


〜中略〜


変名して通報する気満々ってところかしら。

浅いわねぇ。ため息よ。


さぁ、さぁ、私の全作品にポインツを贈呈なさい!


平均点とか、もう、どうでもいいのよ、そういう数字。

このアカウント自体、興味ないから。


でもね、罪には、罰を与えてあげる。

私からのコンタクトは、これにておしまい。 あでゅー!」


〜〜〜〜〜





私もAも色めきだった。言っていることは正直よく分からない所もあるし、ちょっと飽きかけていた。しかし複垢マンから直々に返事が来たことで私たちは熱を取り戻した。私はアカウント名を◯白菜タイタン丸2世◯に変更した。

その後すぐにAが気づいた。



「あっ!●くらげ●が活動報告で●まったり権兵衛●は複垢だったって暴露しとる!」


私たちが飽きかけていた間に実は油断していた複垢マン。数日前に●まったり権兵衛●は自分にとって特別な作品を発表するアカウントであり、自身のアバターであると表現していた。


悲鳴を上げた。お互いがお互いを褒め合っていたあの姿。学生時代の淡い思い出話。全て自作自演である。何じゃコイツめっちゃ怖いやんけ。



私はすぐさまアカウント名を◯まったり味噌汁丸◯に変更した。すぐ返事があるかと思ったが、ない。

しかし複垢マンの活動報告は物凄い勢いで消えていっている。これは朝方に返事が来るパターンである。私とAは眠りについた。



翌朝確認すると4時前に長文のメッセージが届いていた。





〜〜〜〜〜


「見事に詰んだね。つまんないこだわりはね、勝負事じゃ足枷なのよ。


もう、なろうでも俺Tueeeネットでも全部スクショ取ってるんだけど?言い逃れできないね。

結果なんて見えてたから、最初に情けかけてやったのに……。


あのさぁ、あなたが●まったり権兵衛●って言葉を知ってる理由、考えた? 私が公表してるからだよ。

けど、背景や真実までは知らない。私の弱点でもなんでもないのよ。


じゃあ、あなたが持ち出した●味噌汁花子●ってどこから来たの?どういう意味かな?

そんな言葉、いくら検索しても●まったり権兵衛●とは結び付かないの。

あなたが知ってるはず、あるわけないんだけどぉ?


まだわかんない?

私が容疑者と見込んだあなた、あなた以外●味噌汁花子●を知る機会がないんだよ。 それはね、ごく短期間しか使ってないアカウント名なんだな。

私のページも、ネットで検索しても出てこない言葉。だって、ぜんぶ、消したんだもん。


でも、あなたは●味噌汁花子●という言葉を私への攻撃材料に使っちゃった。それが目に入る人物なんてごく限られるよね。あなたの正体。消去法と状況証拠で、一人しかいないんだよ。」


〜〜〜〜〜





ちなみにGoogle検索で〈なろう ●味噌汁花子●〉と入れると複垢マンのマイページが出てくるのであるが、知らないらしい。





〜〜〜〜〜


「もう、いいでしょ、■■。 てか、葉野菜にこだわらなきゃも少し推理に時間かかったのに、バカだねぇ、あなた。

低評価、頭キちゃったとか? よ〜わ過ぎ。

どうせ、明日か明後日には運営ちゃんから通告くるんだから。

私をスルーしてりゃ、■■が生き残った時にコミュ内で社会的抹殺されることもなかったのに。


〜中略〜


私はなろうに気持ちがないから、遊ぶには面白くないかもしれないけどね。もちょっと気弱な女子大生でも狙ったら?

俺Tueeeネットで知る方法、エッセイで広めちゃお。


てなわけで、今度こそ、ごきげんよう。あ、認めようが認めなかろうが、■■は監視してるからバイバイじゃないけど。」


〜〜〜〜〜





俺tueeeネットを紹介するエッセイを複垢マンは投稿した。【評価1:1が趣味のおバカ対策】なるタイトルである。

気にしないのではなかったのか?むしろ2点に喜んでいたのに。

今まで複垢マンが静かだったのはこのサイトの存在を知らなかったためらしかった。そこは別にいい。



複垢マンは私が思うよりもネットリテラシーに欠けていた。全世界に発信しているという意識があまりにも低い。あれだけ他人から恨まれる行動をしておいて、監視される意識がなかったのである。


焦った。■■には私とは何の関係もない方の名前が入る。

なんと複垢マンは、私と似たアカウント名の方を同一人物だと断定し、攻撃を始めたのである。■■さんの作品に1:1を入れはじめた。


最初のメッセージの、報復する云々の意味が分かった。


自分が複垢を持っているから他人もそうだと思い込む。普通複垢を取るときに似た名前なんか付けるか?と思うが、人間のバイアスというものは闇深い。


他人に迷惑をかけてはいけない。すぐに運営に通報した。



結果を先に書く。運営からの返事はない。複垢マンはこの翌日に退会したからである。


とりあえずこの時、アカウント名を◯2人は同窓生★◯に変更しておいた。


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