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アラフィフのおっさんと異世界少女  作者: 於田縫紀
第10話 私と国王の戦場

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その4 後始末を終えて

『ここが異空間ですか』

 ザグロフ氏が回りを見回す。

『議場も見えますがこの状態で魔法を使えるのですな』

『ええ。その詳細は捕らえた連中を分析すればわかると思います』

 私は位置と方向を少し修正し、捕らえた5人の思念を確認出来る状態にする。


『おお、何かが変わった』

『この辺の魔法理論は説明出来ないのですが、取り敢えず捕らえた敵はこの状態で確認出来ると思います。ここで無力化をお願いして宜しいでしょうか』

『わかりました』

 流石は魔道士長だ。あっさりと5人を眠らせた。


『それでは眠らせた敵とともに、王宮の正常な空間へお戻しします』

『ヒロフミ殿はどうされるので』

『王宮は魔法禁止の魔法陣が効いているので魔法が使えません。万が一これらの者と同等の敵が来た場合は危険です。ですので私はここにとどまって国王陛下を御守りさせていただきます』


『わかり申した。しかしヒロフミ殿の魔法は興味深い。出来れば後程でいいので教えていただけると幸いなのだが』

『残念ながら私の魔法は別世界由来のもので、この世界で広めてはいけないものだと思われます。危険すぎるので』

『わかりました。それではお願い致します』

 そんな訳で眠った5人とザグロフ氏を元の議場へと戻す。


 突然現れた6人に国王と話している議員2人がぎょっとした顔をした。

 まあ本来議場は魔法使用不可能な筈の空間だからな。

 国王ルティが説明したらしく、すぐに納得したような表情になったけれど。


『さて、今日はもう引き上げで大丈夫だ。私が頼むと言ったらあのペンションへ帰るとしよう』

『王宮に帰るのはまだ止めた方がいいですか』

『万が一、この者どもと同等な敵が出た場合を考えると止めた方がいい。一日もあればこの者共の知識から魔法解析して、対策を講じることが出来るだろうからな。それまではヒロフミには申し訳無いが、あのペンションに家族と居ることを許してくれないか』

『わかりました。確かにその方が安全でしょう』

『よし頼む。帰還しよう』

『わかりました』

 そんな訳でペンションの私の部屋へ帰還、歩いてラウンジへ。


「どうでした」

「大丈夫ですか」

等々皆さんに囲まれる。

「議会は無事終わったし、事案の内容もだいたい公に出来た。ただ誤算がひとつあってな。今日はまだ王宮に帰ることは出来ない」

「何があったのでしょうか」

 皇太子(シャープール)が代表して尋ねてくる。


「敵にも異空間を使える魔道士がいた。6人程無力化したが、まだいるかもしれない。対策を取るまでの間、王宮はまだ安全では無いと判断した」

「王宮魔道士長に捕らえた敵を引き渡したから、明日には対策案が出来ているだろう。だから王宮に帰るのは明日以降だな」

 私と国王(ルティ)で説明。


「そうですか。不謹慎ですがちょっとだけ嬉しいかもしれませんね。何せこの世界をもう少し堪能出来るという事ですから」

「この家も王宮より狭いけれど快適だし楽しい」

 おいおい皇太子(シャープール)第三王子(ワーラ)、その本音はいいのか。


「それよりまず、何か食べるものが欲しい。この時間までほぼずっと会議だったのだ。腹が減った」

 そう言えばそうだったな。

 国王(ルティ)は何もたべていなかったんだ。

「簡単なのでよければ」

 私はアイテムボックスから、以前作ったサンドイッチとおかずを出す。

 私のアイテムボックスは時間静止タイプだから新鮮なままだ。

「おおありがたい。でもこれがすぐ出てくるなら、出来ればもっと早く出して欲しかったな」

 国王(ルティ)がジト目で私の方を見る。


国王(ルティ)は話しっぱなしで出すような状況では無いようでしたので」

「出せると言ってくれれば……もうよい。貰うぞ!」

「さて、こっちでもう少し時間があるみたいだし、また買い物に行きたいな」

「そうですね。この付近を散歩するだけで暇でしたので、少し遠出もしたいかと」

 ああ、皆さん異世界であるここを堪能する気満々の模様だ。

 まあいいか。それでは申し訳無いけれどオーナーさんに運転を頼んでこよう。

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