その4 食事後はだらだらと
「明日は色々大変だから出来るだけ早く寝ような」
そう言っているのだけれど皆さん寝る気配はまるで無い。
ラウンジ横にあるキッズルームは絨毯敷きで、絵本とかDVDとかが揃っていてそこそこ広さがある。
私がアミュとここでDVDを見ているたところ、全員が合流してしまったのだ。
「凄いよね、こんな映像を作って見る事が出来るなんて」
「しかしこの機械、魔法生物扱いなのか?」
「いやこれは擬人化と言って、機械に人格があるという設定だ」
ちなみにDVDは機●車トー●スのシリーズである。
あとジーナは昨日買ったパソコンを持ち込んで作業中。
既にパソコンのアトラ文字化は完了した様子だ。
「参考までになにやっているの?」
「この世界の政治体制を調べてレポートを書いている」
「学校でのジーナの研究課題のひとつよ」
なるほど。
「そう言えば王様達への知識ベース、どんな感じだ」
皆いるついでに聞いてみる。
「こんな内容でまとめたんだけれど、どうかな」
マリエラがプリンタで印字されたメモを私に渡してくれる。
○ 生活上の知識
・ 簡単な日本語とアトラ語の対訳
・ 扉や蛇口、風呂等の使い方
○ この世界で過ごす上の約束事
・ この国には身分差は存在しないので注意する事
・ 魔力を感知されないよう、ペンションの外では魔法陣を必ず身につけ、魔法を使わない事
○ 今回の件に関する事
・ シェラが王宮で王弟のいる部屋で聞いた内容
・ シェラがこの世界に来てからのおおまかな流れ
○ これからの解決方法案
「最小限という事で、こんな感じにまとめたよ。これなら直接手を触れないでも魔法で伝えられるから」
なるほど、くどくど説明しないで済んで便利だ。
「あと知識のバランスがあるから、伝える役目は私かジーナに任せて。シェラやおじさんは余分な知識や想いがあるだろうから」
「ありがとう、マリエラ」
「いいのいいの、お互い様でしょ」
性格が大分違う気もするが、やっぱり仲はいいようだ。
うん、見ていて麗しきかな、という感じがする。
「おとーさん、トーマス終わっちゃった」
私を背もたれに足の間に座り込んだアミュが私を見上げて言う。
確かにDVDが終わってしまったな。
時間的にも余裕があるし、次を見るとするか。
立ち上がろうとするとアミュが私の服を掴む。
「おとーさんはそのまま」
「はいはい」
シェラが立ち上がる。
「次はこのDVDでいいんですよね」
「ありがとう。それで頼む」
シェラが交換してくれたDVDが始まる。
◇◇◇
今回の部屋割りは私は和室7畳半に一人。
シェラ達はロフト付きベッド2台の部屋で4人一緒だ。
これはマリエラとジーナがシェラ達を王室の干渉から守るためにそうしたらしい。
マリエラもジーナもやりたいようにやっているように見えて、実は色々シェラ達に気を配っているようだ。
その割に私に対しては妙に気軽と言うかなんと言うかだけれども。
まあ私も気にはしないし、今みたいな方が楽だけれども。
さて静かになったし、もう一度風呂へ入ってくるかな。
そう思って部屋を出る。
風呂へ行く途中ラウンジを通ろうとしたところ、マリエラとジーナがいた。
二人ともパソコンを使っている。
なおジーナのパソコンは私のノートパソコンだ。
FXでもやっていたのかな。
「おじさん、何処へですか」
「ちょっと風呂へ入ってこようかと思ってさ」
「ちょっとお話いいですか」
何だろう。
「別に大丈夫けれど、何だい」
私が向かいに座ると同時に、二人が立ち上がって頭を下げる。
「お願いです。シェラとアミュを幸せにしてやってください!」
えっ! 何だって!




