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アラフィフのおっさんと異世界少女  作者: 於田縫紀
第4話 救出作戦第一弾

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その3 学校の寄宿舎です

「私とアミュは魔法気配隠匿を使って通常空間に出ます。お父さんはその空間で危険予知魔法を使ったまま見守っていて下さい。隠匿魔法を使うと他の魔法を使えませんから」

「わかった」

という事で新たな場所に出る。

 これは学校の寮というか寄宿舎かな。

 きっとシェラやアミュが事案前に過ごしていた建物だろう。

 二階建ての赤土色の壁をした建物だ。

 この世界の建物の壁はこの、土を塗って素焼き状態に魔法で焼いたものが多いようだ。

 これだと雨が多く暑い夏でも涼しいらしい。

 王宮もこんな壁だったな。


 そして建物の作りは外廊下のアパートに似た感じだ。

 各個室のドアが開けっぱなしだったり開放的な雰囲気。

 生徒らしい少年少女がうろうろしているので本日はお休みの日の模様。

 なお今のところ危険予知魔法には反応は無い。


 シェラは勝手知ったるという感じですいすいと歩いてある部屋の前で立ち止まる。

 そして閉まった扉にトントン、トン、トン、トントンと不規則なノックをした。

「はい」

 扉を開けて顔を覗かせたのは焦茶色の髪にそばかす顔の少女。

「入って」

 それだけ言って中へシェラとアミュを招き入れる。

 私も女の子の部屋で申し訳無いけれど入らせて貰う。

 彼女は扉を閉めて、小声で魔法を唱えた。

情報封鎖(タリビット)


「すみません、ご迷惑をお掛けして」

 小さく頭を下げるシェラと左手を開いてフリフリする彼女。

「でも無事でよかった。いきなり居なくなったからね。でもアミュちゃんも元気なようだし」

 彼女は屈んでアミュをきゅっと抱きしめる。

 アミュも慣れている感じだ。


「それで事案は解決したの? 内容は婚約? 事故? それとも権力闘争?」

 彼女は立ち上がってアミュをなでなでしながらそんな物騒な事を尋ねる。

「説明前にジーナを呼んできてくれると助かります。二人にご相談というかお願いをしたいので」

「わかった」

「思索中だったら連絡して下さい」

「大丈夫、シェラ達が急に居なくなって心配していたからね。戻って来たと言えばすぐ来ると思うよ」

 ばたばたっ、と彼女が出ていった。


『彼女はマリエラと言って私のこの学園での友人で、同じ課題作成班の一人です。もう一人今呼んでくる子も同じ課題作成班の一人で、ジーナと言います。あと、さっきのノックは他の人に秘密の用件があって、中に他の人が居るかどうか確認する時のノックです』

 なるほど、ノックも暗号なのか。


『彼女達にも同じように魔法を使えるようになって貰えば、国王陛下以下を救助するのもずっと楽になると思います。ただし、2人にも一度向こうの世界のお父さんの家に来て貰う事になると思います。それでもいいですか?』

『勿論。ただ布団とかの数がないからさ、準備するまではちょい寝具とかが質素になると思うけれど』

『それ位は大丈夫です。ではお父さん、申し訳ありませんがその方針で2人に話そうと思います』

 2人を向こうの家に呼び魔法を使えるようになってもらって、国王以下の救出に参加して貰う訳か。

 布団を買ってきてもいいし、寝袋ならあと2~3枚はあるし大丈夫だろう。


『マリエラとジーナは基本教育が終了した後、ずっと同じチームで研究している2人です。私が王女だという事を知っていてなお特別な目で見ないでいてくれますし、頭もいいです。それに二人とも信用して大丈夫な人だと思っています』

『私は二人の前に出ない方がいいかな』

『取り敢えず私がいいと言うまで、申し訳ありませんが今のままでお願いします』


 なお基本教育とは、この世界における小学校課程みたいなものだ。

 マナーとか魔法とか戦闘とか、主に身体を動かす事を中心に学ぶ。

 それ以降の学校教育は、調査研究活動が中心だ。

 何せ基本となる知識そのものは魔法で簡単に得ることが出来る世界。

 だから一方的な授業を受ける必要は無い。

 だから基本的な知識とか方法論を学んだ後は、数人から十数人でチームを組んで、学んだ知識の外側を探っていくわけだ。

 研究する内容は自然科学系でも魔法系でも社会科学系でも構わない。


 さて、この部屋は一般的なアパート同様、台所と居住空間がある作りだ。

 広さは都内のワンルームマンション等よりむしろ広いだろう。

 ベッドとテーブル、本棚が余裕を持って配置されている。

 テーブルに四つ椅子があるのは、ここで集まる事があるという事だろうか。

 テーブルカバーもベッドカバーも生成り系の色の布で、落ち着いたいい感じだ。

 これがマリエラという子の趣味なのか、この世界には女の子っぽいファンシーな感じのものが無いのかはよくわからないけれど。


 危険予知魔法は今のところ反応なし。

 敵の視線は学園には向いていない模様だ。

 既知の魔法で人を探すものは魔力を手繰る走査魔法系統が主体。

 つまり魔力が外に出ないようにしていれば魔法でシェラ達を探すのは不可能。

 出没しそうな場所で見張りをする等しか無いのだけれど、この学園にそういう見張りは配置していないらしい。


 日本の我が家もこの部屋と同様、情報封鎖魔法を使っておけば安全だろう。

 情報封鎖魔法を使えば外に魔力が漏れないから、広い日本で魔法でシェラ達を探すのは不可能だろう。

 ただ持続的に情報封鎖魔法をかけるには、魔法を魔法陣か何かで起動させた方がいいかもしれない。

 車にも同じ措置をしておけば安全かな。

 そんな事を考えていると部屋の扉がささっと少しだけ開いた。

 女の子2人がささっと中に入って扉を閉める。

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