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アラフィフのおっさんと異世界少女  作者: 於田縫紀
第3話 異世界に行こう!

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その4 家で一息つきます

「それで兄とその郎党の様子はどうだ」

「大人しくしております。魔法は封印されているので身動きは取れないかと」


「外部と連絡を取られたり、王党派に探されたりする心配は」

「カドゥ砦は我が配下の魔道士小隊に守らせております。ナールセス様の領地内、山岳地帯で今となっては戦略的価値も無い古ぼけた砦であります故、近づく者もそう無いかと」

「確かにな。第三王女に言う事を聞かせるまで万が一という事もある。精々丁寧にもてなすが良い」

「わかりました」


「それでアマルテアとラステオの情勢の方はどうだ」

「相変わらずにらみあっているだけ、というのが……」


 その後の話も一通り聞いたが、特に変わった話とか急ぐべき話というものは無いようだった。

 取り敢えず事案の概要と国王以下の幽閉場所がわかったので、これで充分だろう。

 話を聞くために開けた空間を閉鎖する。


「だいたいの状況はわかったな」

「はい」

 シェラが頷く。

「それでは一度休憩するとしよう。ちょうどいい場所があれば教えて欲しい。無ければ一度家に戻ろう」

「家の方が安心です。次の襲撃は明後日のようですし、危険予知魔法を使えばその兆候も事前にわかると思います」

「わかった」

 そんな訳で移動魔法を起動し、直接我が家に帰ることにする。


 我が家到着。

「アミュ、よく静かにしていたな。偉いぞ」

「疲れた」

 まあそうだよな。

「とりあえず手を洗って。そうしたら軽く食べて一服しよう」


 洗面所で手を洗ってリビングへ。 

 アイテムボックスからサンドイッチとおにぎり、おかずの残りを取り出す。

「何かこの家に帰るとほっとします。まだお世話になって少しですのに」

「そう言ってくれると嬉しいな。まだシェラやアミュ達のベッドとかも揃えていないけれどさ」

「でもそこまでしていただくのは申し訳ありません」

「魔法も教えて貰ってしさ」

 特に短時間予知魔法なんてデイトレあたりで無敵になるだろう。

「実際この家にずっといても問題無いよ」

 これは本音だ。

 シェラ達が来てから何か楽しいし。

 省エネ一人暮らしを自称していたくせに何だよと自分でも思うけれど。


「うえっ! お父さん、これ辛い」

 アミュがトロマヨワサビのおにぎりを食べてしまった模様。

「ごめん、おにぎりは辛いのがあるから、サンドイッチの方を食べてくれ」

「わかった」

 アミュが食べかけのおにぎりは私がいただく。

 うん、この味はやっぱり美味しい。

「このサンドイッチは美味しい」

 アミュもサンドイッチの方はお気に入りのようだ。


 その辺を見ながら私は考える。

 シェラやアミュはどっちの世界の方が幸せに暮らせるだろうかと。

 王族とは言えあまりいい扱いを受けていなかった事は王弟の台詞で判明した。

 でも生きていた世界が変わるというのはどうだろう。

 何せ重力まで違う状態だ。

 見かけこそ同じだが生物として同じかどうかすら……

 魔法で確認した結果、DNA的にはほぼ同じようだ。

 ならば知識は魔法でどうにかなる。

 でもアミュには例の魔法は使えないのか……

 いや、少しずつなら大丈夫なのか。言葉も知識も少しずつなら。


 ただその辺は結局彼女達自身が選ぶべきだろう。

 私はつい、“居て欲しい“という側で考えてしまう。

 科学技術が進んだこっちの世界が“快適“だと思ってしまう。

 その辺の判断が彼女達と同じだとは限らない。

 だから強制とかしないように、彼女達の本音で決めさせたい。

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