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アラフィフのおっさんと異世界少女  作者: 於田縫紀
第3話 異世界に行こう!

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その2 取り敢えず行ってみました

 シェラが出来るだけ急ぎたいというので基本は服を着替えただけ。

 ただ靴はそれほど目立たないし動きやすいというのでこっちの靴で。

 私は異世界的な服装を持っていないので、綿の長袖襟有りシャツにチノパン、上にユニクロのウィンドブレーカーを羽織ったスタイルだ。


 なおシェラには内緒だけれど、アイテムボックスの中に2食分の食事、寝袋3つ、テント、マット3枚、懐中電灯、ライター、ガスバーナー(カセットガスタイプ)、カセットガス缶3本、カセットガス用ランタンが入っている。

 後は家にあったお茶やスポーツドリンクのペットボトルもだ。

 更にゼリー状の食事も3つ入れておいた。

 あとはメモ用のノートとスケッチブックとボールペンと色鉛筆セットも。

 岩登り用のシュリンゲとかカラビナもあると色々便利なので入れておく。

 とにかく手当たり次第入れた感じだけれど、無いよりあった方がいいだろう。

 まあ大体の事は魔法で何とかなるのだろうけれど。


 念の為、まずは王宮がある街の10㎞くらい外側に出てみる。

 天気は曇り、風がちょっと肌寒い。

「敵の反応はどう?」

「もう少し近づかないとわからないです」

 まあそうだな。

 でも近づくと敵の魔法使いにもこっちの存在に気づかれてしまう。


「王宮は向こうに見える街の中なんだな」

「はい。街の中心にあります」

 なるほど。


 ふと何となく感じた事を聞いてみる。

「この世界に来てから身体が軽いな」

「おそらく重力が違うのだと思います。私もアミュも向こうの世界では最初身体が重くて歩くのも少し苦労しましたから」

 なるほど。

 ここは異世界で、かつ地球では無い星なのか。


「さて、次は王城への侵入だな」

「王城には見張り台と魔道士部隊の詰所以外、魔法抑止の魔法陣が配置されています。直接魔法で侵入する事は出来ないので、外部から魔道士部隊に気づかれないよう、徒歩等で近づかないと」

 なるほど。

 でも自分の中の魔法の知識を確認すると、何とかなりそうな手段が見つかった。

「なら王城への魔法移動は私がやってみよう。その前にアミュ、ちょっと失礼」

 シュリンゲでささっと簡易的なハーネスを作ってアミュと私とを繋ぐ。

「アミュは空間魔法をまだ使えないから念の為。ちょっと微妙な移動をするから」

「私もこの紐を掴んでおきます」

 そんな訳で街の近くのちょっと細工をした場所まで移動する。


 移動したのは王宮のすぐ前の広場。

 赤土色の巨大な建物があり、入口に兵士2人が立っている。

 ただしその風景は霞がかかったように薄くぼやけて見えた。


「ここはどういう場所ですか」

「世界って言うのは縦横高さの3つの軸と時間というもう1つの軸で出来ている。そんな理論は頭の中に入っているだろ。ただ実際にはその他にそれほど大きさのない軸がいくつも存在しているらしい。

 そんな軸でほんの少し、本来の世界から外れた場所に出てみたんだ。なお一応不可視の魔法をかけてあるから向こうからは見えない。多分走査の魔法でも軸が違うから見つからないと思う。

 でもこっちは軸が少しずれているのを知っているから、向こうに魔法を使えるし、向こうを走査魔法で調べる事も出来るはずだ」

 私が考えたチートその1である。

 出来るかどうかは自信無かったけれど、何とかなったようだ。


「あと危険予知魔法も一応継続状態でかけておく。これで万が一危険が近づいた場合でもわかるだろ」

「ありがとうございます。王宮は魔法阻害の魔法陣が描かれているので、どうしようか考えていた処でした。これならおそらく中には入れます」

「ただ充分注意はしておこうな。アミュもしばらくは静かにしてような」

「うん、わかった」


「それじゃゆっくり移動しよう」

 飛行魔法でこの空間沿いに王宮へと入る。

「魔法が少し効きにくくなったけれど大丈夫だな。それで行くべき場所は?」

「魔法阻害の影響で走査魔法が使えません。ですので一通り回ってみる予定です」

 なるほど。

「なら移動は頼む」

「わかりました」

 王宮内の配置がわかるシェラに交代した。


「まずは国王側の執務関係の場所から確認していきます。それで何も無ければ後宮区画、それで駄目なら議会側やその他の場所を調べます」

「わかった。でも十分注意して動けよ。この空間の事を敵の魔法使いは知らないとは限らないから」

「わかっています」

 そんな訳で王宮の探索を開始する。

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