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アラフィフのおっさんと異世界少女  作者: 於田縫紀
プロローグ 平凡な4月の金曜日に

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1/68

その1 少女二人を拾いました

 毎日朝五時更新予定です。

 なお序盤の話の内容は、

  プロローグ 少女2人と生活開始

  第一話 ●●が使えることが判明しました

  第二話 ●の気配を感じました

という感じです。

 一話あたりだいたい5部分(プロローグだけ6部分)という構成になっております。

 どうぞよろしくお願いいたします。

 最近は野菜が高い。

 なので少し質が悪いが安い見切り品のキャベツを購入する。

 多少質が悪くても食べられればいいのだ。


 高橋(たかはし)弘文ひろふみ49歳。職業無職の独り暮らし。

 二年前に某地方公務員を退職し、貯金と投資で底辺生活中。

 家に帰ったら鶏皮とキャベツを炒めて夕食にしよう。

 そんないつもと同じ無為な一日、その筈だった。


 家に帰る途中、ふと呼び止められたような気がした。

 声と言うよりは歌のような感じ。

 第二児童公園入口付近であたりを見回してみる。


 すぐにはわからなかった。

 でも確かに何か聞こえる気がする。

 言葉か歌かよく聞き取れないけれど、何かしら助けを求めているような感じだ。

 放っておいても日々の生活には支障は無い。

 でもやっぱり気になる。


 何かが聞こえたような気がする方向をもう一度よく見てみる。

 公園へと降りる階段途中、植え込みに隠れるように何か見えたような気がした。

 近づいてみる。ふっと灰色の何かが動いた。

 布地を被った人のようだ。浮浪者にしては小さい。子供だな。

 これは警察に電話した方がいいかな、そう思った時だ。


『公安機関、連絡、ない、で』

 そんな声が聞こえた気がした。


「家出かな。でもこのままこうしている訳にもいかないだろう」

『家出、違う。場所、迷った。迷子、世界、違う』

 言葉が変だ。日本語が得意では無いのだろうか。

 そうだとすると世界が違うというのは外国出身という事だろうか。


「外国から来たのかな。なら大使館か何処かで保護を頼めば」

『外国、違う。違う、世界』

 外国でなく違う世界? 意味がわからない。

 ただこっちが言っている意味はわかるようだ。

 だから聞いてみる。


「ならどうして欲しい?」

『助けて、欲しい。公安機関、駄目。世界、違う。食べてない。一日』

 さあどうしようか。私は考える。

 家に連れ帰っても文句をいう人間はいない。

 何せ独り暮らしだし、家は一戸建てなので広さも充分ある。

 でも何か厄介ごとに巻き込まれると面倒だ。

 ただ今の言葉の様子では食べるものも食べていない感じ。

 このまま見過ごしてもし飢え死にしたり事件をおこしたりとか考えると面倒だ。


「わかった。取り敢えず夕食くらいは食べさせてやる」

 鶏皮とキャベツだけでなく、真っ当な冷凍食品も一応ある。

 買い物に行けないとき用だが別に使っても構わない。

 やっぱり他の人に貧乏炒めを食べさせるのは申し訳無いしな。

 ちなみに貧乏炒めとは激安野菜や野草と鶏皮を炒めた料理のことだ。

 安くてご飯に合うので私の良く作るメニューである。


『ありがとう』

 そう言って子供は立ち上がる。

 もっと子供だと思ったが中学生くらいの女の子だ。

 顔立ちは鼻筋が通った白人風、多分育ったら美人になるだろう。

 今のままでも綺麗と言っていい。

 そしてくるまっていた布の下からもう一人顔を出した。

 こっちは男女不明だが小学低学年っぽい感じだ。

 二人だったとは思わなかった。でもまあ仕方無い。

 それに二人だと姉の方は結構色々気がかりだろう。


「ここから五分くらいだ。歩けるか?」

『大丈夫。身体、重い。でも歩く、出来る』

 身体が重いというのは疲れているという意味だろうか。

 まあ家は近い、ここから精々二百メートル程度。

 色々聞きたいことはある。でもその辺は落ち着いてから聞いてみればいい。

 何せ言葉が途切れ途切れで、理解するのに時間がかかる。

2019年5月10日、舞台となる場所が変わったため、若干書き直しました。

千葉県の榎●駅の近くとなります。

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