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雪の涙は葉に落ちて  作者: 大塚 博瞬
第1章 メリコイル
12/30

1-11 やるべき事、成すべき事1

サブタイトルを『やるべき事、成すべき事』に変更しました。

 純白な色には清潔や健康といったイメージを思い浮かべる。

 汚してはならない純粋なもの。そういうイメージを持つからだろう。

 メリコイル・中央区・アダマンタン病院の1室。

 純白に塗り固められたこの部屋で、頭に包帯を巻いたルーネがベッドに横になっていた。

「みんな大袈裟だって。ただ頭を打っただなんだからさ」

「頭から血ぃ流してた奴の言う台詞じゃねえぞ、それ」

 ルーネの言葉に、ブラウンさんが呆れ気味に反応する。

 昨夜の囮作戦でのこと。謎の魔獣に攫われそうになったスノウとルーネは、間一髪で難を逃れた。しかし、地面に叩き付けられた際にルーネは受け身を取れず、頭を強く打ったのだ。同じような状況下にあったスノウも、地面に落ちて暫くは動けなかった。

 幸い、2人とも大事には至らなかった。だが、頭から血を流していたルーネは一応病院で処置を行い、今はベッドで横になっているのだった。

「怪我した場所が場所だからな。今日1日は安静にしてろ」

「ああ、オレも休むべきだと思う」

 ブラウンさんの言葉に、オレも同調する。

 昨夜、黒い霧を追ったあと3人の元に戻ったオレは、ルーネのライトブルーの髪が血に濡れるところを見た。

 オレは今まで、同世代で群を抜いて優秀なルーネを1種の完璧超人だと思い込んでいた。失敗はしない。常に余裕がある。怪我をするなんて考えもしなかった。

 しかし、彼女も同じ人間だった。今まで遠い存在だと思っていたルーネを身近に感じた安心と、また同じ事が起こるのではという不安。その2つの相反する感情が心に芽生えたのだ。

「それじゃあ駄目だよ。……このままじゃ、手遅れになる」

 オレの不安など意に介さず、彼女が口を開ける。

「それって……」

「次の誘拐にか? けどよぉ、」

「許しません」

 ブラウンさんの言葉を遮って、床にしゃがんでいたスノウが口を開く。

「スノウちゃん?」

「許しませんよ。怪我してるのに、私達以上に働こうなんて。これじゃあ不平等です。不公平です。貴方1人で何でもやり過ぎです」

 先程までうつむいていた彼女が、今は顔を上げている。

「そんなこと言ってる場合? 囮作戦は失敗した。なら、早く次の行動に移るべきだ」

「それでもです。…………知ってるんですよ。1人で何でもやろうとして、ボロボロになっていく人の様を。今の貴方はとっても頼もしいけど、とっても恐い。だから私の言葉を阻むのなら、休んでくれないのなら、私はこの指輪を使います」

 どこか遠くの過去を見て、けれど硬い決意を持って、スノウは呟く。それはかつての母の姿か、それとも自分の姿か。いや、そのどちらとも彼女にとっては辛い記憶なのだろう。

 自分の願いのために他人が無理をする。スノウはそれが許せないのだ。

「もっと頼ってもいいじゃないですか。私達は、もうチームです」

 ルーネは何か言い返そうと口を開ける。けれど言葉を発さず、それを飲み込む。

「ハァ……分かった、負けたよ。今日1日はちゃんと安静にしてる。約束するよ」

 肩を落としてため息を吐くルーネ。

 スノウはその言葉に納得したのか、ゆっくり立ち上がってから部屋の扉へと向かう。

「約束ですからね。絶対ですよ」

 念を押してから扉を開けるスノウ。それを見てブラウンさんが、声を上げる。

「おい。どこ行くんだ、お嬢ちゃん?」

「決まってるじゃないですか。探偵さんの代わりに、私が探偵になるんです」

「ちょっと待てって。俺も行く」

 部屋を去るスノウと、急いでそれを追いかけるブラウンさん。しかし、扉の前まで来た所でブラウンさんは立ち止まり、カバンから赤い果実を取り出す。

「忘れるところだった。ほれ、これでも食っときな」

 リンゴが宙を舞って、スノウのベッドにストンと落ちる。

「僕、別に風邪引いてるわけじゃないんだけどなあ……」

「いいんだよ。見舞いにはリンゴって、相場が決まってんだ」

 扉を閉め、またブラウンさんはスノウの後を追っていった。






 探偵さんのいた部屋を出て病院の出口に向かう。少し遅れて、蛮族さんが私の横に並んだ。

「ありがとうよ、お嬢ちゃん。ルーネの奴を説得してくれて」

「礼を言われるような事じゃありません」

 探偵さんは黒い霧から私を守った。私の手を掴んでくれたから、あの人は空中でバランスを崩して怪我を負ったのだ。

 怪我の原因が私にあるなら、私がその分働く。そうでなければ釣り合いが取れない。

「リーフもそうだが、休むのも仕事の内、なんて言って聞くような奴じゃないからな。幸いにも、昨夜の作戦で手掛かりは得れたんだ。急いて事を仕損じるより、今は体を休ませた方がいいに決まってる」

 蛮族さんの言葉に、引っかかるものを感じる。

「同じなんですか、愚か者さんも?」

「ああ。まだお嬢ちゃんと合う前の、だけどな。……アイツはよ、何かに取り憑かれたようにシンボルからの依頼をこなしてた。未開の地に行って、魔獣を殺して、家に帰ったら泥のように眠る。休みなんて全く取りやしない。まるで、1世代前のハンターを見てるようだった。アイツ自身思う所もあるんだろうけどよ、その様はお嬢ちゃんがさっき言ってた通りだったぜ」

 とっても頼もしいけど、とっても恐い。確かに、愚か者さんからも近いものを感じている。

 思えば、彼と初めて出会ったのも未開の地だった。傷だらけで血を流しながら、1人雪の上に佇んでいた。

 あの時の愚か者さんを安心して見ろ、というのは無理な話だ。

「あの頃のリーフと、今のルーネはどこか似てる。だからよ、俺の伝えたかった事を代弁してくれたお嬢ちゃんには感謝してるのさ」

 そう言うと、ブラウンさんは私に微笑む。

 伝えたかった事。蛮族さんは単純に、探偵さんに休んで欲しかったのだろう。

 だけど違う。私は違うんだ。先程は探偵さんが無理をしようとしていたからああ言っただけで、本当は、あの黒い霧から助けてもらった時のお礼が言いたかっただけなのだ。結局、言えずじまいで部屋から出てしまった。

 そして、あの時手を伸ばしてくれた人は探偵さんだけではない。私の隣に、その人はいる。

 言わなければ、今ここで。

「あの……」

 か細い声が途中まで出て、口が動かなくなる。まるで昨夜の黒い霧に掴まれた時のように。

 原因は、嫌というほど分かってる。私個人の、一方的な確執だ。

 この人に近づこうとするほど、分かろうとするほど、ジェノでの出来事が頭に浮かんでしまう。また私が否定されてしまいそうで、どうしても1歩が踏み出せない。

 このままじゃいけないのは分かってる。他人を拒絶せず、受け入れる。私はついこの間、そう決めたばかりだ。

 いつまであの事を気にしている。いい加減前に進め、スノウ・ストロベリー!

 意を決して、私はブラウンさんの顔を見上げる。

「行くんだろ、ガーデン・ビスマス。良ければ送ってくぜ」

「え?」

 不意を突かれ、出かかった言葉を飲み込んでしまう。

 飲み込んだ言葉がくどすぎて、むせ返りそうになる。

「なんだ、違うのか? ルーネの代わりになるって言ってたから、俺はてっきり、」

「あー、はい。そうです。あの庭園で合ってます」

「おっしゃ。じゃあ、絨毯取ってくるから病院の出口で待ってくれ」

「……分かり、ました」

 意気揚々と、ブラウンさんが病院の出口から出て行く。

 それを見送ってから、私は赤い頭巾を深く被る。


 恐怖で口が動かなくなることと、確執があって言葉が出ないこと。

 この2つは原因こそ違えど、結果は同じだ。口が動かず、思っている事が伝えられない。

 昨日の夜と同じくらい、私にとっては他人に素直な思いを伝えることが難しい。

 探偵さんの嘘つき。時間が経ったら解決するって言ったのに。

「はぁ……」

 最近、ため息ばかり吐いている気がする。

 ため息をすると幸せが逃げていくと言うが、もしそうなら一生分の幸せは使い果たしたことだろう。そういうところは全然変わってない。

 こうして、ふと昔を思い出した私は、またため息を吐くのだった。






「変わったね、スノウちゃん」

 頭で手を組みながら寝ているルーネが口を開く。

「ああ、そうだな。オレもお前が言いくるめられるとは思わなかった」

「だってさ、あのスノウちゃんが『私達は、もうチームです』なんて言うんだよ? あんな真剣な目で言われたら、流石に反論出来ないよ」

 スノウはこれからもっと変わってくのだろう。彼女の人としての成長は、見ていて分かる。

 オレはブラウンさんから貰ったリンゴの皮を剥く。リンゴは既に白い実を半分まで晒している。

 その白い実は、あの夜の月を連想させた。


『オレ達は、もうチームだ』


 メリコイルに来て初めての夜、オレがスノウに言った言葉だ。あの時の言葉を覚えてくれていたことが、オレは嬉しかった。

 だが、その感情を表に出すことはない。少なくとも、今のオレには出せないのだ。

「ほら、リンゴ剥き終わったぞ」

「お、ありがとー」

 8等分にカットしたリンゴを皿に乗せ、ルーネの前に出す。体を起こし、ルーネがそれを受け取る。頭が痛むからだろうか、どこか動きがぎこちない。

 ルーネがリンゴを食べるのを横目に見ながら、口を開く。

「なあ、ルーネ。手遅れになるって、次の誘拐にじゃないんだろ?」

「どうして、そう思うんだい?」

 一瞬目を細めて、ルーネがこちらを一瞥する。

「ただの勘だよ」

 昨夜の『……所詮、盗人か』という黒い霧の言葉。あれはオレ達に向けられて言った言葉だと勝手に解釈していた。

 しかし、本当にあれはオレ達に向けられた言葉だったのだろうか?

 例えば、そう。仲間の失態を静かに怒るチームメイトの言葉。そういうものだったのではないだろうか?

 もしそうなら、あの誘拐犯は魔獣に敵意を向けられた事になる。常識的に考えれば、あの誘拐犯が生きているとは思えなかった。

「オレは、もうあの誘拐犯は殺されたんじゃないかと思ってる。そして、お前も同じ結論に達している気がするんだ。これはただの当てずっぽう。だけど、もし当たっているのなら、お前の『手遅れになる』って言葉はおかしい。だって、もう消失事件は起きないのだから」

「……………」

「間違ってるなら言ってくれ。そしてら、今の考えは綺麗さっぱり忘れるから」

 そうは言うが、オレの中では確かな自信があった。

 論理的な思考でも、建設的な意見でもない。しかし何故か、心の奥底から自分の考えに自信が持てたのだ。

「……65点」

「ん?」

 何とも間抜けな声が口から漏れる。

 ルーネはリンゴを1つ口に放り、咀嚼する。

「結論に至るまでの過程が違う。けど、芯はちゃんと捉えてる。だから65点」

「中途半端な点数だな。当たりなのか外れなのか、もっと分かるように言ってくれ」

「どちらかというと当たり、って感じかな。まあ良い線いってたから、おまけでもう5点差し上げよう」

「……そいつはどうも」

 謎の加点が入り、70点という点数に納る。

 どうやら、オレの考えは筋が通っていたらしい。しかし、勘は勘なのだ。30点分の大きな穴が空いている。

 その穴を埋めるように、ルーネが話しを進めていく。

「僕は最初、この事件に2つの疑問があったんだ。1つ、犯人がなぜ誘拐を行うか。2つ、犯人はなぜ誘拐のペースを早めたのか。身代金を要求している訳でもなく、死体が見つからない事から殺害目的でもない。そもそも、殺すならその場で殺してるって話だしね。だから僕が導き出した結論は、犯人は人間を材料にして何かを作っている、だった」

「『だった』って事は、今は違うのか? それに、人間を材料にしてつくるものって一体……」

 頭の中にグロテスクな光景が思い浮かんでしまう。

「魔女の一族【ツール】の人形には『人間の脳』が使われているそうだ。それと同じように、人間を材料にして作られる物があってもおかしくはないよね。……この街でそういう類いの物を作ってる人間がいる。少なくとも、昨日のアレを見るまではそう思ってたんだ」

 昨日のアレとは黒い霧のことだろう。

 魔獣が人を襲うのは単純に殺害目的。種としての対立がそうさせるのだ。であればルーネが挙げた推理の他に、魔獣が捕食、もしくはなぶり殺すために人を攫ったとも考えられる。


『仮説の段階でものをを言うのは無粋ってやつさ』


 今だから分かる。おそらく、不確実な自分の推理を伝えて、オレに余計な先入観を持たせたくなかったのだろう。事前にルーネの推理を聞いていたら、きっとその事が頭をよぎって昨夜の反応は遅れていた。

「街の中に魔獣がいる、か。これじゃあまるでーー」

「『魔女の嵐』の再来、だね。でも、あの時と今回とでは状況が違うようだ。昨日の魔獣は誘拐犯を助け、僕達を攻撃せずに攫おうとした。少なくとも、ただ人間を殺してまわる野蛮な生き物じゃあなかったね。正直なところ不確定要素が多すぎて、アレがどういう行動原理で動いているのか推理のしようがない」

 そう。重ねて言うようだが、魔獣は人間と対立する存在。悪魔が人間を殺すために創り出した生き物だ。人と魔獣が協力し合うなんて、例え天地がひっくり返っても有り得ないだろう。

 いや、最近では当たり前の風景になってきたが、シロがスノウと暮らしているという希有な例外もある。しかし、例外は例外だ。人と魔獣が協調して生きていくなんて、絶対に有りはしないのだ。

「人攫いがいて、魔獣がいて、そいつらが何かを企てていて……。駄目だな、解決の糸口がまるで見えてこない」

「そうでもないさ。不確定要素が多く、全体を見渡して推理すると反って混乱してしまう。こういう時はね、部分的に切り取って物事を見てみるんだ」

 ルーネはリンゴに齧り付く。この果実の一欠片から、リンゴを特定するようにね。そう言いたげな表情をつくっている。

「魔獣については不明な点が多いから、一旦置いておこう。ここでは『何故人を攫うのか?』という疑問ではなく、『何故誘拐のペースを早めたのか?』に的を絞らせてもらう。……考えるに、犯人には計画があった。それが何かは分からないが、計画のために一定数の人間を攫う必要があった。しかし計画が進むにつれて、当初の見積もりよりも必要な人間の数が増えた。だから、徐々に攫う人間の数が増えていったんだ。確か、先月は3日に1人の人間が攫われてたよね。この異常な数値から見るに、恐らく計画はもう最終段階に入ってる。リーフ君の言った通り誘拐犯が殺されてたかまでは分からないけど、誘拐そのものはなくなるんじゃないかな」

「計画の最終段階……そうか、だからお前は言ったんだな。『手遅れになる』って」

「そういうこと」

 もうすぐ消失事件よりも大きな、それこそ『魔女の嵐』のような惨事が起きるとルーネは予測している。オレ達は、これからそれを阻止しようとしているのだ。

 そもそも、事件解決とはどういう状態を指すのだろう。

 計画の立案者ーー誘拐犯を雇っていた黒幕がこの事件にはいる筈だ。計画を阻止し、その黒幕を捕まえる。この事件の解決するには、その2つが絶対条件に思える。

 そしてその2つとも、現状解決の目処は立っていない。

 否が応でも心に焦りが生まれてしまう。それを助長しているのは、おそらく昨夜の失態だ。

「これからどうする? 誘拐が収るなら、囮作戦を続ける意味はない。急いで今後の方針を決めるべきだ」

 オレがそう言うと、ルーネは目を閉じる。

「そうだね。じゃあ、僕達がやらなきゃいけない事を挙げていこうか。まずは、あの誘拐犯が言っていた『上客』が誰かを突き止めること。ただ、これに関しては思い当たる節があってね。今スノウちゃんがそれを確かめに行ってくれてるんだ、多分」

「多分ってなんだよ。多分って」

「いやあ、どこ行くか言わずにスノウちゃんが飛び出して行っちゃって。まあ、僕の考えは伝えてあるから大丈夫だとは思うんだけど」

 目を開けて、ルーネはアハハッと微笑を浮かべる。

 こんな時でも笑顔を絶やさないんだな、こいつは。この前向きさには、尊敬の念すら感じてしまう。

 そういえば、昔先生がこんな事を言っていた。


『いいかい、リーフィリアス。アンタに最も必要なものは、魔獣を殺す技術じゃない。前に進もうとする強い意思だ。アンタには、こいつが決定的に欠けてるんだよ』


 頭を小突かれながら、そう言われたのを覚えている。思えば、母さんの言葉を意識しだしたのもその頃からだった。前が何処にあるのか分からなかったオレは、母さんの言葉を道標まえにして歩いていた。そして今も、それは変わらない。

 そんなオレとは違い、ルーネにはちゃんと『前に進もうとする強い意志』が初めからあるのだろう。

「オホン、話を戻そうか。スノウちゃんは『上客』について調査する。スノウちゃんの指輪なら真偽が明確に分かるからね。それを踏まえた上で、リーフ君には別のことをやって貰いたいんだ」

「昨夜の魔獣についての調査だな」

「その通り」

 スノウには魔獣の詳しい知識がない。『捜査専ハンター』であるルーネも同様だ。あの魔獣について調べるなら、魔獣について多くの知識を持っているオレかブラウンさんが適任なのだ。

「事件解決のためには、あの魔獣を避けては通れない。黒い霧がどういう特性を持っているのか、どういった習性があるのか、それを早急に突き止めて欲しい。……やってくれるね」

 ルーネはリンゴを一欠片楊枝で刺し、オレに差し出す。

「……………」

 すぐには答えられなかった。

 頭によぎったのは昨夜の出来事。自分の役割を真っ当出来なかった、オレの失態だ。

「どうしたのさ、急に黙ったりして。まさか、急に怖じ気づいたのかい?」

 図星だった。また役割を真っ当出来なかったらどうしよう。そんな不安が心の底にはあるのだ。

 だけど、ここで何もしないのは間違いだと分かる。うじうじと失敗を恐れ、ただ下を向いて生きる事こそ真の愚か者がすることだ。

「冗談。今からどうするか、予定を立てていただけだ」

 強がりでも何でも、今は言えばいい。

「自分の失態は、自分で巻き返す。お前の分まで、オレも働く。それがハンターとして、今オレがすべき事だ」

 もう2度と、下を向かないために。

 オレはルーネから、リンゴを受け取った。

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