第3話 何度殴られるか
俺は崖の断片にある小さな岩を足場として崖を下りていく。
地面まであと一歩というところで足場の岩が崩れ、俺は思いきり尻餅をついた。
「いっつー!! ……あ、怪我ないか?」
「べ、別に……」
どうして美少女が顔を赤くしているのか、気にする余裕は今の俺にはなかった。
とりあえずこの場から逃げることだけを考え、美少女を抱えたまま走っていった。
どうしておっさん達が追いかけてこないのか、それが気がかりだった。
けれど微かにおっさんの声が聞こえていた。
「……しろそうだ」
よく聞こえなかったがそんなことは知らねぇ。
今はただ逃げるだけだ。
そして俺は町に向かって走っていった。
町に入る前に美少女が俺に声をかけてきた。
「ちょ、ちょっと待て!!」
「何だよ。助けろって言ったのはお前だろ?」
「だ、だから! そ、その……」
美少女が何を言うのかわからなかった。
まぁ最初からわからないと言えばわからないが。
「だから……してくれ」
「は?」
俺の言い方が悪かったのか、美少女は顔を真っ赤にして怒鳴った。
「だから下ろせって言ってるんだ!!!」
ああ、そういうことですか。
俺はゆっくりと美少女を地面に下ろす。
まぁ思うに……。
「可愛らしいところもあるんだな」
美少女は真っ赤だった顔をさらに真っ赤にして黙った。
後々考えると俺はかなり恥ずかしいことを言ったんだな。
それのせいでまた俺は腹を殴られた。
さっきより重いんですけど……。
「お、お前……。恩を仇でなんとかって言葉知ってるか?」
「知るか!!」
ですよねー。
訊いた俺が馬鹿でした。
俺は殴られた腹の痛みが少しひくと美少女の手をとって走り出した。
後で俺が顔を真っ赤にした美少女に殴られたのは言うまでもない。
読んでいただいたこと感謝します。
第1話にシロという兄について少し説明しましたが、もしかしたら出さないかもしれません。
こんな調子でレイも出さないかも……。
感想と評価お待ちしています。
それでは失礼します。