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第10話 安息

今俺達は朝食を食べている。

至る所が痛むな。

ミズキのやつ容赦なく殴ったりするんだもんな。

「あー、いてー……」

「まぁお前が悪いからしょうがねぇだろ」

兄貴は楽しそうに俺達を見ていた。

完璧この状況を楽しんでやがるな。

ミズキはあれから口を利いてくれないし。

もうこの後どうすればいいんだよ……。


朝食を済ますと兄貴はどこかへ出かけてしまった。

絶対この部屋を出るなと念を押された。

まぁ今は逃げてるからわかるけどさ、この状況で二人きりでいろってかなりきついぞ!

とにかく今のうちに何とかしないとな……。

「「あの」」

声が重なってしまった。

「何だ? 先に言っていいぞ」

「いや、クロが先に言っていい」

「いやいいって。ゴホッ。ミズキが先に言えよ」

「私は後でもいい。先に言え」

「だから先にミズキが言っていいって!」

「お前が先に言えばいいだろ!」

「何で譲ってるのに言わねぇんだよ!!」

「お前こそ何で言わないんだ!!」

「そんなの知るか!!!」

「こっちこそ知るか!!!」

俺達はそっぽを向いて怒ってしまった。

だー!! 何やってんだ俺!!

さっきの状況を何とかしようと思ってたのにさらに悪い状況へ……。

ミズキが折れないことはすぐにわかったのに……。

今のは俺が悪い。

そのことがわかってたのに折れなかった俺が悪い。

だから俺は……。

「ごめん……」

俺はミズキのほうに体を向けて頭を下げて謝った。

「今のこともだし起きたときのことも。俺が悪かった。ゴホッ」

ミズキがこの様子を見てどうしているのか、どう思っているのかはわからない。

それでも俺は頭を下げ続ける。

「知るか!」

やっぱりこのぐらいじゃ機嫌を直してはくれないか。

「……心の準備もないのにあんなことされて……」

「い、いや俺何もしてないし、襲うつもりもなかったって」

「そうなのか?」

「ゴホッゴホッ。そうだって」

「そうか……。誤解して悪かった」

「いや、俺がミズキを傷つけたのは事実だし。本当にごめん」

俺の言葉を最後に俺達は黙る。

そしてほぼ同時に笑い始めた。

何とかなったようだ。

だがその安息は兄貴が帰ってくるまでの話だった。

読んでいただいたこと感謝します。

この小説ももう十話です。

そろそろ終わると思います。

感想と評価お待ちしています。

それでは失礼します。

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