表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

生きている決別

作者: ぎぶそん

小さい頃から一緒だった。

貰って喜ぶ物も、言われて怒る事柄も、目指す夢も、なんなら進路まで一緒だった。

初恋の相手も、告白のシュチュエーションも、それの結果も一緒だった。


だけど別れた。


小さい頃から、なにもかも一緒だった。

だけど、決別した。


性別は同じで、顔立ちも同じ。背丈も同じだし、利き手も、利き足も、同じ。

嗜好品も、思考回路も、志向理由も、指向方向も一緒だった。


でも完全に同じなものはこの世に無いのは当たり前で、僕らにも違ったところがあった。


重い心臓の病気だった。現代医学での完治は難しいそうだ。

単純だった僕らは、それならば治す方法を見つけようと医者を目指した。

単純だった僕らは、同じ病気に苦しめられている人たち皆も助けようと思った。


「俺はお前じゃないし、お前は俺じゃない。

 だからこそ出来なかったし、だからこそ出来る。

 だから・・・、お別れだ。

 後は任せた」


貰って喜ぶ物も、言われて怒る事柄も、目指す夢も、なんなら進路まで一緒だった。

初恋の相手も、告白のシュチュエーションも、それの結果も一緒だった。

でも、笑いながら言った君に対して、僕は泣いて何も言えなかった。


性別は同じで、顔立ちも同じ。背丈も同じだし、利き手も、利き足も、同じ。

嗜好品も、思考回路も、志向理由も、指向方向も同じだった。

でも、それから直ぐに君と僕は決別してしまった。


あの言葉が頭から離れない。

後を任された。


生きている限り何もかも同じだったはずの僕たちは、たった一つの違いで離れ離れになった。

それはこれからもずっと続いていく。

僕が生きている限り、あの時託された、君からのたった一度だけの決別(願い)は続いていく。

でも、大丈夫。完全に同じものが無いように、この決別が終わらないなんてことも、絶対にない。


今度そっちに行ったら、話したい土産話がたくさんあるんだ。

大丈夫。こんなにも同じだったんだ、絶対に気に入ってくれるはずさ。


いかがでしたでしょうか?


私には兄弟が居ますが、性別以外の趣味から何からまで真反対です。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ