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短期な父親。そのために少し怒らせてしまうと取り返しがつかないことは彼女の体が証明している。
「父さん、父さん。」
そういってメガネの男性が止める。
「葵ちゃん。久しぶり。どう?調子は。」
まだまともな挨拶。でもコイツも彼女を苛めた本人。
「・・・・・・・兄さんこそ、どう?」
「俺はま、ほどほどに?まあなんとか、だ。さっきのは葵の子どもか?可愛い子だったな。」
「ありがとう。で、それで、一体何の用事?いきなり現れて。」
「そのことなんだけどさ、ちょっと、お金貸してくれない?足りなくなってきてね。」
「・・・・・・・・・・なんで、いまさら・・・・・・・!!」
「貸してくれないのか」
「だって、おかしいでしょ!私が幼い頃、散々してきて、いまさらになってお金をかしてくれない?なんてずうずうしいにもほどがあるわよ!もっと、考えてものを・・・・っ!!」
「お前こそ、考えてから言うべきだな。」
父親と呼ばれる人は娘の腹に蹴りを入れた。年をとってもまだまだ力がある。




