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「ママ、お帰り。」
満面の笑みで子どもは母親に向かう。その先に女は玄関で靴を脱いでいた。そして子どものどたばたという足音を聞いて顔を上げた。
「かずちゃん。ただいま。」
母親も笑顔で返して言葉を返す。
「今日はどうだった?何か変なこととか、なかった?」
「うん。何もなかったよ。」
「よかった。かずちゃんはママの一人の大切な大切なかずちゃんだからね。」
そういって母親は子どもを抱きしめた。子どもは幸せな気持ちでいっぱいだった。この幸せがいつまでも、いつまでも、続いてほしいと思っていた。




