分かれたりし仲間
カイ達はオルカに言われるがまま食事会場に来ていた。
「それでは、諸君の合格を祝って…」
『乾杯』
「「かんぱーい」」
(これからどうしよう…兄貴を探すにしても、まず何をしたらいいんだ)
目標はあるがそれまでの道のりをカイはあまり考えていなかった。
[ねえ、あなたあの時どうやったの?]
「え、えーと俺もよくわかってなくて、ボルトを助けたいって思いでいっぱいだったから…」
[あなた、すごい仲間思いね。あ、私はルカっていうの、これからよろしくね]
「カ…カイです、よろしくお願いします」
「カイ〜こんな綺麗な彼女さんがいるなんて、お前も隅におけないな」
お酒を飲み上機嫌になったアランはジョッキ片手にカイを茶化した。
「腹ごしらえも済んだだろうから、次のステップに進むぞ」
たくさんの食べ物を、頬張ったままオルカはみんなに説明しだした
「これからみんなに自分のO2システムを作ってもらう」
それを聞いたみなは、大盛り上がり、遂にダイバーとして一歩踏み出すことになる
「質問いいか?」
ボルトはオルカに尋ねた
「なんだ?」
「作ってもらうっていうのは、自分で1から作れって意味じゃないよな…」
「そんなまさか、ちゃんと整備士に作ってもらう、それに一番大切な材料ならさっき取ってきただろう」
オルカは胸ポケットからOクリスタルを取り出した
「コイツを取ってきてもらったわけは、みんなに水中でも死なないようしてもらうためだ、これがあればさっきのカイように、酸素を消費することで能力を使うことができる」
オルカは事細かにO2システムについて解説し出した
「システム系統は5種類
自身に干渉するもの
他者に干渉するもの
環境に干渉するもの
形状を変化させるもの
性質を変化させるものだ
どれも一長一短だが、上手く使えば爆発的なパワーを生み出す」
カイはオルカに尋ねた
「俺がさっき使ったやつはどの系統に入りますか?」
「お前が使ったのは、自身に干渉する系統だな、あの超スピードは酸素を自身の脳と血管に送り込むことで、加速できる限界時間は10分だ」
(なんかやけに詳しいな)
オルカが昔から知っていたかの如く、O2システムを語るので、何か知っているのではないかとカイは思った。
「(それでは、各々に整備士がついているので、整備士と相談しながら能力を考えてくれ。)とのことらしい、みんなとは一次お別れだまた会おう」
「今度会った時は、もっと強くなっててやるぜ」
サルサとボルトは最初揉めていたのが嘘かのようなほど、絆が深まっていた。
「それじゃ、俺はあいつの情報集めてみるから、何かあったらすぐ言ってくれ」
「うん、わかった」
アランとカイは共通の目的だが、別々の方が探しやすいという理由だ。
各々が別の道を歩み始めた
本当の冒険はこれから始まる…