みんなのおかげ
「遅いな…まさか!2人になにかあったのでは‥」
サルサは帰りが遅い2人のことを心配していた。
「まあ俺たちにできることは、あいつらを信じて待つことだ」
アランは心配するサルサに優しく諭すが時間が経つごとに、その顔は暗くとても険しくなっていく。
(合格者はこの時点で3人、あとはそこの2人と残りの2人、試験終了まで残り10分しかない、それまでに間に合うか)
オルカは新しく仲間になる可能性のある者たちに、心をおどらせていた。
そんなことも束の間
『キュイーン』
と謎の轟音が海の中に響く
「なんだこの音は」
「頭が痛い」
試験者達は謎の音に警戒した
「お〜い、帰ってきたぞー」
その音の正体は高速で走るカイだった
「やっと帰ってきたか、待ちくたびれたぞ」
「2人とも無事か⁉︎」
とサルサとアランの感情には心配と喜びが混じっていた。
「ボルトが身をていしてOクリスタルを取ってきてくれたお陰で間に合ったんだ、そんなことよりボルトに意識がないんだ!」
「見せてみろ」
アランは医者の知識を活かしボルトの容体を調べる
「うん、意識を失ってるだけだ少ししたら起きるだろ」
「本当?」
「俺が嘘言ったことあるか?」
カイは胸を撫で下ろし、寝てしまった
「カイ坊起きろ、これからの試験はどうすんだよ!」
アランはカイを起こそうとしたが疲れが溜まっており起きなかった。
「寝かせてあげよう、今回は2人に感謝だ」
サルサは2人に敬意を表した
サルサの背後に大きな影が迫ってきた
「お前らが最後だな、よし、試験は終わりだ」
「試験官、試験終了とはどういう意味だ?」
サルサはまだ時間が残っているのに終了することに疑問を持ちそれをオルカに問いかけた。
「言葉の通りさ、お前達とそこにいる3人以外の試験者は全員途中で脱落した。溺れたやつもいたし、サメに襲われた奴もいた」
「そうか、教えてくれたことに感謝する」
サルサはふと疑問を抱いた
「(え〜それではこれより審査に入るので、個室で休んでくれ)と試験官は言っていたが、たった2つの試験で受験者の何がわかるというのだ?」
「なあ、サルサはどうしてダイバーになりたいんだ?俺やカイみたいになにか訳があるんだろ?」
アランはサルサ尋ねた
[私はこの世界が沈んだ理由を知りたい、この世界が沈む前にどういう生き物がいたのか知りたい、どのような文明があるのかを知りたい、この…]
「あーわかったわかった、つまりこの世界の全てを知りたいんだな」
[う〜んまあそのようなとこだ、アランは確かカイの兄を探しているらしいな、一体どのような人物だったのだ?]
「あいつは優しくて、自分の危険もかえりみない、すごい仲間思いなやつだった、きっと今回行方不明になったのにも何か訳があるはず…」
[カイとアランを足して2で割ったような人だな]
「あっはっは、確かにそうかもな」
2人はその後も談笑続けた
その時かすかにボルトの指が動いた…