深い落とし穴
2人が探しに出てからまる1時間たったころ…
プルプルプル‥プルプルプル‥
「アラン兄から通信だ」
「見つけたぞー、場所は会場の南西2キロの渓谷だ」
「それなら、お前たちが取ってきてくれよ」
とボルトが通信に割り込んだ
「すまないが酸素の残量が残り30%しかない、取れたとしても会場に戻る前には海の藻屑だ」
サルサが通信越しに伝えてきた
「わかった、2人とも疲れただろうから戻って休んでくれ、後は俺とボルトに任せろ」
「ああ、わかった後は頼む」
「よし、俺たちの出番だな」
「おう、絶対成功させるぞ」
2人は渓谷に向けて出発した
30分ほど泳ぎ渓谷に着いた
そこはまるで暗黒の中で口を開けた怪物のようだった。
カイはよく目を凝らし渓谷の中を見回した
「あそこの出っ張ってるところか、確かに沢山落ちてるな」
「よし、行くぞ…」
「ああ…」
‼︎
「海流の勢いが強すぎる、とても俺達だけじゃどうにもできない」
「一旦海面に上がろう」
カイ達は身の危険をあんじ、一時水面に上がった
「どうしたらいいんだ」
カイはもうすぐで手が届く物に、もどかしさを感じていた。
「なあ気になってたんだけど、お前がさっきから持ってるそれなんなんだ」
とボルトはカイの持っていたジンのO2システムに興味を示していた。
「これか、これは俺の兄貴が使ってたO2システムなんだけど、箱が開かないから使えないんだ、これさえ使えれば多分渓谷でも余裕なんだけど…」
「ちょっと見せてくれよ」
カイはボルトに箱を手渡した
「この六角形の穴…Oクリスタルをはめるんじゃないか?」
それを聞いたカイは以前兄が六角形の宝石がついた首飾りをしていたことを思い出す。
「それだ、どうして今まで気がつかなかったんだ…」
「よし、俺がまず一つでもOクリスタルを取ってくる、そしたらそいつを使って俺たちの分も取ってきてくれ」
とボルトはカイに提案した
「危険すぎる!」
「大丈夫、会場まで泳いできた男を舐めてもらっちゃ困るね、それに俺はどうしても合格しないといけない…」
「わかった…絶対生きて帰ってこいよ」
「ああ…」
カイはボルトの決意に根負けした
ボルトは再び渓谷に来た
(これだけ海流が強いと一カ所くらいは海流が弱いところに移動するはずだ)
ボルトは岩と岩の間に光っているものを見つけた
(ビンゴ!、やっぱりあったかOクリスタル)
ボルトは一目散に岩場に取りに行った
(よし、後はカイのところに戻るだけだ)
⁉︎
(まずい地滑りか!今すぐここから出ないと)
「岩が、クソッ避けきれ…」
〝ガツン”
地滑りによって岩がボルトめがけて飛んできた、それが当たってしまいボンベが破裂してしまった。
(やばいなこのままじゃ死んじまう、どうにかコイツを外に出して後はカイに託すしかない)
ボルトは力いっぱいクリスタルを投げた
(後は‥頼んだ‥ぜ)
全ての力を振り絞ったボルトは気を失ってしまった。