異世界恋愛モノで寡占状態の総合ランキングのどこがいったい「総合」なのか問題と、異世界恋愛モノがなぜここまでウケているのかの分析あれこれ。
別に文句を言っているわけではないよ。
なろうのトップページにある『週間ランキング』
ふと「あれ?」となり、週間総合の短編ランキングの方を今開くと、1~5位はおろか、9位までを異世界恋愛が締め、実にベスト20中18作が異世界恋愛モノという衝撃(月間の方もベスト50中45作が異世界恋愛モノ)。
連載の方では、ベスト20中8作と過半数とまではいかなかったが、1位2位はやはり異世界恋愛モノで3位にも大差をつけてのワンツーフィニッシュ。
もうこうなってくると総合ランキングは「総合」でも何でもなく、異世界恋愛だけ別枠にでもしなきゃ、総合性はまったくないよね状態である。
「そうか、なろうではそんなにも恋愛モノがウケているのか」と普通は捉えても良いのだが、よくよく考えると「現実世界恋愛モノ」が短編ベスト50に1作も入っていないという異常事態……(連載枠の方は32位と41位にランクインされており、これは大健闘といえる?)。
となると「恋愛モノ」がウケているのではなく、あくまでも「異世界」でなければならない理由が、読者にはあるのだろう。
さらに言えば、異世界も平民ではなく、ほぼほぼが貴族の恋愛モノ。
令嬢、悪役、婚約破棄、推し、ざまぁ。
これって本当に読者は「区別付いてるのか?」と疑いたくなるレベルの類似タイトルと内容がズラリ。おそらくは「作者」で読んでいる読者が大半なのだろうが、なぜこうも「すでに読んだことあるような内容」のものばかりをなろう読者は求めているのだろうか?
あーだこーだと考えていて「はっ!」と気付いたのは、意外にも「水戸黄門」方式のことだった。
毎話、同じ展開を踏襲してくれる「安心感」が読む側の気楽さにつながっているのかな、と。タグさえ見れば、どんな内容かは一目瞭然だし、脳への負荷を極力軽くして、異世界恋愛トリップを味わうことが出来る。
現実世界設定だと、どうしてもおかしく感じてしまうような部分も、異世界でならそれも又吉。恋は味わいたいけど、現実はしんどい。だから異世界恋愛に浸かるのだとすれば「本当に読者も疲れてるんだな、現実に」といった具合か。
ここまで来たら、異世界恋愛モノはむしろ独立したサイトでも作って、さらにその中でも設定の細分化で読みたい作品を探しやすくした方が読者も喜ぶんじゃね、レベルの現状である。