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とある志願者の回答

いつもと毛色が違います。

暗いけど甘い感じです。










「どうせ死ぬなら、誰もいない、誰にも見つからない場所で、藻掻き苦しんでのたうち回って死にたいの」


「…普通、逆じゃないか?皆に看取られて、眠るように安らかに死にたいってのならわかるけど」


「そういう理想の死に方も、あるでしょうね」






 ―――でも私は。






「生まれた時からずっと諦めていて、流されていて、ただただ呼吸をしているだけみたいだった」


「たぶんこれからもずっとそう。だってそれが私の生き方で、望みなんだもの」


「生き生きと輝くこともないかわりに、脅威もない」


「期待されることがないから、重荷もない」


「どこにも根を下ろさず、執着せず、誰にも何にも残さない」






 ―――それが、私の理想の生き方。






「だけどね、やっぱり最期くらいは、あぁ、生きてるんだなって実感したい」






「藻掻き苦しんでのたうち回ってみっともなく泣き喚いて」






 ―――これ以上ないくらい、自分が生きていることを、見せ付けてほしい。逃れられない苦しみの中で、生きていることを私に、思い知らせてほしい。


 それは、途方も無いくらいに私に突き付けられる、生きている証拠だから。













「…で、僕への答えはつまりは?」


「見苦しい姿なんて誰にも見せたくないけれど、あなたにはしょうがないから許すわ」


「何を?」


「私の最期に傍にいること」






 随分と遠回りな「プロポーズ」の答えに、僕は笑ってしまった。






 ―――そうだね、残りの人生すべてで、生きてるうちに生きてることを嫌ってくらい思い知るほど幸せにしてみせようか。




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