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とある妻帯者の懇願

酔っ払いってわけわからないこと偉そうに語るよね・・・という話です。









「憎み憎まれ憎まれ憎み、人間の歴史は争いの歴史だった」


「愛し愛され愛され愛し、人類の歴史は繁栄の歴史だった」


「愛と憎しみは対ではあるが、対極ではない。わかるかね」


「天才と馬鹿は紙一重という言葉があるだろう。天才と馬鹿が紙一重であるように、愛と憎しみもまた、紙一重であるのだよ」


「愛と憎しみを人は内包している。人の心には秤があるのだよ。両天秤に愛と憎しみを乗せて、釣り合いをとっている」


「たとえ指一本の重さであろうともバランスを崩せば天秤ごと人は壊れる。すなわち」









「愛に溺れるか、憎悪にのまれるかだ」









「しかし、だ。バランスを欠く以前に愛も憎悪も知らない人間がいたらどうだろう」


「すべての他者に平等に振る舞う人間。それはある意味においては理想とするかもしれない。しかしそこに人間味というものは皆無だ」


「究極の聖人も究極の悪人も、そういった意味で人間味はない―――それはもはや神か悪魔だよ」


「神も悪魔も平等だ。誰も選ばない。手を差し伸べることも引きずり堕とすこともしない」


「選ぶのも決めるのも、奇跡を起こすのも地獄を創るのも…すべては人間だ」







「だからこそ君に問おう」







「誰にでも優しい、というのは、誰にも優しくないと同じではないかね」








「すべてに与えられる優しさは、真実優しさと言えるのだろうか」


「比較対象がいるからこそ、優しいと思えるのではないかね」























「ご高説ありがたいわね。で?」


「いやつまりあの」


「私もアナタに聞きたいの…今いったい何時かしら?」


「別け隔てなく優しい奥さん!いや奥様!!今こそ人間味を持つために愛する夫を許すべきじゃ…」


「…そうね、比較対象があることは大事だわ」


「!」


「というわけで他人より厳しく接します。覚悟なさい」


「いやいやいやそれは僕の大事な…ぎゃーーーー!!」






 四丁目の真夜中の星空に絶叫は虚しく吸い込まれていった。



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