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キツネの嫁入り  作者: 晴。
1/2

出会いは桜の咲く頃に

主人公である 三原詩衣 が成長していくにつれて、愛に対する向き合い方が変化していく___。

なんて書くとちょっと堅苦しすぎちゃいますね。

詩衣と、不思議なオーラを纏った彼が恋に落ちていく様子を、是非ご一緒に見届けていただけると幸いです。





大きな広場に、唯一咲き誇る桜の木は


この島で人気のお花見スポットだ。




「詩衣?まだ見てたの?」



「うん。桜のいい匂いがして」



「お母さん、先にご飯の準備しに帰るよ?」



ちゃんとすぐ帰ってきてね、と母が言う。



「はぁい」




桜の木の下で



風に揺られ

散ってゆく花びらを目で追いかける。



ザァ__





「お前は、この木がそんなに好きなのか?」




「…誰?」




「去年もその前も、変わらないその顔で見つめていたな」




後ろから声をかけてきたのは

和服姿の男の人だった。




「今日は早く帰った方がいい。お前のような子供には”見えてしまう”からな」




「お兄ちゃん、誰なの?」




「いずれ分かる。今は帰れ」




母親が心配するぞ、と一言添えると


背を向けて歩いていった。




「お顔…見えなかったな」




はっきりは思い出せないが

まるで靄がかかっていたような


記憶に蓋がされているような_。








ハッとして、耳を澄ますと


風の音に紛れて

母の呼ぶ声が聞こえる。




「行かなくちゃ」




母の声をたどり


彼が去って行った方向に背を向けて走り出す。




9歳の春、私は神使に触れた



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