085_隣神。
御山の神社。静謐な空気だったような気がしますが、無造作に拳銃を撃ってしまったので火薬の臭いが漂っていたりもします。
時刻は午前中、青いジャージを着た神主さんが、竹箒で清掃中に、弾丸切りを披露する、と言う文脈がおかしいですか、はい、おかしいです、などというやりとりが聞こえてきそうな、和やかな空間でございます。
ガンマンさんと少女は、すでに下馬して拝殿にて、二拍手一礼するのですよとか言われながら、この辺りの礼儀とかマナーとかも結構いい加減で構わないのですけどね、などと、のほほんと、神主さんがいいます。
「大事なのはお布施の量です」
「いや、そこは、心持ちとか、誠実さとか、精神的何かじゃないのかよw!」
「おー、ちゃりん、ちゃりん」
何を言うのですか、神を敬う心だけではお腹が膨れません。
しかも、寄付金を多く収めると言うことは、それだけ、神様を敬っているということになるわけでございますから、私にくれればくれるほど徳を積めますよ?
とか、のうのうと語る神主さんです。
「あと、小銭は両替が面倒くさい上に、手数料がかかりますので、高額な貨幣でお願いします」
「とことん生臭だなぁw」
「どおれあかるくなっただろ?」
火をつけないで、賽銭箱に入れてください。
ボワんと、煙が立ちます。
「いや本当に火をつけたわけじゃないし、そもそも紙幣ないし?」
「きんほんいせい?しんようけいざいにはまだとおい?」
「キャッシュレスが進んでいますのですでに紙幣は通り過ぎているとかいいそうではありますな」
拝殿の軒先に不可思議な煙と共に光るパジャマ、ではなく、光るシルエットのみの、何か人っぽいものが現れます。
「おー、かみさま?」
少女が尋ねますと、
「あんだって?」
「かみさまですか?」
「あんだって?」
「かーみーさーまー?」
「あーんーだっーてー?」
「かみさまじゃないの?」
「とんでもねー、わしゃ、かみさまじゃよ!」
「……この一連の流れ、毎回やるのかよw」
「持ちネタなんですよ、うちの神様の、鉄板芸」
いえーいと、少女とハイタッチをかまして、ギャグが成立したことを寿ぐ神様でございました。
光量を落として、姿を見せます。
格好は、赤いジャージを着込んでいました。
なるほど、神主さんと良いコンビのようでございます。
ギターは出さなくてよろしいですよ。一柱さんと一人さん。




