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083_法と秩序と適度な混沌をひと匙、どさり。

 御山、山道の参道、石畳、針葉樹林の合間、霧はあくまで林の付近に止まっている感じで、午前中、涼しげな道中。実際気温は高くなく、日も強く刺さず、弱い木漏れ日程度。ただ、暗くはなく、それなりの雰囲気、静謐、な環境であります。


「獣が出ないのが難点なんだよなー」

「わたしのけいけんちーw」


 騒がしいのは、ぽっかぽっかと馬をすすめるガンマンと少女だけであり、それが致命的にふにあいで不具合を醸し出しているといいますか、煮詰めて蒸留して滴ってきた濃ゆいエキスのような、まあ、かもすぞー、と声がどこから聞こえてくらいに香ばしい、雰囲気なわけでございまして。


「一応神域だかんなぁ、程度の低いのや、levelの低いのは近づけないし湧かないんだよなw」

「おー、とくしゅfield!」


 全体に作用する、エンチャメントっぽい何かであるのであろうかなとか、場に付与されていて、除去が難しいタイプの効果カード、とか、最初からそこにあるタイプの環境設定カードのような、イメージとしてはそんな感じでありましょうか?


 なぜにカードゲーム的な表現で説明したのかは不明ではございますが。


「御山の法と秩序を司るような立ち位置でありますからな、おはようございます」


 参道の終わり、本殿が望める場所を、掃き清めている老人が一人、騎乗状態の二方に声をかけます。


 ちょっと白い長めのおひげがダンディーな感じを演出している、歳のころは60以上、100歳は超えていないんじゃないかなという外見の男のお方であります。


 さあっと、雲が分かれ、陽の光がさし、境内を所作鮮やかに清めていた方を照らします。


 身に纏っているものが、上下青色のややダボっとした、綿のような洋服、いわゆるジャージでなければ、結構神秘的な登場シーンではないでしょうか?


「ないわーw」

「ないんだーw」


 まあ、ないな。


「失礼な、機能美というやつですよ」


 優雅に舞うように礼をしつつ、反論するお方、この神社の神主様でございます。


「まあ、何が正しいのかは知りようもないわけではあるがw」

「そうなのかーw」


 何か間違っているような気がするのでありますが、確かに、本来どのような格好が正しいのか知りようがないガンマンと少女にとっては、それほど突っ込むところはないのでありましょう。


 ただまあ、催事やら祭事やらの場面で、正装を纏っているところを見たことのあるガンマンとしては、そのギャップに、ないわー、と軽口を叩く程度は、してのけるわけでございますが。


「見かけに惑わされるとは、まだまだ精進が足りていませんな」


 ある程度は様式美が必要になる場合もあるとは思います。

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