035_ミルクって牛の乳?
「お目が高い」
バーテンダーが、瓶からガラスのコップへとミルクを移します。
よろず厄介ごと引き受けギルド、ルート66途中宿場町支店、夕方の食事時です。
周囲のギルド所属員とか、純粋に夕食を楽しみに来た街の住人とか、旅人たちも、
やるな、あの二人と、ミルクを注文したことに対して賞賛の視線を向けています。
「こいつぁーご機嫌にジューシなやつだぜ」
「だぜぃ」
ガンマンと少女がごくごくと美味そうにミルクを飲んで行って、満面の笑みと共に感想を述べたりすると、自然に周囲から拍手が巻き起こったりします。
搾乳元の”ウシ”は999年もののビンテージ、おん年1,000歳を越えようかという伝説級。
その飼料はこれまた、改良に改良を重ねた、100年仙人掌の、新芽だけを与えるという、手間暇かけ一品なわけでありまして。
これはもう、控え目に言いましても、極上な口当たり、喉越し、
甘露という表現では言い表せないほどの、しかしくどくない甘み、
すっきりとした後味、
何も足さない、何も引かない、素の、素材の旨みを、これでもかと叩きつけるような、
それでいて、舌を包み込むような、まろやかさ、
究極とはこういうことかと、思い知らされるそれでございます。
つまるところ、この支店でそれを注文するとはかなりの食通であるという、証となっているわけでございます。
「究極のフルコースに入る一品だなw」
「おいしいですししょう♪」
捕獲することにランクがありますれば、かなり上位に入る食材ではございます。
支払いがすごいことになることは間違いないわけでございますが、
「ギルドカードから引き落としておいてくれ」
「ぶらっくーかーどー」
使用限度額が設定されていないクレジットカード的な何かであります。
いうまでもないわけでございますが、ガンマンは最強でございますので、
財力も最強なわけでございます。
種明かしをするならば、獣を、それも貴重なそれを、大量に狩猟できまして、
その素材、お肉やら、不思議道具の材料やら、不思議薬剤やらの資源やら、として、
よろず厄介ごと解決ギルドに買い取らせてもらっていますので、
ガンマンの、預金残高が凄まじいものになっているわけでございます。
付け加えるならば、ギルドに対しての貢献度もブチ上げ全開状態で突っ走ってきていたわけでございまして、秘密結社であるところの、ギルドの名誉幹部扱いにもなっている、わけでございます。
……その結果、ある意味、法と秩序側の行政から見ると、札付きの悪と申しますか、潜在的脅威として捉えられてるような感じではありますが。
「おすすめを頼むぜ」
「たのむぜ」
食事へと続きます。




