032_退却ではなく転進でもなく。
「帰還とか、帰郷とかになるんじゃねーかな?」
「おうちにかえろう!」
野営地を引き払って、移動を開始します。時刻は午前中の早め、天候は晴れ時々曇り、気温は春うららかな日差し。風穏やかなり、波低し、と、いった塩梅でございます。
海は遠いですが。
少女は軽いので乗馬相乗りです。長ズボンを履いているのでちゃんと鞍にまたがっています。
騎乗位置は、ガンマンの前ですね。
正直なところ、自前の足で走ったほうが早いのではありますが、くっついて乗馬というシュチュエーションが、少女、楽しいのでこうなっています。
もっとも同じパーティとして認識されている馬であるわけであるからして、彼女らと同じく経験点が馬さんに流入している結果、かなりのlevelUPをこなしておりまして、能力が爆発的に上がっております。
さらには、移動に関するskillまで習得しているようであります。のでかなりの高速移動が可能であるわけでございまして。
「ルート66を西へ、ときたもんだなこりゃw」
「2347まいる〜♪」
錆びた年代物の道路標識には66と記されていたりします。
そこをロードランナーみたいに、かっ飛ばしていくわけです。
ラジオっぽいものから軽快なBGMが聞こえてきます。
巡航速度は時速100マイルに達しようかというところ、キロ換算で言いますと、時速160キロメートルというところでしょうか。馬の出す速さじゃないですね。
景色が風になって流れていきます。
「Step on it !」
「へびーふっとぉw」
お二人ともスピード狂でもあったようでございまして、俺たちに明日はないとばかりに陽気に、西へ西へと進んでいくわけでございます。
途中ゆっくりと進む幌馬車を、置き去りにしたりもしていますし、遠くに見える鉄道、不思議エネルギーによって、ボイラーでお湯を沸かしてタービンを回している鉄っぽいものの塊であるところの、乗り物と競争したりしたりもしています。
鉄道は不思議技術で線路を敷設していまして、そのレールの材質は鋼っぽい何かであるようでございます。交通網整備用のskillが存在するわけでございまして、それを主になりわいとしている一家があったりもします。
列車を制作、運用するskillもございまして、この辺り、原理はあやふやであるものの、実用的な交通網が整備されている、地域もあるというわけでございます。
ともあれ、周囲は荒野で、何となれば、岩盤が露出した砂漠っぽいところをほぼまっすぐに道が伸びているわけであります。
適度な時間に、日よけを作って、昼食をとり、ちなみにヌードルでありました、さらに西へと軽快に進んでいったところで、夜になります。
「街があるのに野営はないよなw」
「そだね〜」
とある宿場町に到着するわけでございます。




