025_寒村のシャンソン。
「むらみにいこー」
「そういや忘れてたなw」
次の日です、相変わらずここをキャンプ地にするというノリで野営をしてまして、食事やら洗濯やら睡眠やら、諸々を済ませた後に、少女がガンマンに言いました。
犬頭獣人が少女の住んでいた村を襲った日から、数日が経過しています。
ちなみにほぼ毎日適度に周囲の獣やら、ちょっと遠出をしてからの狩りやらをしていましたので、順調に少女のlevelは上がってリセットされ、また上がって、を繰り返し、戦闘のセンスと、能力値ボーナスの積み上げは、ちょっとシャレにならないくらいに、仕上がっていたりします。
朝の体操は、ちょっと気を抜くと音を置き去りにしそうな勢いです。
移動しまして、村人が消えてしまった寒村前です。
野生の獣が田畑を荒らしていますが、建物はほぼ元のまま残っています。
「そういや何があったんだここで?」
「さあ〜?」
今更ながら、質問するガンマンと、さっぱりわけがわからないから首をひねるしかない少女でございます。
一夜にして村人が死体も残さず消えてしまったと、少女がガンマンに伝えると、まあそういうこともあるかもな、と、混沌流出の絡みだと何か起こっても不思議はないからなぁ、と理屈が理屈になっていない答えが含まれている会話が続きます。
「いやまあ、何か変わったことはなかったんか?」
「……そういえば、たびびとさんがきていたよーな?」
田舎を巡回している宗教家ということを、少女の説明から推測したガンマンであります。
混沌としている世の中であるからこそ、法と秩序を守るべく、その手の神様に帰依するヒトも結構おられます。
信仰の対象となる神様は結構おられまして、
皮肉なことに、混沌の影響で続々流れ着いてきたりしていますので、
こう、本柱とか、移し身、avatarとか、高位の信者さんとか、天使とか、諸々。
主としてこの神様が幅を利かしているということはないわけでございますが、地方によっては、一つの柱を中心とした都市国家とかも存在しています。
逆に今ある混沌流出をそのまま自然なものとして崇めているような神様の信者もまた存在するわけでございまして、この辺りは、その信仰ごとの教義やら、タブーの対立やら、依存やら、目指す未来へのすれ違いやら、協力関係やら、まあ、結構ゴチャゴチャしています。
基本、信者を増やせば、その神様の影響力や、直接的に奇跡と呼ばれる不思議力のlevelが上昇しますので、獲得に努力を惜しまない使徒が多いようでございますれば、この寒村を訪れた方もそうだったんじゃなかろうかなと、まあ、そう不思議はないなと、ガンマンは予想しました。
「しろいしおになってきえちゃったけど」
「ばちくそ怪しいじゃねーかそれ」




