022_沈黙のグルメ。
「うまーい」
「初手から喋ってるやないかーい」
誰に突っ込んでいるのかどうかよくわからない会話から始まります。
野営地です、夕方です、そしてご飯時です。
そうです、お米があります。
生姜もあります。
醤油も味醂もお米酒もあります。
飯盒でお米を炊いて、丼に入れます。白いご飯が立っています。
豚(頭人)肉、ロース部位です。腰のところですね。ウエストですね、くびれていなく肉質は赤みが多いように見えるけれども油も多めです。
それをちょっとフライパンにこれまた豚の油を引いて、焼き目をつけるように火を通し、自家製生姜焼きのタレを回して投入して、じゅうじゅうという音を立てて、さらに焼き付けるのです。
これを温かい丼ご飯の上に乗せて、かっこむわけでありまして、これが美味しくないわけがないわけでありまして。
さらには、フライパンに残っている生姜ダレに絡めるようにして、鶏卵を割り入れ、目玉焼きを作ったりなんかした日には、それも半熟であります、さいのこうというやつではないでしょうか?
「うまい!うまい!」
「ししょうーのかおがなんかへーん」
器用に箸を使用してかっこむガンマンであります。
付け合わせにはキャベツの千切りでありますが、軽く茹でてあるので口当たりが柔らかく、軽く塩を振っているだけであるだけでありますが、豚生姜焼き半熟卵のせ丼の濃い味を、程よくリセットさせてくれて、これまた、良い塩梅なわけでございます。
混沌が流入していく中で、もちろん和食もその食材も根付いているわけでございます。
文化レベルが低いような印象があったりするわけでございますが、とんでもスキルやら、不思議道具、まさに魔法のような魔法によって、ところによっては、かなり先鋭された食文化が花開いていたりするわけでございます。
個人の能力頼りになるところはございますが、農業改革もまた地方によっては進んでいるわけでございまして、逆にどうしてこの段階で、政治組織が未熟であるのであろうかとか、行政関係の知識が古いままであるのかが、気になるレベルでございます。
基本的には、殺意の高い獣が跳梁跋扈しているが故に、力ある個人が集団をまとめて、手早く対応しなければ、群れとして生き残れないという、殺伐とした現実があるのであろうかなと予想できるわけでございます。
もしくは、統治に関わる思考などにも混沌勢力からの流入やら、汚染やらがあるので、なかなかに法と秩序が成り立たないようになっている、可能性も高そうではあります。
「難しいことはいーんだよ、今はこの食事を楽しもうぜ」
「おー、なんというか、すくわれるー」
別に静かではありませんが、すべての食材に感謝して、いただいていくお二人でございました。




