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013_小さな明かりは点けたまま。

「軽く汗を拭こうぜ」

「おー」


 元気よく片手を上げて応える少女であります。


 でんでん、と、大きなたらい、とか浅い樽?のようなものを収納袋から取り出しまして、これまた不思議道具でお湯を張ります。

 小さな水色の玉で中に、水と湯気のシンボルを刻み込んだものを、ちょんと、たらいの真ん中に置いて、コツンと叩くと、ざばんと、いっぱいのお湯へと置き換わるわけです。


「いやもうなんでもありだよな、便利でいいんだけどよ?」

「まほーだ!」


 水作成からのお湯わかしは、生活魔法として寒村でもポピュラーなものでありましたので、娘さんはそれほどにはびっくりはしませんが、見たことがないやり方であったので、結局びっくりしています。


 そうです、普段使いに魔法はあるのですね。ちちんぷいぷいとかその手の呪文を唱えると、不思議力が不思議作用を不思議資源から引き出して、不思議結果を導き出すという、物理学やら熱力学やらに真っ向から喧嘩を売っていくストロングスタイルの世界でございます。


「ご都合主義ともいうやな」

「ええと、このおはなしは、きほん”コメディ”です、かたのちからをぬいて、ゆるくおたのしみください?ししょーこのいたにかかれているのをよんでーてだれかにいわれたのでよんだー、

 ほめてー」


 よしよししてもらって満足な少女でございます。


「それはともかく、自分で拭けるか、洗えるかー?」

「むらではかわとかでやってからからだいじょうぶー」


 体を洗う洗剤も実は知っていたりするのでしたが、見た目がやはりちょっと違っていましたので、それだけは使い方を教えてもらって、


「ししょーこの”ぼでぃぶらし”てつかいかたこれでいーの?」

「そうそう、その毛のところを泡立てて、ちょっと待ってな、地面工作して排水整えるー」


 ちょこちょこと、不思議アイテムで地面にさいくをして、お湯が無造作に流れないようにしていきます。

 溝をあけ、穴を作り、そこに、吸水道具をセットします。そうです穴掘りも、排水設備も道具袋から出した不思議道具でまかないます。

 便利ですね。


「便利道具とか不思議道具とか呼ぶといいんじゃないかな?」

「ししょーそこはかとなく、そのめいしょうはやばいよーな?」


 少女を綺麗にして、水気を取り、着替えさせます。この着替えも不思議袋からの不思議服、サイズがある程度調整できるご都合主義服でございます。


 ある程度開き直りが必要だとは思いませんか?


「誰に言ってるんだ?」

「さぁ?」


 小さな明かりは点けたまま、安全獣除けテントで二人仲良くご就寝です。

 あ、お馬さんのあれやこれやのお世話もやってますよ?

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