012_不思議なテントで野営。
「毎回思うのだけどな、この”道具袋”ってとんでもないよな!」
「いんべんとりー、とか、むげんしゅうのー、とか、いうのでしたっけか?ししょー」
よっこいせと、明らかにその取り出し口よりも大きな筒状の布?っぽいものを取り出すガンマンでございます。だいたい、大人の太ももくらいの大きさと長さでございましょうか?
ぽん、と音を立ててその布の筒を叩いて、開けた地面に放り投げますと、あら不思議、ちょっとした大きさの、三角屋根テントが設営されてしまっています。
しかも地面に固定済みな上に、ぼんやりと明かりすら点灯しているという、魔法のような仕様でございます。
「これな、テント。ある程度場所は選ぶけど、獣除けも兼ねているんだぜ?」
「すごいー、よくわかんないけどー」
謎技術の塊であるようでございまして、欠点としては使い捨ての道具に分類させるわけでありますが、その分、パワーが凄まじく、そのテントで、一晩休みますと、HPとMPやら、SPやPPが全開になるわけでございます。略語はともかく、つまりは、リソースの全回復がなされるという、とんでも仕様なわけでありまして。
「まあ、不思議パワーの塊をふんだんに消費しているからなぁ」
「ふしぎー」
首を可愛らしくひねってふしぎを表す少女でございました。
「ちな、この”道具袋”とか”大袋”とか、”収納袋”とか”無限収納”とか”いんべんとりー”とか言われている不思議袋な、一種類のアイテムが99個までまとめて入れられるんよなぁ」
「?むげんっていってるなら、べつに99でくぎらなくともいいような?」
的確な突っ込みです。
「なんでも不思議力を効率良く使用するためのお約束らしい?まあ、一覧で表示するときに見やすいというものもあるけどな?ちな、袋によっては製作者の趣味で、1スタック64で表示するようなものもあるらしいな」
「へー」
サンドボックス系の界隈から不思議力を持ってくることが得意な技師なんかは、64が主流であるようでございます。
別に256とか255でも良いのではとかは思う次第でございますが。
「お金をかけて拡張したりできるものもあれば、最初から完成しているようなものもあるし、まあ、その辺りは漂流してきた”世界”の設定にひきづられている、とかなんとか、この袋の作り手は言っていたような気がするぜ?」
「あー、むらにきたじゅんかいしんぷ?さんがいっていたようなきがする、こんとんのりゅうにゅう?というー?」
未だ法則が定まらず、地形すら一夜にして変わる可能性すらあった、純混沌期から、おそらくはかなりの時間が経過している世界ではあるものの、結構頻繁に、それこそ、天から雨が降る程度には、多種多様な要素が混ざっていきます。
そのような世の中として、皆さん認識されているようでございまして。
「自分の考えさえあてにならないっつー、笑えるよなぁ」
「わはははは」
能天気にならざるを得ない、そのような世界なのかもしれません。




