011_焚き火揺らめく炎、歓談。
犬頭獣の群れから、無事に逃げ切りました。
と申しますか、だいたい駆逐してしまいましたので、追っ手がいなくなりました。
しばらく馬を走らせて、村から離れた、山間のちょっと開けた道端で、夜も更けましたので、焚き火を囲んで一休みです。
まきなどの燃料は、森の中だと事欠きません……普通は結構苦労するような気がするのですが、ガンマンの青年によるとちょっとしたコツがあるのだそうです。
ネタバラシをするならば、馬につけていた収納袋、不思議技術で内部の空間を拡張しているといういろいろなお話でも定番のアレです、に、ざっくり一式野営の道具が入っている、とのことです。
「かしこくて、つよくなりました」
びばしっと、挙手して宣言する少女です。
「なんとなくそんな気はした」
大爆笑しながら応えるガンマンです。
「たぶんさっきのやつでいっしょのパーティになって、けいけんち、がはいったみたい。
で、れべるあっぷ、して、のうりょくち、が、あがった!」
あまり喋ることに慣れていないような感じで少女が語ります。
「まあ、ただの村娘が、弱めの犬頭獣とはいえ百匹近くぶち殺したからなぁ、そりゃ、劇的に上がるだろうさ」
肩をすくめて、焚き火の上にセットした中に浮かせることにできる調理台の上の片手鍋、その中身である、いろいろごたまぜスープを、大きめの木のスプーンでかき混ぜながら、ガンマンは、言いました。
「れべるなしだったから、いっぱいあがった!」
えっへんと薄い胸を張る少女。
「お?0スタートだったんだ、珍しいな!」
驚くガンマン。普通の村人でも生活しているだけで得られる日常経験点で、10歳程度の子供でも5レベルくらいにはなるというのに、という意味での驚きです。
「うまれつき、れべるのあがらない、びょーき、っていわれてた!」
村人のレベル管理とかをしてくれていた、巡回する宗教者に、3歳くらいの時に検査してもらって判別したということだそうです。
「……上がってるじゃん?レベル?」
「そだよね?なんで?」
いや俺にわかるわけないじゃんよ?とこれまた爆笑して応えるガンマンと、
そうだよねー、と、にぱりと、笑いながら、応える少女でありました、
「お、とりあえず煮えたかな?」
ズゾゾと、味見をして、確認するガンマンです。
「おー」
美味しそうな匂いを、クンカクンカと嗅ぐ少女です。
「じゃ、まあ、なにはともあれ、食べるか!」
「おー、ひびのかてにかんしゃー」
なんやかんやで、和やかに、謎肉と謎野菜がゴロゴロと浮かぶスープを、
めいめいお椀にとって、食事が始まるのでした。




