初心者クエスト その3(3)
「みんな、お待たせー!それじゃあこれから、特進科『seek red sweet』と商業科『soropachi』のライブバトルを始めるよー!」
らむねちゃんの言葉に、集まった観客からは大きな歓声が上がった。ガーデンステージ上には特進科、商業科、農業科のアイドル、そして対立する生徒たちが揃っていた。
「このライブバトルの目的は文化祭最終日の青空ステージ最後の枠を決めること。バトルで勝った方の学科の生徒が使用する権利を得る。異存はないな?」
真央ちゃんはバトルの発端となった生徒達に視線を向けた。
「ええ!」
「もちろん!」
生徒たちは自信気な顔で頷いた。
「審査は私達peridotが行います。パフォーマンスの順番は事前にくじで決定しました。先行は商業科『soropachi』です。」
玻璃ちゃんのアナウンスの後、soropachiとseek red sweetのパフォーマンスが行われた。爽やかで明るい曲調のsoropachiに対し、激しくてカッコいい曲調のseek red sweetはまさに対照的だった。
「審査が終わった。これから勝者を発表する。勝者は…」
真央ちゃんが勝者の名を告げた。
「負けちゃった…」
ステージ裏で楓ちゃんは肩を落とした。
「私がサビの前でステップ上手く出来なかったから…私のせいで…」
すずこちゃんが楓ちゃんの肩をそっと抱いた。
「誰か一人のせいなんかじゃないよ。この負けはこれから糧にして、soropachiのさらなる成長に繋げればきっと大丈夫。」
「はい…」
「悔しい…っ…あたし達を信じてくれるみんなのために…勝ちたかったのに…!」
声を震わせる莉子ちゃんの手を、生徒の一人が握った。
「私達のために3人が戦ってる姿、本当にかっこよかった。やっぱり私達の代表はsoropachiの3人しかいないって思ったよ。」
「そうだよ!パフォーマンスから本気なのがすごく伝わってきて感動した!」
「すごいよ!私達の代表はすごい!」
生徒たちは口々に言って、soropachiの3人の手を握った。
「みんな…!」
その時、向こうから対戦相手の生徒たちが走ってきた。先頭の子が口を開く。
「あの…私達、一緒にステージやらない?」
「え…いいの?」
商業科の生徒が不思議そうに言う。
「うん…今回のバトルを通して、自分の仲間を信じる気持ちと本気のパフォーマンスによる感動を再確認した。それで、対戦相手の子達も同じように信じて、感動したんだって思ったら、ワクワクしてきたんだ。この同じ気持ちを知ってるのは私達とあの子達だけなんだって!だから、さっきまで争ってたのにこんなこと言うのはおかしいかもしれないけど、私達と一緒に青空ステージに出てくれないかな?」
そう言って、手を差し出す。
商業科の生徒たちはお互いの顔を見て、頷いた。
「今回のステージに負けないくらい、最高のステージにしよう!」
彼女たちは握手を交わした。
soropachiの3人はその様子を見守っていた。
「あの子達が納得できる結果になったのならよかった。」
すずこちゃんが言った。
「次はあたしたちの勝利でみんなを笑顔にしたい。」
「あれ。莉子ちゃん、今日はいつになく素直だね。」
「そんなことない!ね、楓?」
「え、えぇ…!?」
楓ちゃんは困った顔をした。
そんな2人の様子を見て、すずこちゃんが笑う。
「あはは。でもそうだね。次は絶対に勝とう!」
「もちろん!どこのアイドルにも負けないんだから!」
「私も!もっともっと頑張ります!」
3人の表情からは闘志が滲んでいた。
ライブバトルに勝利したseek red sweetがもう一曲披露した後、ステージ裏に戻ってきた2人をperidotが待っていた。
「お疲れ様!いいライブだったな!」
真央ちゃんが声をかける。
「ありがとう。あなたたちのおかげで最高のパフォーマンスが出来たわ。」
玖藍ちゃんの言葉にらむねちゃんは首を傾げた。
「らむね達は何もしてないよ?」
「ええ、ライブバトルの準備と審査をしたくらいです。」
「そのことがうちのメンバーの士気を上げたんだけど…まあ、これは知らなくていい事ね。」
そう言って玖藍ちゃんがくすっと笑う。
「気持ちの籠ったいいライブだった。…ほんと、嫉妬しちゃうくらいに。」
そう言ってらむねちゃんを先頭にperidotの3人はseek red sweetに近づいていく。
そしてすれ違いざま、らむねちゃんは小さく呟いた。
「次は負けないから。」
そのまま歩いていく3人を振り返り、愛実ちゃんが叫んだ。
「次も最高のライブを見せてやるんだから!」
メイド喫茶で聖那ちゃんの作ったビーフシチューと涼ちゃんが作ったラテアートを堪能した縫ちゃん、イーリスちゃん、雅ちゃんの3人はその後も様々なカフェや屋台のメニューを食べて回った。
「はぁー…もうお腹いっぱい。幸せ…」
「私も…満足満足…」
そう言って、イーリスちゃんと縫ちゃんはお腹をさすった。
「2人とも、いい食べっぷりでしたね。」
2人を見て雅ちゃんは微笑んだ。
「じゃあ、次はそこ行こうよ!」
そう言ってイーリスちゃんが指さしたのは教室を利用したお化け屋敷だった。
「イーリスちゃん、恐いの得意?」
「ええ!作ったものだと分かっていれば全然平気よ!」
イーリスちゃんはふふんと胸を張った。
「でも日本のお化け屋敷は外国とまた違うでしょうし、大丈夫かしら…」
不安そうな雅ちゃんをよそに、2人は入口へと進んでいった。
縫ちゃんと雅ちゃんがお化け屋敷を出ると、先に脱出したイーリスちゃんが震えていた。
「もう。突然走って行くのでびっくりしました。」
「なんか、いた…途中で…ぬるっとして、ひやっとするのが顔に触れて…!ああ…思い出しただけで…」
「ああー、それはたぶんコンニャクだね。」
縫ちゃんが言う。
「コンニャク…?」
「うん。こういう手づくりお化け屋敷だとあるんだよね。ひもでぶら下げたりしてさ。いつも不思議だったんだけど、あのコンニャクって、終わった後どうするのかな…?」
「さ、さあ…?」
縫ちゃんと雅ちゃんは考え込み始めた。
「私っ、顔洗ってくる!」
そう言ってイーリスちゃんは走って行った。
「行っちゃった…」
縫ちゃんはその背中が見えなくなると、雅ちゃんの方を振り向いた。
「2人ってあんまり似てないよね。むしろ正反対みたいなのに、仲良しなんだね。」
「ふふ。やっぱりそう思いますよね。」
そう言って窓の外を見つめた。
「イーリスって自分の思うままに振る舞っているでしょう。笑ったり、驚いたり。そういうところが大好きなんです。自分と違うからこそ強く惹かれます。」
「なんか、分かるなぁ。」
雅ちゃんが縫ちゃんの方を振り向く。
「縫さんもですか?」
「うん。聖那ちゃんってしっかりしてそうだけど、けっこうドジだったり不器用だったりするのね。でも、失敗してもあきらめないで何度も挑戦するところとか、すごいって思う。涼ちゃんはやる気なさそうにしてるけど、ここぞ!っていう時の集中力はずば抜けてるの。自分にない魅力があるから憧れるし、大好きって思うのかもね。」
「そうですね。」
「お待たせー!」
その時、イーリスちゃんが帰ってきた。
「ねえ、次はあっちの教室行かない?」
縫ちゃんが指を差した。
「もうコンニャクない?」
イーリスちゃんが不安そうに尋ねる。
「ないない。次は愛の印を作りたいんだ。」
「アイのシルシ?」
「そう!ほら、早く行こ!」
縫ちゃんは2人の手を握って走りだした。
教室を出ると廊下の窓から見える空は茜色に染まっていた。
「あ!聖那ちゃん達、お仕事終わったみたい。被服準備室で待ってるって。」
スマホを確認した縫ちゃんが言った。
「そうですか。じゃあ、ここでお別れですね。作ったもの、きっと喜んでくれます。」
「うん、ありがとう!今日はすっごく楽しかったよ!また一緒に遊ぼうね!」
「Natürlich!」
手を振って、縫ちゃんは2人と別れた。
「お待たせー!…え?」
勢いよく扉を開けた縫ちゃんは目を丸くした。
「縫ちゃん!今日は時間なくてごめんね。明日は一緒に文化祭回ろう!」
「待って待って!聖那ちゃん、その顔…!」
「へ?」
涼ちゃんが聖那ちゃんにそっと鏡を差し出す。
「な、な、なにこれぇぇ!」
聖那ちゃんの顔には赤い液体が飛び散っていた。
「聖那の作るオムライスが大人気だった。」
「そうじゃなくって!なんで涼ちゃん教えてくれなかったの!?」
「だって、縫にも見てほしかったから。」
涼ちゃんはハンカチで聖那ちゃんの顔を拭きながら答えた。
「もう…もう!私、アイドルなのに…!」
「大丈夫。人目につかない道を通ってきた。」
「だから遠回りしてきたのか…ってそうじゃない!」
「ふふ…あはは!」
2人の様子を見て縫ちゃんが笑いだす。そして呟く。
「離れていたって繋がってるんだね…」
「ん?なんか言った?」
聖那ちゃんが尋ねる。
「ううん、何でもない。ねえ、2人とも手出して。」
2人は手を差し出す。縫ちゃんは2人の手の平に何かをした。
「はい!出来たよ!」
「わぁ…!」
聖那ちゃんの手にはオムライスのマーク、涼ちゃんの手には猫のマークと、それぞれの名前が描かれたスタンプが押されていた。
「お仕事お疲れ様。頑張った2人にはスタンプあげちゃうよ!」
「可愛い…縫、ありがとう。」
「これ、縫ちゃんが作ったの?」
「うん。消しゴムハンコをつくれる場所があったんだ。」
「そっか…ありがとう。」
「うん!明日は3人で文化祭楽しもうね!」
「そうだね。ね、涼ちゃん。」
「うん。」
そう言って3人は笑った。
「聖那さんと涼さん、きっと今頃喜んでいるんでしょうね。」
中庭を歩きながら雅ちゃんが言った。
「私だって、雅がくれるものなら何でも嬉しいのよ。」
「…見つかっていましたか。」
「ええ。」
そう言って手を差し出す。
「笑わないでくださいね…」
雅ちゃんが手の平に押したスタンプは不格好な花のマークだった。
「これは菖蒲かな。」
「はい…イーリスの名前の意味は菖蒲だと以前言っていたので…でも!上手くできなかったんです!」
そう言って顔を隠そうとする雅ちゃんの手を取った。そしてスタンプを押す。
「お返し。」
雅ちゃんの手の平には、藤の花のマークが押された。
「私達のアイのシルシ!」
そう言ってイーリスちゃんはニイっと笑った。
場面は切り替わり、夕焼けの技術室が映った。中には電動ノコギリなどの様々な工具と、Ωの2人、そして縄で縛られた美月ちゃんとめぐむちゃんの姿があった。
「おい!おい!放せぇ…」
廊下から声が聞こえ、技術室の扉が開く。そこには魅亜ちゃんの腕をがっしりと握りしめた絵里奈ちゃんが立っていた。
魅亜ちゃんを技術室へ押し込み、入り口に鍵をかける。
「はぁ、これで全員揃いました。」
「えーと、絵理奈ちゃん?僕達なぜか縛られているんだけど、これってどういうことかな?」
「なぜか、じゃないですよ!4人で集まって早々、先輩たちがどっかへ行っちゃうんですから!この広い学校の敷地の中で、文化祭の人混みの中から先輩たちを探すのがどれだけ大変なことだったか分かりますか?美月先輩は服飾部のコスプレ写真館で着せ替え人形にされているし、めぐむ先輩は農業科の庭園にカモフラージュしているし、魅亜先輩はメイド喫茶でオムライスにトマトソースをもっとかけてって駄々こねているし…また逃げ出さないように縄で縛られるくらいは当然の報いです!」
「…なんか口悪くなってない?」
「まあ絵理奈君、一旦落ち着いて。私達が発明した機械を身につければ、これからはそんな思いをせずに済むさ。」
「本当ですか!?」
「うん。じゃあ、これに着替えてくれるかな。」
そう言って瑠佳ちゃんは絵理奈ちゃんに赤いジャージを手渡した。
「わ、分かりました…」
「着替えましたけど、これって普通のジャージじゃないんですか?」
絵理奈ちゃんは真っ赤なジャージに着替えていた。
「それは一見何の変哲もないジャージだけど、実はある細工を施してあるのさ。それに、これだけじゃないよ。」
「これを担いで…」
瑠佳ちゃんは円柱型のリュックサックのようなものを絵理奈ちゃんに担がせた。
「そして、この刀を腰につけて…できたよ!」
「…え?」
唖然とした様子の絵理奈ちゃんに、縄を解かれた2人と魅亜ちゃんが近づく。
「まずはこのリュックサック!魅亜君、ここを見てごらん。」
羽瑠ちゃんは円柱型の下の方を指さした。
「…あ!蛇口が付いてる!」
「はい、コップ。」
瑠佳ちゃんに渡されたコップを構えて蛇口をひねる。
「これは…トマトジュースだ!」
「そう!魅亜君はトマトが好きって聞いたから、トマトジュースの蛇口をつくったのさ。絵理奈君の側にいればいつでも飲めるよ。」
「高貴な魅亜にぴったりな発明だな!」
「次はこの刀。この刀を鞘から取り出すと…」
瑠佳ちゃんが絵理奈ちゃんの腰から刀を抜きだすと、先端に細い筒がついていた。
「この先端からは接着剤がでるの。鍔を回すと、木材用とかプラスチック用とか、接着剤の種類が入れ替わるよ。これはめぐむ君がいつでも角を直せるようにね。」
「ありがとうなのら。」
「そして最後は美月君用。瑠佳、頼んだ。」
「うん、羽瑠。」
そう言って瑠佳ちゃんは部屋のカーテンを閉めて、真っ暗にした。
「スイッチオン!」
羽瑠ちゃんの掛け声とともに、絵理奈ちゃんのジャージは青白く点灯した。
「綺麗…」
魅亜ちゃんが呟く。
ジャージの明かりが消え、部屋の照明がついた。
「ふっふっふ。これが最後の仕掛けさ。美月君はそのキラキラとした王子様オーラから自然と人を集めてしまう。だからより目立つ絵理奈君の側にいれば安心というわけさ。どうかな?」
「すごい…」
美月ちゃんは感心したように呟いた。
「機械の説明はここまでだよ。」
「絵理奈君、満足してくれたかな?」
瑠璃ちゃんと羽瑠ちゃんは絵理奈ちゃんに向きなおった。
「ど…」
うつむいた絵理奈ちゃんが呟く。
「ど?」
Ωの2人は不思議そうな顔をした。
「どーしてこうなるんですかぁ!」
顔を赤くした絵理奈ちゃんが叫ぶ。
「確かに…確かに先輩たちはこの機械で繋ぎとめておけるかもしれないですけどっ!私はどうなるんですか!これじゃあ、トマトジュース売り子浮かれ修学旅行生風発光人間ですよっ!!」
「発光…ぐふ…っ!」
「魅亜、笑ってやるな。」
そう言って美月ちゃんは魅亜ちゃんの肩を叩いた。
「まだトマトジュースとライトはいいとして、何で刀なんですか!刀の必要性、全くないですよね!?」
「だって、閃いたから作らずにはいられなかったのさ。ねえ、瑠佳。」
「うん。刀の先端から接着剤が出るなんて世界のどこでも見たことないでしょ。だから面白いと思って。」
「全然面白くないですっ!」
反論する絵理奈ちゃんに魅亜ちゃんが近づく。
「なぁ、絵理奈。もっとジュース飲ませてくれ。」
「嫌です!今日さんざん好き勝手した先輩にこれ以上ご褒美はあげられません!」
「それなら力づくで飲むまでだ!」
「絶対にあげません!」
走り出す絵理奈ちゃんを魅亜ちゃんが追いかける。
「その刀欲しいのら。」
魅亜ちゃんの後をめぐむちゃんが追う。
その様子をΩの2人と美月ちゃんが眺めていた。
「元気だなぁ…」
「美月君は一緒に追いかけないの?」
「僕はやめておくよ。あっという間に追いついちゃうしね。」
走るのは苦手なのか、3人の速度はスローペースだった。
「そっか。」
「2人は僕たちが絵理奈を困らせてヒドイ奴だって思う?」
「思わないさ。だって、」
「「みんなが幸せそうだから。」」
羽瑠ちゃんと瑠佳ちゃんの言葉が重なった。
「そっか…僕らは絵理奈に甘えているんだ。ステージ上の絵理奈は僕らの誰よりもアイドルなんだよ。そんな絵理奈に僕たちは魅せられていて、つい構ってほしくなってしまう。大好きなんだ。」
「絵理奈君も同じ気持ちさ。」
「そうだったらいいな。」
美月ちゃんの視線の先には笑顔で走る3人の姿があった。
後夜祭のステージ裏にはアイドルたちが集まっていた。
「あっという間にフィナーレね。」
玖藍ちゃんが言った。
「ほら、寂しい思いなんてしてる暇なかったでしょ?」
愛実ちゃんが自慢気に見つめる。
「ええ、愛実のおかげで最高の文化祭になったわ。ありがとうね。」
そう言って愛実ちゃんの頭をわしゃわしゃと撫でた。
「わ、わしゃわしゃするなぁ!」
『これより詩井野学園アイドルによるフィナーレライブを行います。』
ライブの開始を告げるアナウンスが流れた。
「「「よし、行こう!」」」
何人もの声が重なる。
そして彼女たちはステージに向かって走り出した。
アイドル全員で歌うエンディング曲の文化祭verとともにエンドロールが流れる。
Finの文字が画面に映り、再生が終了した。
私は机に肘をつき、頭を抱えた。
「はぁー…」
「菜々子さん、どうかしましたか!?具合でも…」
斗真君が心配そうに見つめる。
「尊い…」
「え…?」
「ライバルとの熱い戦いと友情!青春って感じがするよね!何回観てもいい…!」
「そういえば菜々子さんってこういう人でしたね…」
「斗真君はどうだった!?」
「ライブバトルのところは高校の部活を思い出しました。仲間と一緒に練習して、試合に出て、上手くいったりいかなかったり。その頃の記憶が蘇りました。」
「そっかそっか!うんうん、いいよねぇ。じゃあ、アニメ全部観てみて、気になる子はいた?」
「そう、ですね…愛実ちゃんはちょっと気になりました。」
愛実ちゃんかぁ…赤髪ツインテールで可愛い系。なるほどねぇ…
「斗真君ってああいう感じの子がいいんだ?」
「ち、違いますよ!あの子は菜々子さんに似てるから気になっただけで…!」
斗真君は顔を赤くして手をブンブンと振る。
なんだ、そういうことか。
「確かに愛実ちゃんはらむねちゃん大好きだからねー。そういう意味では似てるか。じゃあ、どの子が好みだった?」
「それは言いませんっ!」
反応が可愛くてついからかいたくなっちゃうな。
それからしばらくアニメの話をして今日はお開きになった。