表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
推しとなり  作者: 亜瑠真白


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

28/32

ノーマルモードがデスモード7

 今晩泊まる部屋は4階の和室。靴を脱いで上がり、襖を開ける。畳の和室の奥には窓から山々の紅葉が見える。

「ね、いい部屋でしょ。」

「はい。」

 部屋の奥まで入って行くと、木のドアがついている。斗真君がドアを開けた。

「な、菜々子さん!」

 そこは例のアレかな。私も斗真君の後ろからドアの内側を覗いた。

「驚いた?実は露天風呂付の部屋にしたんだ!」

 いろんな旅館を調べている中で、露天風呂付きのプランを見つけてここに決めた。大浴場ももちろんいいけど、せっかくだから一人で気兼ねなく入れるのもいいかなって。

 斗真君の顔を見ると、戸惑ったような表情をしていた。

「あれ、あんまり嬉しくなかった?」

「い、いえ!その…僕達にはまだ早いかなって…」

 早い…?もしかして値段のことかな。確かに今回2人で決めていた予算をオーバーしていたけど、その分くらいは社会人である私が出したい。

「大丈夫だよ。ギリギリ予算に収まったんだ。」

「予算のことではなくて…その…」

 お金のことじゃないって、じゃあ何なんだろう。よくわかんないけど、

「どっちが先に入る?」

 夕食の時間が一時間後。それを考えると今は入れるのはどっちか一人かな。

「ええ!?え、えっと…菜々子さんの好きな方で…」

「そっか。じゃあ私はご飯の後にしようかな。お土産屋さんとか見てるから、ごゆっくりー。」

「…え?」

 私は部屋を後にした。


 夕食の少し前に部屋へ戻ると、紺の浴衣に着替えた斗真君がいた。お風呂後の少し濡れた髪とか、浴衣から覗く鎖骨とか…

「眼福…!」

「お帰りなさい。」

 そう言う斗真君の声はなんだか少し怒っているみたいだった。

「斗真君、なんか怒ってる…?」

 私なんかやらかしたかな…?いや待てよ。朝の挙動不審といい、靴擦れといい、可愛い浴衣を着せようとした件といい、思い当たる節しかないな。

「すいません。怒っているというか…自分の煩悩を反省しているといいますか…」

 うーん、でもまあ、怒ってないならいっか。

「じゃあ夕飯食べに行こう。」

「そうですね。」

 夕食は地元和牛の陶板焼きをメインとした会席料理だった。斗真君が「菜々子さん、これ美味しいです!」って笑顔で報告してくれるのがたまらなく可愛くて、正直食事どころの騒ぎではなかった。

「美味しかったですね!」

 部屋に戻ってきて腰を下ろした斗真君が言った。

「そうだね。」

 それよりも斗真君の反応が『ごちそうさまです』って感じだけど。私は自分のボストンバッグを開けた。

「あ、菜々子さん、お風呂入ります!?」

「うん、入ろうかな。」

「す、すぐに出て行きますね!」

 そう言って斗真君は部屋を飛び出していった。そんなに急いで出て行くことないのにな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ