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神々のイデア  作者: 花都
プロローグ
1/70

プロローグI

 はるか、はるか昔。まだ地上が一面の荒地であったころ。


 地上には、十一の神々だけが暮らしていた。



 あるとき、彼らの間にこんな提案が持ち上がった。


 この広い世界に、我々だけではつまらない。


 我々の力で、ここを賑やかな楽園にしようではないか。



 神々はこの提案に賛成した。


 どちらを向いても同じ風景なんて、飽き飽きしていたのだ。


 退屈しのぎくらいにはなるかもしれないし、皆で何かを創るというのも、楽しそうだ。


 そう言って何やらわいわいと相談を始めた。



 ただ一柱、死の神を除いて。



 死の神はこれに反対した。


 たかが退屈しのぎごときに神の力を使うなど、言語道断だ。


 楽しいだけの楽園など存在しない。


 そんなのは時間の無駄だ・・・



 そうして呪いの言葉を吐き、十の神々によってうまれた全てのモノに終焉を与えた。



 水の神が創った潤いには、渇きを。


 土の神の恵みには、枯渇を。


 火の神の炎には、灰を。


 光の神の光には、闇を。


 誠の神の忠誠には、裏切りを。


 愛の神の愛情には、憎しみを。


 戦いの神の勇気には、恐怖を。


 平和の神の静寂には、混沌を。


 智の神の理には、破滅を。



 そして、生の神の創った命には、死を──



 心血を注いだ発明品を悉く破壊され、神々は激怒した。


 そして、団結して彼女に戦いを挑んだ。



 しかし、死の神はあまりに強大だった。


 十の神々は苦戦を強いられ、仇のもつ神の力を二つに裂いて、二度と地上に姿を現せぬよう地下に封じ込めたものの、終焉の呪いを受けてしまった。



 彼らは最期に、人間を創った。


 自らの分身たる人間と、その子孫たちにこの世を任せ、秩序を保とうと考えたのだ。



 その目論見は成功した。人間は神々がこの世にもたらしたモノを守り受け継ぎ、この世を神々が目指した楽園に変えていった。



 こうして、神々は世を去った。


 引き裂かれ封じられ、憎しみに侵された殺戮と混沌の二神を残して──


 


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