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溺愛される系主人公くりす・その他

醜悪少女は愛されたい

作者: リィズ・ブランディシュカ



 愛されたい。

 愛されたい。


 醜い少女は愛されたい。


 きらびやかな宝石、素敵なドレス。

 たくさんの者が溢れているけれど、どんな物だって無価値。


 彼女はただ、愛されたかった。


 普通の人ではありえない。

 けれど化け物でもありえない。


 その醜さは中途半端で、だから何物にもなれなかった。


 人の仲間でもありえない。

 化け物の仲間でもありえない。


 彼女を受け入れてくれる存在はいなかった。


 たった一人、醜悪好きの男性以外は。


 彼は、醜いものが好きだった。


 だから、ただ唯一の醜悪であった少女は、彼にだけは受け入れられたのだ。


 けれど、その愛も醜い少女の心を満たしはしなかった。


 男性が好きなのは醜悪さだけで、少女自身ではなかったからだ。


 だから、誰にも自分自身を見てもらえなかった少女は、見てもらう事を「望む」のをやめた。


 見てもらうのではなく、見させる事にしたのだ。


 目的を、夢を見つけた少女は、何も言わずに男性の元から去った。


 目的をとげるまで、夢をかなえるまで、何でもするために。


 醜い少女は誰からも必要とされない。


 けれど、それはその時までの話だった。



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