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(自称)理系男子のあやかし退治  作者: ミラミナト
2/2

第一話 トイレの洋子さん(上)

本編突入です。

文章長くてすみません。

本当は上、中、下にしようかと思ったんですが、上、下にしました。

白衣の秘密はついに明かされるのか!?

 あの委員決めから何週間か経過し、四月ももう終わりとなった今、私は入学当時のあのテンションの低さが嘘のような学園生活を送っている。

 あんなに嫌がっていた美化委員の仕事も昼休み後に数十分間全校生徒が各クラスの掃除をするので、基本的には放課後の簡単清掃作業が中心で一人でもできるので、あまり彼に接する機会もない。一応一緒にクラス内の掃除はしているが会話はしないという感じだ。

 私が自分の席で次の授業の準備をしていると、例の彼、瀧澤巧(たきざわたくみ)が隣から話しかけてきた。

「あの、今週のトイレ掃除C組の美化委員が担当していたんだけど今日二人とも学校に来てないらしくて、僕らがやることになったらしいです。」

「え、あ、分かった。」

急に話しかけられたので驚いたが私は了解の返事をした。

(はぁ...トイレ掃除かぁ...めんどくさいなぁ...)

など思いながら、私は授業が終わるのをただぼんやりと待っていた。

 

 昼休みになりクラス内が騒ぎだしてきた。

 私はクラスの友達と食べることもあるが、偶に中学からの友達とも食べるときがある。まさに今日がその日なのである。私はお弁当を持って隣のC組の友達に声をかけお昼を一緒に食べようと誘った。二人とも二つ返事で了承し、私たちは屋上に向かった。

「屋上でお昼なんて実際にはあり得ないと思っていたけど、まさかできるとはね~」

 私がそう言うと二人ともそだねーと言いいろんな話をしながら昼食を楽しんでいた。

 「そういえば、C組の美化委員の子たちが休んだから、今日トイレ掃除なんだよねー」

と何気なく話の話題を広げると

「クラスのみんなは洋子(ようこ)さんの仕業って言ってるよー」「なんでも、女子トイレに現れる花子さんの様なものらしいですよ」

二人が食い入るようにと言ってきた。

「え、その話詳しく教えて!!」

このインターネットが普及した現在でもその手の話があるのかと私は興味本位で聞き返し、詳しい内容を知ろうとしたとき、

「そんなものは存在しない!」

 と大きな声がその会話を遮った。その声の先を見てみると、左手におにぎり、右手にコッペパンを持った瀧澤がズンズンとこちらに近づいてきた。ていうか、おにぎりとパンって組み合わせ的に合うの?しかも交互に食べてるし...そのパンジャムパンだし...と瀧澤の意味不明な昼食について考えていると、彼は私たちの前に立って再び

「そんなものは存在しない!科学的にあり得ない。」

と大きくまるで屋上にいる他の生徒に聞こえるように大きな声で言ってきた。

(なんなのこいつ...)

私がいまにも怒りそうになり彼に怒鳴ろうとしたとき

「が、しかしその話は興味がるので、教えて欲しい。」

と今度は一転して怪談に興味を示してきた。

私は普段おとなしい彼が、この手の話になると途端に態度が変わるのが気になってしまい、怒る気力も失せていた。

「では、私が話をさせてもらいます。トイレの花子さんはもちろん知っていますよね。洋子さんは花子さんの現代版と言いますか、この学校版と言ったほうがしっくりくるかもしれませんね。この噂は最近聞いたのですが、放課後のトイレ掃除をしていたある女の子がいました。その女の子は普通にトイレ掃除をして学校から帰りました。しかし夜に学校の校章がないことに気が付きました。次の日は校門前で服装検査なのでこれはいけないと思い彼女は夜の学校に校章を取りに行きました。

 学校についてから夜に学校って空いてるのかと思いましたが、鍵は開いており、彼女は掃除をしていたトイレ前で校章を見つけることができました。しかし何故か校章は二つあり、彼女は疑問に思いました。すると女子トイレの個室から声が聞こえてきました。

 (校章を無くして探しているの。多分この辺りだと思うのですが知りませんか)

と女の子の声が聞こえてきたので、彼女はもう一つの校章を拾いその声のする個室の前まで歩いていきました。

 彼女が個室の前に立つと扉がゆっくりと開かれました。しかしそこには誰もいなかったのです。彼女は怖くなり、体の向きを変え逃げ出そうとしました。しかし体が動かず逃げ出すこともできませんでした。

 すると後ろからささやき声が聞こえ...」

「「ささやき声が聞こえて何なの!?」」

私と瀧澤は声を揃えて聞き返した。

「すみません。私ここまでしか知らないのです。」

「え!?そーなのウチもそこまでしか知らないから結末気になってたのになー」

二人とも結末は知らないらしい。

「結末を知っている人は誰もいないと思います。だから実は花子さんの妹だとか、実は男だとか、そもそおも妖怪やあやかしではないとか学校全体で様々なことが言われていると思います。そもそも、洋子さんを体験したという人すらいない様子ですし...」

 友達がそう付け加えると私はそういうものなのかと納得してしまいその話には興味を抱くことはなかった。

 瀧澤もありがとうと言い屋上から去っていった。

 私はその姿を何故か気になってしまい無意識のうちに彼が視界から消えるまでずっと目で追っていた。

 

 夜、明日の数学の課題をしようと鞄を開いたときに私は課題をするためのノートを忘れたことに気が付いた。

 数学は中学の頃から苦手でテストでは毎回赤点だった。中学の時は課題を出して成績を稼いでおり、高校でもその手段を用いようと思っていた。なので課題の提出は生命線であり、一個でも落とすと非常にまずい。課題のノートがなければクラスの友達に聞いても何の意味もない。つまり私が取るべき手段は...

「ノートを取りに行くしかない!!」

 私は急いで服を着替え学校へと向かった。この時にはお昼に話した話のことなど覚えてもいなかった。


「良かったあった...」

 私は自分の机の中にあったノートを見つけて一安心していた。ふと周りを見渡し静かなクラスを眺める。

普段の生活の約半分以上の時間をこの教室で過ごしているのに、時間帯が違うだけでまるで別の場所のように思えてしまい、恐怖感に駆られ早く帰ろうと思い教室を後にした。廊下を歩いている最中にふと昼の時間に話していた洋子さんの話を思い出していた。

 夜、学校、女の子という洋子さんの話にピッタリな今のシチュエーションに若干おびえながらも、体は無意識のうちに例のトイレに足を運んでいた。

 トイレの前まで足を運んでみたけど校章はなく噂は噂でしかないと思い、帰ろうとしたそのとき

(もうちょっと...もうちょっと...)

と女子トイレの方から声が聞こえた。私は直ぐにトイレの方向へ振り返った。しかし誰かがいる気配はない。

「嘘。ホントに...いるの...洋子さん」

私は思わず声に出してしまった。そのとき

ダァン!!ダァン!!ダァン!!

 トイレのドアを叩く音が聞こえた。その音は次第に大きくなっていき

ダァン!!ダァン!!ダァン!!ダァン!!ダァン!!ダァン!!バァン!!

と扉が壊れた音が聞こえた。

 その途端にドドドドドドドドドと何かがこっちに向かってくる音がした。私は逃げようと体の向きを変え廊下の方へと走り出した。


走れ!走れ!走れ!走れ!走れ!私は全力で走った。走って走って走って走って...。随分と走ったつもりだったが、全然進んでいない。距離的には廊下の半分ほどしか進んでいない。私は思わず後ろを見た。するとおよそ現実ではあり得ないような()()がそこにいた。どす黒い塊のようなモノ。人の顔とは思えないカオ。例えるならカオ〇シのようなモノがすぐ後ろまで追いついていた。

 恐怖で動けない。本当に動けないものなのかと他人行儀に考えてしまう。自分の命があと少しであるという事を、体が分かっている。()()()()()()()()()()。モノが手らしきものを私に伸ばす。私は諦めてしまう。恐怖のせいで生き残るという事を諦めてしまう。もうダメだと思い目をつぶった。


後ろから足音がする。こちらへ走ってくる音がする。この足音を私は知っている気がした。最近聞いた足音。今日の昼に聞いた足音...


ドゴォォォ!!!

勢いよく何かが殴られた音がする。私はゆっくりと目を開く。視界に入った情報を確認する。私はこの光景を知っている。入学式当日を思い出す。

そこには白衣を着た彼がそこに立っていた






 

というわけですみません。白衣の秘密は次話になります。

引っ張りたいってわけではないのです。どうしても瀧澤君の登場に合わせる形にする必要があったので、、

先の見通しやどこまで続くかはわかりませんが自分が書きたいものを書いていきたいと思います。


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