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第55話 魔物退治 2 (´Д` )

 俺たちは熱くなった冒険者たちのやや後ろを小走りでついていった。お金の力は恐ろしい。ここまで人が豹変するとはなぁ。俺も気をつけよ。


「流石に焦りすぎではないでしょうか?」


 苦笑いしたシーファが俺にいう。確かに、今のペースで走っていれば並みの冒険者は魔物と戦う頃には体力をほぼ消費し尽くしてくるだろう。なんだろう。冒険者ってアホ多いのかな?


 因みに俺たちはどれだけ走っても疲れない。シーファもミライから力を授かっているらしいし、走っても全く息が切れないという。いいな。ま、そんなことを言っておいて俺も何故か疲れない。疲れって状態異常に分類されるのかな?なら俺が疲れないのも説明がつく。すごい。状態異常無効最強すぎる。でも前普通に疲れたような。精神面はダメなのかな?


 そんなことを考えていると、前の方から声が聞こえた。そこで、人と魔物が戦っていることに漸く気がつく。俺とシーファは前線に出た。シーファは魔法も得意だが、ミライの力を借りれば近距離でも戦える。それに俺と近い方がコミュニケーションを取れるからという理由だ。


「そっちいったぞ!」


 声が響き、俺たちの方へ魔物が2匹くる。図鑑で見た、オークという魔物だ。人間の女をさらって(自主規制)するというヤバイやつ。これは野放しにしといてはいけないな。俺はそういうのが大嫌いなんだよ!


 剣を構える。オークはどちらとも鉄の鎧と鉄の剣を持っていた。人間型は大体武装するんだな。


 シーファが初弾の火球を打った。俺はすぐさま彼女の思考を悟り、火球が打たれた方のオークへ追撃を加える。火球はかわしたオークだが、悟の斬撃に耐えられず片腕を跳ね飛ばされた。オークの剣が俺の腹を狙っていることを知って、後ろへ飛び退く。俺と入れ違いに、風刃が飛んでいきオークの首を切断した。


『オークを倒しました。経験値36獲得。オークに変化することが可能になりました』


 俺の横からオークが剣を大雑把に振り回すが、悟の渾身の一突きにより後ろへ吹っ飛ばされる。鎧に当たった拳がヒリヒリと痛んだ。


『スキル渾身の一突きを獲得しました』


 よっしゃあ!ついにスキル認定あざっす!


 いやあ、苦労のかいだわ。ずっと頑張ってここでスキル認定かぁ。長かったよ。これで周りの人目を気にせずに戦える技が1つ増えたぞ。今までは火球と剣とかそんな感じだけだったしな。よかったよかった。


「グオルっ!」


 オークが突っかかってくるが、俺は覚えたての渾身の一突きで腹をドゴーン!ついでに属性付与で炎を纏ってゴオオッ!いや効果音じゃわからないかな?


『オークを倒しました。経験値42獲得』


「やりましたね!」


 ガッツポーズをとるシーファ。周りの冒険者は俺たちを見て、感嘆の声を漏らしている。しかし、残念なことにあのいきり細男はいなかった。


「よし、もっとやるぞシーファ」


 俺は討伐部位を回収し、アイテムボックスへと入れる。これはあまり見られないように作業を行った。アイテムボックス奪われると厄介だし、王様に怒られるかもしれないし。


 あと、鑑定さん倒した時の通知この戦闘中はやめてくれんかね?あんまりうるさいと気が散っちゃうから。


『承知しました』


 これでいいかな?おし、魔物を殺しまくるぜい。


 そのあとはひたすら魔物を殺すだけという繰り返しの作業。いろいろな魔物を見れたし、俺はいいんだが他の冒険者たちが深手を負ってきた。流石にこれだけの相手をしてれば疲労が溜まるやつもいるようだ。……最初に走っていた奴らもそうだけどね。


 途中で見かけたのが『銀の(いかづち)』だっけ?そのユリガさんが、周りの魔物を一瞬で蹴散らしてんの。本当あの人1人だけでも500体くらいは殺せそうみたいな感じで。俺たちいらないんじゃないかなぁって思ったけど余計なことは考えずに戦闘に集中だ。


「サトル!前方と左方にスネークマンが2匹ずつ!」

「マジで?こっちは右方と後方にフェルノウルフが2匹ずついるんだが」


 囲まれたな。それも完璧に。


「魔物に、こんな知恵があるとは……」


 ん?今シーファ意味深なことつぶやかなかった?っていうことは誰かが操っていたことだよね?んでこの魔物たちはラギ森林の方から来ているかーーお!あぶね!


 フェルノウルフの吐いた火が、俺の横をかすめる。この世界の生き物は魔法攻撃に弱いため、俺もどれだけステータスが高かろうと魔法攻撃を食らうのは勘弁なんだよ。


「まずはこの魔物たちを!」


 シーファが手を上へとかざし、風を集める。危険を察知してフェルノウルフが吐いた火が、その風へと巻き込まれた。炎を宿してさらに大きくなる風の渦はやがてハリケーンになる。これギルマスのサンカーが持っていた竜巻(ハリケーン)じゃないか?


 ……シーファ俺よりも強くなってね?


 少し悲しい気持ちになりながらも俺はシーファの準備が整うまでスネークマンを相手にしようとする。フェルノウルフはシーファが上手くやってくれるだろう。今だって、数匹のフェルノウルフが竜巻にぶっ飛ばされて空の彼方にバイバイキンするところを視界の隅で見たし。


「シィィィィィ」


 こいつら見てるとルーゲラバイガルを思い出すな。鳴き方と蛇しか共通点ないけど。


 スネークマンの外見は緑色で硬そうな鱗がびっしり張り付いている。極め付けは長い爪と尻尾。前に現れた時は爪で切り裂き、後ろに回られても長い尾で叩き潰すのだとか。まるで死角のない敵だ。


 ん?大丈夫かって?はは、かっこよく4体同時相手をするつもりだけどどうやって倒そうか未だに悩んでるぜ☆


 ということで……。






 次回へ続く!

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