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第29話 変化の進化……?

 さあ、第二ラウンドを始めようじゃないか。


『人間を倒しました。経験値98を獲得しました。レベルが34に上がりました』


 そしてレベルアップ。さっき吹き飛ばされた時の傷も癒えて俺は完全回復だ。


「レベルアップか……」


 俺の怪我の治り具合を見てガイアが唸る。確かにこの状態でのレベルアップは相手にとって辛いだろう。


「こちらから行かせてもらうぞ!」


 俺は剣を構える。ユムリに向かって剣を差し出す。ユムリはそれを防ごうと防御体制になった。だが、俺は変化をしてルーゲラウルフになる。足元をすり抜けて呆然としているユムリの露わになっていた足に噛み付いた。


「ぐっ、痛い!」


 血が吹き出る。俺は更に反対側の足に噛み付こうとしたが、風圧感知で特大のものが迫っていると感知し、横へ飛びのいた。その飛びのいた先にも剣が迫る。これは流石に避けきれなく、変化を解いて鎧のところに剣を当てた。布っぺらい防具だが、剣とぶつかった時にはガキンと金属音を立てる。その仕様に気がついたのか、ガイアが叫ぶ。


「ガド。ユムリ。そいつの服は鎧だ!服の形を変えている!それにユニークスキル持ちだ」


 ガトとユムリは頷く。俺から視線を外さずに、剣と槍を構えていた。その後ろにガイア。ガイアは大きなハンマーで素振りを繰り返している。あれに一度でも当たれば、俺の骨がどうなるかわからない。


 俺が一歩踏み出すと、相手も一歩踏み出した。その距離が縮まっていく。ユムリの槍の射程範囲に入った俺は攻撃が来る前に更に間を詰めた。


「行動が丸見えなんだよ!」


 ユムリが大きく槍を一振りする。俺は変化でルーゲラフラワーになり、槍の風圧で斜め後ろへと飛んだ。これは俺の作戦だ。わざと飛ばされた振りをしてーー。


「ははっ。ユニークスキルを使っても俺には勝てないな」


 笑っているユムリの声。変化を解き、彼らの頭上にいるのを確認すると手に魔力を込めた。


「お、おい!お前ら!」


 ガイアはそれに気がつく。結界の中に入れたいのか、仲間を手繰り寄せるがユムリは怪訝な表情をしただけだ。説明している暇はないらしいし、これはこれでチャンスだ。


 火球が手のひらに作られる。一回その威力を見たガイアは、部下たちが危険だと悟ったのだろう。しかし、ユムリたちが結界に入らないと悟ってニヤリと笑う。


「最後の仕事だ。上手くやれよ」


 ユムリたちが何か言う前に、ガイアは手に黒い光を宿らせた。その光がユムリたちに入っていく。最初に動いたのはガドだ。黒く濁った目を俺に向ける。


 ーー洗脳されてる……!?


 洗脳という言葉が頭の中から出てくる。悟は嫌な予感を感じ取り、直様火球を発射した。


「ぐがっ!」


 火球が直撃し、苦しむ声。ガイアは結界を張っている。俺は火球を爆発させた。


「…アア、ググル……グルルルルゥゥゥゥ」


 煙が晴れても、ガドは立っていた。ボロボロで立っているのもやっとというところだ。ユムリは倒れていて、ピクリとも動かない。鑑定で調べると、死んでいることは明らかだった。状態異常に洗脳と書かれているため、やはり洗脳なのだと確信する。


 ガドは壊れていた。もはや人間ではない。その唸り声は竜を妄想させる。


「やれ、ガド」

「ガアア!」


 ガドは剣を持って襲いかかってきた。ガイアが笑う。


「闇魔法は洗脳が出来る。正気を失う代わりに、強くなれるんだ。強さを求めていたこいつにはお似合いってものさ」

「くっ……」


 剣で受け止めたが、相手の力が強すぎて押し負けされてしまった。後方へ一歩飛び退くが、それに合わせてガドが猛スピードで突っ込んでくる。変化でルーゲラリトルベアーに変化し、その腹を殴った。


 鎧の破片が腹に刺さったのか、血が吹き出る。しかし、痛覚さえなくなったのか先ほどの変わらぬスピードで襲いかかってきた。


「不死身かよ……」


 だが、相手の力の強さはわかった。それは俺よりほんの少しだけ弱い。押し負けされてしまったが、本気でやれば直ぐに勝てる。多分。


 ガイアが突進をしてくる。ガドはその巨体に姿を隠されて見えなくなった。


 ガイアのハンマーを避ける。地面が陥没したせいで、足がすくわれた。


「っ!?」


 横から迫るハンマー。俺は自分の下の地面に火球を打ち、爆発した反動でハンマー攻撃から逃れられた。しかし、かなりのダメージをくらった。あのハンマーを食らうよりかはマシだが。


 体勢を整える前に後ろから風圧。しゃがんで避けたが、俺の腹に迫っていたハンマーがぶつかった。


「ぐあっ!」


 壁に体が打ち付けられ、一瞬呼吸が止まる。咳をすると、血を吐いてしまった。意識が遠のくが、唇を噛み締めて無理やり意識を保った。


 ガイアはまだ油断していないのか、更にハンマーを振ってくる。その横からはガドが斬撃刃を繰り出した。


「っ……」


 紙一重でハンマーはかわしたが、俺の脇腹を斬撃刃がかすめた。残りの斬撃刃は見当違いな方へ行っている。どうやらあれは当たるのが難しいらしい。


 俺は立ち上がる。変化をし、ルーゲラリトルベアーになった。これが1番強いのだ。


「グルッ!?」


 ガドが膝をつく。洗脳の副作用かどうかはわからないが、俺は全速力で駆けてガドの頭へと渾身の一突きを手に炎を纏って放った。地面に顔を埋めるガド。女の機械音声が聞こえた。


『人間を倒しました。経験値186を獲得。レベルが34になりました。ルーゲラリトルベアーのレベルが2になりました。進化条件を達成。進化先の変化が可能になりました。進化先を表示します。

 ・ルーゲラベアー(打撃に優れている)

 ・ルーゲラマジックベアー(魔法に優れている)

 2つのうちどちらか1つを選んでください。また、ルーゲラリトルベアーのレベルを上げれば取り逃がしたもう1つの進化先も獲得できます』


 ん?んん?んんん?


 変化って進化あったのぉぉ!!!?

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