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第220話 見つけてしまった

「え……それって……」


 ミィトはぽかんと口を開ける。


「それもなにも、魔王城の位置が分かったんだって。もっと喜べよ」

「でも……どうして?」

「ミィトが頼んだだろ? 魔王城を探せって」

「ああ」


 彼女はポンと手を叩く。忘れてたの?


「そういえば、そうだったね」


 そういえば?


 忘れてたの?


「で、え? 位置が分かった?」


 もう一度口を開け、ミィトは目を丸くする。


「それって本当!?」

「めっちゃ本当」

「本気の本気で!?」

「ガチガチのガチ」


 歓声を上げ、立ち上がる勢いで机をバンと叩くミィト。


「それ、すごいよ! 長年探しても見つけられなかったのに……こんな短期間で見つけられるなんて! 歴史的発見!」

「そこまでか……?」


 ミィトが乗り出してきたので、少し身を引いた。


「うん! すごいことだよ! すぐにみんなに伝えなきゃ……!」


 踵を返そうとして、彼女は動きを止めた。


「…………」


 そして、苦虫を噛み潰したような表情になる。


「みんなに……っ」


 ミィトの周りにいたのは、ギルドマスター。流石にどんなときにでも、という訳ではないが、ミィトにとって大切な存在だっただろう。


 しかし、ギルマスたちは精神を汚染する魔術にかかっている。今頼ることはできない。


「ギルマスたちに、会いに行けないか?」


 自分でも驚くほど、するりと言葉が出る。ミィトは驚いた顔をした。葛藤する間があり、こくりと頷く。


「分かった。サトルなら……なんとかしてくれるかもしない。でも、これだけは約束して」


 ミィトは再び体を近づけてきた。


「これは私からのお願いなんだけど……彼らを見て、がっかりしないで欲しいの」

「……ああ」

「いつものみんなとは…………違うから……」


 そう言って、目を伏せた。


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 知らない間に話が進んだ感がすごい。


 ミィトが残るというので、俺一人で部屋を出た。


 ギルマスたちに会う日にちは、ミィトが作ってくれるみたいだ。任せておけば大丈夫だろう。


 ……王様とか通すのかなぁ。お偉い人にはあまり関わりたくない。


 え? ギルマスがどうした?


「あ、帰ってきました」

「マスター……?」


 プリンがパアッと顔を明るくしたが、俺を見るとその表情は萎んでいった。


「サトルですよ。先ほど話しましたが、中が入れ替わっているみたいなんです」


 ギルドの一階ではシーファたちが紅茶を啜っていた。みると、シロも復活している。


 ーーどうも。


 シロが軽く解釈してきたので、俺も返した。もう、対応が犬とは思えない。


 ーー雷獣だからね。


 そっか……。


 ーーあ、悟だ。


 なんか理解してもらった。


「あの悪魔はどこにいったんだ?」

『セイレイっつってんだろ』

「うわびっくりした」


 念話だ。姿を探したが、それらしき者は見つからない。っていうか注目を集めてた。


 ーー1人で話してるからだよ。


 シロが嘲笑う。くそう。


「マスター、ごめんなさい。私、疑ってたわ」


 しょぼくれ顏でいうプリン。


「今のやり取りでわかったの……貴方はマスターだって」


 なんか理解してもらった。


「それに、あの時助けに行けなくてごめんなさい……」

「別に気にしてないよ。こうやってみんな無事に生還したんだからな」

「マスター……!」


 プリンはふんわりと笑った。


「んで、どんな状況になってるんだ? シロ」


 腰を下ろしながら、話を戻す。


 ーーシロがガームと戦って、頑張ったんだけど引き分けだった。そしたら、ガームが魔王に操られていて不服そうだったから、シロと契約した。


 契約……。


 つい先ほどまでそのことを聞いていたので、悪いイメージしかない。


「どんな契約を結んだんだ?」


 ーー別に……双方危害を加えず、共闘することを契約しただけだよ。


 お。そこまで悪い契約じゃない。シロが決めたのかな?


 ーーうん。


 やっぱりシロは優しい犬だなあ。自分に有利な契約すら結ばない。平等が一番いいのよ。


 ーーでしょでしょ?


『オレはこのイヌッコロと主従の関係になった。そいで、イヌッコロがアルジだ』


 ちょっと、というかかなり驚いた。


「お前、主になりすぎじゃね?」

 ーーそんなことない。

「私もシロと主従の関係よ?」


 プリンが頬杖を付きながら、ぼやく。


「だよねー。なんかシロが頂点に立ってる感じがする」

 ーー実際そうだから。


 その上にシーファ。シロも懐いてるし。


 ーー逆に言えば、シロは悟に懐いてない。悟は一番下。


 そんなわけ……ない。多分。


「あ、ミィトに伝えたぞ? あのこと」


 シーファに向けて告げる。


「会話も、そんな流れだと思いました。レーダーを見ると、数時間であの場所に戻ってきそうです」

「よしよし。勘付かれてることはなさそうだな。じゃぁ、今から取りに行くか」

「分かりました。貴方たちも来ますか?」


 シロ、プリンが頷く。ガームからの返事は来なかったが、多分ついてくるだろう。


「あれ……? アーヌがいない?」

「今気がついたんですか」


 シーファが呆れ顔をする。


「アーヌは力を試してくると、依頼を受けにいきました」

「成る程」


 暴れすぎないといいんだけど……。


 あ、そうだ。


「俺あんまり体力ないんだった」

「ああ、貧弱体質に戻ってしまいましたからね」


 元々貧弱体質じゃねえよ! ついでに言うけどアーヌに失礼(小声)。


 ーー早く取りに行こうよ。こういう長いいざこざは嫌い。

『ケケケ! もっともだ!』


 アーヌはほっといていいや。さて、回収しにいきますか。


 ドローンを。

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