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第168話 魔王襲来からのご帰宅

なんかネットに繋がったので2話分投稿します! やったー!!

「おーい、シーファ」


 声をかけるも、返事がない。あれ? 留守かな?


「じゃぁシロー」


 ーーん? どうしたの?


 お前はいるんかい。


「シーファいるー?」


 他から見たら壁に向かって1人で話してる変人だと思われるだろう。ふっ、舐めんなよ。俺はこれまで2回も変人と思われたことがあるんだぜ。


 ーーいるけどー? え? 言っちゃいけない? どうして?


 シーファもいるんかい。っていうかなんかなんか。


「入るぞ?」


 ーーいいよ! え、ダメ?


 なんかごちゃごちゃ言ってるが、聞こえなかったことにしよう。


 俺は魔法陣を踏み、部屋の中へ転移した。


 そこにはシロをポカポカと殴るシーファが。いや何があった。


 効果音はポカポカだと思うけど、その威力はシャレにならない。シロだから平然としてられるけど、普通の人間がこれをくらえば地面に埋まる。うん。これ本当。


「うーん……取り敢えず、何してんの?」


 ーーシーファが、むぐぐっ!?


 口を押さえつけられるシロ。お前念話で会話してるから喋れるだろ。


「シーファ?」

「い、いや! なんでもありません! 本当何もしてませんから!」

「は? 何の話だ?」


 シーファは顔を赤くして俯く。もう何も話してくれなそうだ。


 よく分からないけど本件の方済ませちゃお。


「俺の部屋に呪払いの石が落ちてたんだけど……。あ、もしかして俺の部屋入った?」

「はわわ……! そんなことないです! シロの悪戯ですぅ!」


 ……可愛い。


 はっ。いかんいかん。思わずシーファの魅力に心が奪われるところだった。くそう。ここまで意図してやっているのか。恐るべしシーファ。


 ーーシロのせいになるのー!? おかしい!


「白状してください! シロ、貴方私の大切なものを奪うなんて許しませんよー!」


 俺の感知で言っていることが嘘だとはわかる。というか感知がなくてもわかる。シーファって嘘下手だなぁ。新たなる事実。


「あー、ここ置いとくぞ?」

「はい! 私はシロを問いただすという仕事があるので!」

「うん、頑張れ」


 部屋を出る。中からはまだ騒ぎが聞こえるが、もう俺が関わることはないので静かにその場を去った。


 ーーえへへ。シーファちゃん青春だねぇ。


 悟が完全にいなくなった後、シロが一言。シーファの顔は真っ赤に染まる。


「うう……犬にこんなことを言われるとは……」


 ーー悟だって青春したことあるからね。


「え? ちょっと、その話を詳しく!」


 ーーうんうん。あれは、背が高くて美人なお姉さんが家に来た時だったよ。でねでね……それでさぁ……すごかったよ……。


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「っ!?」


 なんか寒気を感じた。怖い怖い。


 ベッドに寝転がりながら今後の方針を立てる。


 死神の部屋にいるミミを回収しろか……。ロボ子でいいや。それで定着したし。


 ロボ子はスキルを封印するナニカを使ってきた。俺としてスキルがなくなるのはかなり辛いし、まずスキルがなければ今まで生きてこれなかった。変化スキルに助けられたことだって多々ある。


 まずはそこから攻略だな。


 どういう原理で動いているのかも分からないので、妨害とかそういうのはできない。ただ1つわかっている発動条件は、リミッター全解除された時にスキルが封印される。


 じゃぁ、スキル無しで戦えと?


 それも無理だ。銃弾くらってすぐ死ぬ運命が見える。ミストバードに変化しなきゃあれ避けられないしなぁ。


 俺だって身体能力は高くなっているはずだから銃弾ぐらい簡単に避けられるーーと思っていたのだが、ロボ子の使う銃は威力も桁違いだし速さも恐ろしい。地球で製造されている銃をやすやすと超えていた。


 やっぱ肉弾戦?


 ロボ子に拳が通用するかどうか……。しかも、傷つけたらニガさんが怒りそうだし……。


 むむむ。何やら面倒臭い依頼を受けてしまったようですな。


 今更ながら気がつく。


 神はこっちの世界に干渉できないから分が悪い。ニガさんが直接手を下してくれたらすぐ終わると思うのになぁ。あ、ニガさんよりロボ子の方が強いのか。


 じゃぁパグ連れてくるかな。


 完全な現実逃避乙でございます。


 神は来ないってこと分かってるんだけど。ダメ元でパグに頼んで見ればよかった。


 やっぱリミッター全開放に行くまでに倒し切るというのも案だけど、あいつ強すぎるんだもん! 普通につえーよ! できなそうだ。


「ねえねーえ? 何考えてるの?」


 大気感知に反応。起き上がる前に、声が聞こえてきた。


「……?」


 幼女。一言だとそれしかない。露出が高い服を着ているが、幼女のためそういった感情もわかない。青と黒が混じった、暗めの服だ。軽装で剣は持っていない。素早さ特化の服だということは見てわかる。


 でも、何故こんなところに?


 大気感知に引っかかってから声で聞こえるまで殆どタイムラグがなかった。と、いうことはこの幼女はとんでもないスピードで突っ込んできて、俺の横に立ったということになる。


 ヤバいだろ。この幼女ヤバいだろ。幼ヤバ。変なこと言った。忘れてくれ。


「へえ。君がさとるかなー? 思ったより貧弱だね」


 グサグサ言うな。これでも人外だぞ。


 …………おい! 誰が人外だっ!


「ボク1人で大丈夫だったね。あ、でも一回会ったことあるねー。忘れてたあ」


 うそーん。


 あ。


 思い出した!


 コイツ、魔王だわ!


 一回街の路地裏であったことがある!


 ……あれ? これ結構ピンチ?


 そんなわけないはず。魔王は誰かさんを一回ぶっ飛ばしただけで何十キロも飛来させることできるけど、俺には害はないはず。……ないよね?


「んー? 困惑してる? えへへ。ボク美人だからね」


 無い胸を張り、上機嫌に微笑む魔王。盛大に勘違いしているのか、ボケているのか。


「何しに来たんだ?」


 俺の質問に、魔王は笑って答えた。


「えー? ただの様子見だよー。さとるのステータスが知りたくて」


 正直者め。


 もう見られたのかな?


「さとる弱いね」


 ズバズバ言うな。これでも人外だぞ。


 …………。


「オーラが弱いね。自分のこと人外って思うにはもっと神レベルのオーラを抱えてないとさー」


 読まれてた、だと!?


 言ってみただけ。


 それと神レベルのオーラってなんやねん。


「ほい」


 突如巻き起る突風。部屋の中に台風が発生したみたいだ。様々なものが宙に浮き、壁にぶつかったりして割れている。


 それと同時に感じる威圧。それが目の前の幼女から発せられているのかと思うと、酷く驚いた。見た目には騙されてはいけない。やっぱ魔王って強かった。


「ボク、美人だし強い。サイコーでしょー? お嫁さんにするなら今のうちに予約とらないとダメだよ?」


 魔王を嫁にするとか冗談でも嫌なんだけど。


「さ、サトル!? どうしました? っ!? 魔法陣が作動しません! サトル!」


 部屋の外で音を聞きつけたシーファが叫んでいる。どうやら魔法陣が使えないらしい。全部魔王の仕業か?


「なんか来たみたいだし、ボクはとんずらするね。また会おうねー。さとる好きだよ!」


 謎の告白をもらい、魔王は姿を消した。大気感知で動いたと思ったら消えてしまう。


 ……幼ヤバ。

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