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第158話 感知はできるが馬鹿ではない

 取り敢えずシーファには内緒にしておくか。なんか言われたら面倒だし。


「サトル、入ってもいいですか?」

「はい何もしてませんよー!」

「は?」


 しまった。つい反射的に答えてしまった。


 っていうかやばいやばい! すぐに隠さなければ。でも、どうやって?


 念じるてみる。


 消えろ消えろ消えろ消えろ消えろおおぉぉぉぉぉ……


 俺の思いが通じたのか、空間の入り口は背景に溶け込み指輪へと姿を変えた。


 1秒にも満たない速さでアイテムボックスに回収っ!


 丁度シーファが部屋に入ってきた。


「また何かの研究をしてたのですか?」


 俺は話してないつもりだったんだけど、勘付かれてたっぽい。シーファには隠し事が出来ないとつくづく思い知らされるな。


「ちょっとな。で、何の用だ?」


 強引に話を逸らす。


「プリンから念話が届きました。違う大陸に上陸したみたいです」


 あいつは何をやっているんだ。


「え? 意味わからんのだけど」

「前話したじゃないですか。プリンがここから離れて、旅行するって。いつでもシロが召喚できますんで、心配はするなと言ったはずですが」

「いつ?」

「一週間ほど前ですね。部屋に入って、きちんと言いました」


 不機嫌気味にシーファが答える。


 一週間というと……ああ、研究に疲れてゴロゴロしてた時か。


 ……シーファが来たことに気がつかなかったぞ?


 目はつぶっていたが、感知系は殆ど発動させていたはずだ。部屋に入ってきたのなら気がつかないはずがない。


 いや、知ってたな。


 今だって、シーファは感知に一切引っかからない。転生者限定スキルの大気感知にも、だ。これにはシーファが大気遮断を持っていると推測できる。


 余談っぽくて重要な話だが、風圧遮断の能力が向上した場合に取得できるのが大気遮断だ。俺はあれから風圧遮断を常に発動させていたため、とっくに大気遮断に進化している。その際にゲットしたスキルが全遮断上位。


 まあ全感知上位の反対みたいなものだ。俺はどんな感知にも引っかからなくなった。暗殺者に近づいた気がする。


 それで、考えられることが和樹を殺してシーファが風圧遮断のスキルを取得したということだ。


 それから長い日々(半年)を重ね、大気遮断まで進化させたらしい。祝福すべきだけど、複雑。


 大気遮断に進化させたことで全遮断上位がスキルに追加されていた。


 あれからミライは常に鑑定遮断を解除していた。とは言っても、俺にしか見られないよう加工しているようだが。


 と、いうことで結論。


 俺が半寝している間にシーファが入ってきた。そして、プリンが何処へいくのか説明した。その時、俺は音感知を遮断していたのだ。


 音というのは人が無意識に拾うもの。そして、音感知はその効果範囲を拡張するものだ。これを取得することで初めて、広範囲の音を拾うことができる。同時に、外部から通じる音を遮断することができるのだ。


 音遮断は自身が発する音を無くすというもの。音感知と音遮断ではかなり違う。


 それに、音感知は拾える範囲を設定できたりするし。だから発動しっぱなしだと不便とか、そういう問題はない。


 ま、静かなところで眠りたかっただけで音感知を発動していなかったんだけどね。


 不運の連続(?)が重なって、俺はシーファを感知できなかったということだ。


「ごめん、全然聞こえてなかった」

「サトルは全感知上位を持っていたはずですよね? 油断しすぎなのでは?」


 あれ、シーファって自分が全遮断上位を持っていること知らないのかな。


 そう言うと、シーファは首を傾げた。


「大気遮断が進化……? 全遮断……。大気感知や大気遮断は転生者限定のスキルと、前サトルが話していましたよ。私は転生者ではありません」


 信じてもらえなかった。まあそうだよな。


「普通に爆睡してたのかも。すまん」

「次からは気をつけてくださいね」


 優しい優しいシーファちゃんは許してくれた。人生謝れば済むものよ。ぐへへ。


「何か1発殴りたい気持ちがするんですけど、何故でしょう?」


 調子に乗ってはいけない。


 人生謝れば済む?


 おかしいおかしい。


 それはダメだ。そう、ダメなのだ。


 自己暗示完了。


「気のせいだ。で、プリンはどこの大陸に上陸したんだ?」

「ザズ大陸です」


 覚えてないな。まあ、いいや。


『ダメです。そこで聞かなければ私の意味がなくなります』


 うぉっ。鑑定さん。じ、じゃぁお願いします。


『ザズ大陸とは食文化が発展している三つのうちの一つの大陸です。前にレストランでマウンテンクラブというのをお食べになりましたよね? その生物が生息している大陸です』


 ふふん、と満足気に鑑定さんは鼻を鳴らす。


 えーっと、マウンテンクラブ……?


 あ。ビビッときたでー!


 あれか! レストランで食べて、めちゃくちゃ美味かったあれか! 俺の語彙力が死滅するくらい美味しかったあれか!


 絶対欲しいとか意気込んでいた割にはすっかり忘れてたな。色々あったし。和樹とか和樹とか和樹とか。


 あ、全く関係ないけどあのあと一週間ステータスがオール10になった。宴の時はステータスまで見てなくて気づいてなかったけど、俺すごく弱体化してたわ。変化呪使ったらこうなるの忘れてたぜ。


 で、変化呪は一週間経ち、ステータスが元どおりになった瞬間にユニークスキルの欄に記されていた。一週間開けなきゃダメなんだなぁ。初めて知った。


 話は戻る。


「わかった。で、シロはどこにいる?」

「私の部屋にいます。今はお昼寝中ですよ」


 シロもダラダラしてるなぁ。元々だけど。


「ありがとう。プリンには程々にと伝えておいてくれ。あと、マウンテンクラブを調達しろと言ってくれ」


 暴れ回られたり人の前に出たりしたら討伐されかねないし。プリンのステータスじゃ討伐なんてあり得ないけど。返り討ちにされるわ。んでしれっとマウンテンクラブを獲ってこいと言っている俺最高。


「分かりました」


 俺の言葉に篭った意味を理解したのか、シーファが大真面目に頷く。彼女もあの味を覚えているんだもんなぁ。そして、部屋から出て行った。


 ああー、平和じゃ。超平和じゃのう。口調が老化するぐらい平和じゃ。


「悟様ぁぁぁぁぁ!!」

「はい何でしょうー!」


 反射的に叫ぶと同時に、窓ガラスが音を立てて砕けた。は?


 赤髪の男が転がりながら現れる。こいつ見覚えあるんだけど。


「こんな失態を犯してしまい、申し訳ございませんでした! 何故でしょうか!? 何故気がつかれたのでしょうか!? ああ、私の作戦は完璧だったはず!」

「うん、一旦冷静になろうか」


 頭の左右に角が見えた存在ーー魔人。カゲマルと同じ種族だ。


 そして、こいつの名は……!











 忘れた。

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