第155話 倉庫へゴー!
男を撃退。よぉし、面倒ごとは去った。
ギルドを見ると、人は減っていた。さっきの騒動で逃げたっぽい。なら今のうちだ。
シーファとシロに声をかけ、俺たちはギルドへ向かう。中には騒動を知らない冒険者もいたが、何人かが複雑な念を込めた目で見てきた。
「ええっと……うーんと……」
受付嬢はどんな対応をしていいのか困っている。彼女も見てたのかな?
「騒動を起こしてすまん。迷惑だったか?」
「えーっと……」
まあ素直にはい迷惑でしたと言えるわけないだろうな。よし、ここは強引に話を進めるか。
異空間収納から魔物の素材を一部取り出す。それだけでもカウンターの机が見えなくなった。ちょっと出しすぎちゃったかな?
「こ、これは……!」
そして、ある意味で対応に困っている受付嬢。
「わ、私1人では無理です! ちょっと上の方を呼んでくるので待っていてください!」
そう言い、足早に去っていく。俺たちは周りの視線を集めてしまっていた。居心地悪い。
特に、翼が生えたシーファが注目されていた。今回の戦いの中で噂になっていたらしい。シーファの姿を見るなり、ひそひそと話をし始める。音感知を持った俺には筒抜けだけどな。
聞いてみると、それは悪口とかそういうのではなかった。むしろ、「かっこいい」や「いいなぁ」という声が混じっている。これには少し驚いた。
そして、シーファも聞いていたっぽい。獣耳をピクピクと動かし、明らかに喜んでいる。
「よかったな、シーファ」
彼女の横で囁き、俺は何も知らないふりをした。シーファはこちらに視線をよこしてくるが、それも一瞬のこと。何故なら、俺たちに話しかける声が聞こえたからである。
「ほっほっ。まさか、お主らとこういう立場で会うとはな」
現れたのは、サンカーだった。そういえばロット国のギルドマスターなんだっけ。あ、そういえばは失礼か。すいません。
「お久しぶり。と、いうのも戦場で合わなかっただけなんだけどさ」
軽く挨拶をする。サンカーは愉快そうに笑った。
「まあ、想像はしてたさ。これだけの魔物の数を倒せるのなら、ミィトかお主くらいしかいないからな」
「それはどうも」
俺たちは笑いあう。
「私からも、お久しぶりです」
「シーファか。元気にしてたか?」
「はい。おかげさまで」
おかげさまで?
シーファとサンカーはあんまり会っていないはず……。
うん、ここは触れちゃいけないところだな。
「それにしても、お主が獣人だったなんて思いもしなかったな。それに、翼もある。かっこいいじゃないか」
サンカーからのお褒めの言葉をもらい、シーファは微笑んだ。
「有難うございます」
そこは否定しよ?
え、ここは受け止めてもいい場面だって?
うーん、礼儀作法というものはわからんな。
「あと、ここに出している魔物の素材が全部ではないので。それに、ここで立ち話もなんですし……」
後ろに並んでいる人が苛立っている雰囲気を出している。そろそろ換金してほしいものだ。
「うむ。これ以上の素材は置きれないな。一旦倉庫まで来てくれないか?」
出た。
俺も小説とか読んでたけど、こうやって大量の魔物を討伐すると倉庫に連れて行かれる。そこで魔物の素材をドバーッと出し、換金すると思うんだけど……。
だからなんだって話なんだけどさ。
と、いうことでささっと倉庫に移動。倉庫は地下にあった。
いやはや、ギルドに地下があるなんて思ってもなかった。しかも、これがめちゃくちゃ広い。東京ドーム一個分くらいの広さだ。わーお。
巨大な鉄骨を棚のように仕立て上げ、その上に魔物の素材が置かれていた。どれも腐っている様子は見当たらないことから何かしらの魔法が施されているのだと思う。
広々とした空間を眺めていたら、シーファに声をかけられた。漸く我にかえる。
「聞いてました?」
聞いてねえや。ワンモアプリーズ!
「仕方ありませんね……。サンカーさんは忙しいので、私から説明します」
サンカーはギルマスとしての仕事があると先に去ったらしい。戦場の後処理とか大変だもんな。今度手伝うか。
そんなことを考えている間にも、シーファは説明をしていく。簡潔にまとめると、こんな感じだ。
あの2人の持ってくる素材の量はやべえ!
ただでさえ忙しいのに、あんなイレギュラーの素材を分別できるか!
俺たちは知らん!
自分で分別しろ!
え? 噛み砕きすぎた? んなこと聞こえん。
っていうか十分伝わるだろ。
ほら。ほらほら。反論できないだろ。ふへへ。
俺が1人で謎のことをやっているうちに、シーファは説明を終えたみたいだった。何か言われる前にアイテムボックスから素材を取り出す。逆さまにして、文字通りドバーッと。
しかし、全部一気に出すほど俺は馬鹿じゃない。
山のように積み重なったオークの素材。そう、素材ごとにきちんと分けて出しているのだ!
ここの倉庫は素材ごとに分別して鉄骨棚の上に置くらしい。余談だが、鉄骨棚にはちゃんとガードレールが付いている。
いや、ガードレールにしか例えるものがないんだって! 大きさ的にガードレール。ガードレールなのだ。
問題は分別をどうするか。
前言撤回。問題じゃなかった。
天井が高いここではシーファが飛べる。本来ならば迷路のように組まれた足場を行き来しながら素材を置いていくのだが、シーファが飛ぶというチート技を使うので楽に片付けられる。現にあれだけあった素材がかなり減っているのが証拠だ。
それでもまだまだあるけどな!
え、俺? そりゃあもちろん働いてますとも。
何をしているのかっていうと、感知。
これだけ広いとどこに素材が置いてあるのかわからなくなる。それを感じとり、シーファに指示を出しているのだ。
全感知を発動しているため、事はすぐに進む。素材の中には熱を発していたり、パチパチと音を発していたり、空洞が何個もあるなどいろいろな形がある。
指示役は大事だ。決して運ぶのが面倒臭いからではない。
それでも30分ほどかかったけど。
更新が遅れたのは以下の理由です。
忙しい忙しい忙しい忙しい忙しい忙しい忙しい忙しい忙しい忙しい!!!!
言い訳乙ぅ!
本当にすいません。




