第141話 もう飽きた
ひょっこりと姿を現したのはあいつだった。
「チッ。蘇りやがったか」
特に驚きもしない表情で、淡々とミィトが言った。
え? 和樹ってどっかいったんじゃなくて死んでたの? なんで? ミィトが殺したんかな。
「いやぁ、終わったかと思ったんだけどさ。まさか蘇るとはねー」
他人事のように言う和樹。
よくわからんがここについて考えておこ。
和樹の言葉は予想外っぽく言ってるから死神が関与してるのかもしれない。でも死神って敵かどうかわからないし。何回も言ってるけど。
俺としてはあんまりお近づきになりたくない感じだな。魂取られそう。ただそれだけ。
「おい。どうやって生き返ったんだ?」
スキルの威圧を使い、出来るだけどすの利いた声で和樹に尋ねる。
「さあ? どうしたんだろうね」
そんな俺にも動じず、和樹は嘲笑を浮かべる。いつもはペラペラ喋ってるくせにな。
「第2ラウンドを始めようじゃないか」
彼はそう宣言した。
俺はすぐに剣を抜き、和樹と距離をとる。気がつくと、ミィトも同じことをやっていた。
「悟」
「……?」
「龍にだけはなるんじゃねーぞ」
「わかった。と、いうよりかもうなりたくない」
俺もトイレという地獄に苦しめられたしなぁ。こっちもこっちで苦労はあったんだろう。
「それでいい」
ミィトが氷でできた剣を構えた。
なにそれカッコいい!
「俺はシーファたちを守る。和樹とは2人で戦ってくれ」
「え? 俺よりもミィトの方が強いと思うんだけど。なら、俺がーー」
「何言ってんだ?」
ほんの少しだけ、ミィトの表情が緩んだ気がした。それも一瞬だけだったが。
「お前の方が強いだろ?」
そーなの?
『鑑定してはいかがでしょう』
そーだね!
まずは俺のステータスから。
サトル・カムラ
種族 人間種
状態異常 無効
レベル141
HP...7000/7000
MP...12000/12000
攻撃...743+10
防御...700+10
素早さ...725+10
魔法...1793+10
《スキル》
・状態異常無効・鑑定・火球・火刃・灼熱大陸・地獄の業火・炎剣・雷球・雷刃・風球・光球・聖柱・斬撃波・必中70%(未完全)・融合魔法・渾身の一突き・威圧・大気感知・大気遮断・風圧変化・気配感知・気配遮断・空中歩行・意思疎通・言語理解
《ユニークスキル》
・変化・部位変化(四箇所)■□□
《称号》
・神に気に入られた者・元感知ができないただの馬鹿・怒ると怖い・仲間思い・馬鹿買い・詐欺師・ドジ・料理への執念・強者殺し・絡みやすい・魔人の主・魔物殺し・妙なパーティーのリーダー・脳内パリピ・強者殺し・炎使い・魔力馬鹿・呪われた者・トイレに行きたい
なんかすっっっごいレベル上がってるんだけどどうして?
あ、そういえば和樹が蘇ったとか話してたよな? 俺が倒した説浮上だわ。
これもう一回倒せば経験値ウハウハヒィーバーじゃんか。それにスキルも沢山もらえるんじゃ?
気になったスキル鑑定していこう。
脳内パリピ発動!
よし完璧。
一気にいこう。
『炎剣・MPを消費して炎の剣を作るスキルです。MPを込めるほど威力が上がります』
『大気遮断・自身が動いたときに発生する空気の動きを完全に遮断することができます。転生者しか持っていないので、かなり珍しいスキルとされています』
『風圧変化・風を操り、飛来する物の軌道をそらすことができます。上手く使えば、相手の攻撃を躱したりもできます』
『空中歩行・空間魔法の一種で、名前の通り空中を歩くことができます。その代わり、一歩一歩に莫大な量のMPを使います』
わあ、色々ゲットしたなあ。
大気系って転生者限定なのは初めて知った。
……あれ?
風圧変化とかはまだ進化あるよね?
『大気変化があります』
それは転生者限定?
『はい』
なーんか風圧変化とか覚えている人いたような気がするんだけどなー。誰だっけなー?
まあ、いいや。話に戻ろ。
他にも新しいスキルはあったけど、それは名前だけで性能はわかるし鑑定することもないだろ。
雷刃とか雷刃とか雷刃とか。
あとなんか変化呪って書かれてた場所が読み取れない記号みたいになってる。よくわからないからこれは後回しでいいか。
さて、次はお待ちかねミィトのステータスだ。
ミィト
種族 人間種
状態異常 なし
レベル139
HP...3000/3000
MP...5000/5000
攻撃...659+30
防御...601+10
素早さ...701+10
魔法...652+10
《スキル》
・鑑定・粉雪・氷球・氷刃・氷結爆発・氷結大爆発・氷結爆弾・氷槍・氷剣・風球・風刃・雷球・斬撃波・衝撃波・必中60%(未完全)・融合魔法・威圧・気配感知・気配遮断・魔力感知・魔力遮断・意思疎通・言語理解
《ユニークスキル》
・多重人格
《称号》
・怒ると怖い・仲間思い・多重人格・強者殺し・絡みやすい・魔物殺し・妙なパーティーのお供・強者殺し・氷使い・ギルドマスター・冷徹・優しい・気弱
た、確かに!
俺の方が強いんだけど!
「な? わかっただろ?」
俺が鑑定していることをあたかも知っていたかのように、ミィトが話しかけてきた。これって頷いていいのだろうか。
「遠慮などいらねえ。俺は自分より強い奴は尊敬しているつもりだ。ってことで、行ってこい」
ミィトに背中を押される。
「あと、これを持っていくといい」
彼女は氷の剣を渡してくれた。やったぁ!
「貰っていいのか?」
一応聞いておく。
「あたりめーだろ。それに、さっき欲しそうにこの剣を見てたしな」
そんなに出てた?
ぐぐぐ。俺のいけないところだ。
「さあて、作戦会議は終わったかなぁ?」
和樹が小首を傾げながら聞いてくる。その両手には双剣が握られていた。
「終わったぞ。今から心行くまで殺し合おうじゃないか」
「はは。面白いこと言うね。勝敗は決まってるというのに」
今更だけど一つ言っていいかな?
俺は思い切り叫ぶ。
「お前もう飽きたあぁぁぁぁぁ!」




