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第123話 再びチノ大草原

55000pv達成いたしました!

風邪で唸っている間にこんなに増えているとは思ってなかったです。

よかったらブックマーク、評価をよろしくお願いします。地球のどこかで作者がロケットとして飛び上がります。

 憂鬱だ。


 俺の気持ちを一言で表すとしたら、これしかなかった。


 ミィトがついてくることになったのはいい。むしろ大歓迎だ。彼女は強いし、パーティーにいて不足はない。だけどなぁ。


 俺は大きくため息をついた。


 チノ大草原以外ならもうちょっと気楽でいられたんだけど。


 俺たちは無論チノ大草原へ向かって歩いていた。途中襲いかかってくる魔物を斬り伏せ、目的地までの距離は縮んでいく。そのたびに俺はため息をつくのだった。


「シーファ、カゲマルは連れてこなくていいのか?」


 一つ思い出し、聞く。今まで気がつかなかった。すまん。


「カゲマルも和樹を恨んでいると思いますが、一番自分の手で倒したいのは魔王じゃないでしょうか。だから、せめて戦場で待機してもらったほうがいいかと」

「確かにカゲマルくらいの強さのやつがいればあっちは安心だしな。他はギルマスが片付けてくれるだろうし」


 1人はここにいるけど。


「なぜそんなことを今聞いたのですか? 聞くタイミングは沢山あったはずですけど」


 いやぁ、すいません。忘れてましたぁ!


 んなこと言ったら絶対ぶっ殺される……。言葉を選んでも俺の語彙力じゃぶっ殺される……!


 あれだな。ゲームのシーンでいうと、


【シーファにどうやって説明する?

 いやぁ、すいません。忘れてましたぁ!←

 言葉を選ぶ


『いやぁ、すいません。忘れてましたぁ!』

『仲間のことを忘れるなんてどういう神経してるんですか!?』


 →バッドエンド


 シーファにどうやって説明する?

 いやぁ、すいません。忘れてましたぁ!

 言葉を選ぶ←


『ええっとな……ほら、あれだ……そ、そういうこと』

『何しどろもどろしてるんですか……!』

『あっ(察し)』


 →バッドエンド】


 うんダメだわ。俺の語彙力だと言葉すら選べないことはわかった。まあ殺されはしないけどどう説明しようう……。完全回避不可能バッドエンドゲームになってしまうぞこりゃ。


「わんわんっ!」


 シロのナイス横槍。シロはシーファに飛びつき、頬をペロペロと舐め始めた。シーファはくすぐっただったが、表情は笑っていた。なんとか危険回避。ふぅー。


 ーー貸し一つ。


 ……シロにはかなわんな。


 俺はがくりとうなだれた。


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「さて……ついたな」


 鉄でできたフェンスに覆われている大地ーーチノ大草原。この大陸だと一番危険な場所なんだよな。まさか果ての大地よりも先にここへ来るとは思わなかったぞ。


「前通った穴は塞いだからもうねーんだ」


 と、ミィト。


「わん! ぐわあ!」


 シロが吠え始める。体からは電気が放電されていた。


 ーー力づく!


 成る程。それならってこれ壊す気!? あぶな、納得しかけちゃったんだけど。


「力ならお任せください! 私が魔法でぶっ飛ばしますから!」


 お前も乗るかい!


「いやいや、ここから魔物が出てきたらどうする!? 俺たちは逃げられてもハカイみたいなのがわらわら出てきたら人類壊滅するぞ?」

「うっ……確かに」


 なんで気がつかないんだ?


「悟の言う通りだ。無理にこじ開けたりしたらそこから魔物が出てくる」


 やっぱりミィトもそう思うよね。


「ゴォッ!」


 プリンは小さな翼をパタパタと動かし、上昇していた。10センチ浮き、落ちた。


「あ、空を飛んでいけばいいってことか?」

「ゴォ」


 肯定するかのように、プリンは鳴き声を上げた。あったまいい!


「プリンはシロに乗っていけばいいとして……ミィトはどうする? って、上空には結界ないのか? 触れて死亡とかなったら怖いんだけど」

「それは心配するな。外からは入れて中からは出られない結界だ」

「ミィトさんは身体能力だけでフェンスをよじのぼれそうですけど……」


 それは言えてるぞ、シーファ。


「は? 俺にやれとでも言ってるのか? んな面倒なことしねーよ」


 ダメですか……。ちょっと期待してたんだけどな。


「おーい、早く来いよ」


 ミィトの声が遠くから聞こえーーはっ!?


 顔を上げる。フェンスの向こうにミィトが立っていた。結局登ったのかい! っていうか音もしなかったし見えなかったんだけど。大気感知も気にしてなかったら今襲われてたら俺何もできずに死んでた。ミィトが味方でよかったよ。


「わ、私たちも行きましょう」

「お、おう」


 そして、無事に向こう側へとたどり着いた。


 地面に降り立ったた瞬間、渦々しい邪気なようなものに体を包まれた感覚があった。前はこんなことなかったんだけど……和樹がいることで影響が出ているのかもしれない。


「……(ムグムグ)」


 シロが地面に鼻を擦り付け、臭いを嗅いでいく。チノ大草原の奥を見据えて一声、


「わんっ!」


 そう鳴いた。


「あっちにいるってわかるのか?」


 ーーあたり前○のクラッカー!


 どこで覚えたんなもん!まあ、いいや。進もう。


「この変な感じのせいで魔物の気配が察知できません」


 ああな。この邪気だろ。和樹がそういう風に仕込んでいるのかもしれない。


「ミィトはこの中で魔物の気配とかわかったりするのか?」

「俺でも無理だ。かなり高度の魔道具を使ってやがる」


 魔道具……か。和樹って魔道具を使う派なのかな? でも魔道具なんて売ってるところなんて見たことないのにどうやって取り寄せてるんだろう。王族しか持ってない高級なやつとか? それならこの効果の大きさも納得できるけどさ。


 でも俺王と親密(?)だから言えば渡してくれる可能性も……!


「悟は魔道具を持ってねえのか」

「ん? まあそうだけど」

「ほう。確かに、この世界に来て間もねえからな」

「その言い方だとみんな持ってるのか?」

「家庭にひとつはある。どれもこれが生活用品みたいなものだ。戦闘に役立つものなんて高価すぎて庶民には買えねえしな。俺は自分の手で戦いたいからんなもん買ってねーが」


 そういう人もいるしな。


 俺とミィトが雑談している間、何故かシーファは頬を膨らませていた。

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