第122話 シーファのステータス
「サトル! サトル!」
ん? なんだ?
シーファが降りてくる。彼女は着地すると、急いだ様子で俺に告げてきた。
「1人だけ不審な人を見つけました。冒険者たちから離れ、魔物の群れの中心にいるに関わらず攻撃を一切受けていません。察知されると危険なので、かなり上空から見ていたはずなのですがこちらをちらちらと見てきました。あの距離で感知できるのは和樹らしいですよ」
うん。絶対和樹だろ。
よし、いい情報をゲットしたな。ナイスだシーファ。
「場所は?」
「ここからはあまり遠くはないですよ。今から向かいますか?」
「……シーファは大丈夫なのか?」
「まだMPには余裕があります。シロたちは?」
ーー全然OKだよ。
「ま、安全に越したことはない。薬を使え」
テックからもらった薬を出す。シロとプリンはそこまで魔法を使ってないし、シーファに使うのが一番いいだろう。薬は3つあるからな。
「わ、私なんかに使われても……。サトルの方がいいですよ」
「何を言ってるんだ。俺とシーファは同じくらいの強さだろ? 遠慮なんかいらない。俺もあんまり変化を使ってないからMPは減ってないぞ」
迷っているシーファを真っ向から見据え、俺は言ってみた。
「全然話とは関係ないんだが……、今俺たちは戦場にいるよな?」
シーファが頷く。
「戦場というのは仲間が怪我をしているか、MPが切れていないか確認ができるのが最高のパーティーというものだ。だから、ひとつだけお願いがある」
俺は意を決し、一言発した。
「ステータスを見せて欲しい」
「っ……!?」
う、やっぱり無理か……。ミライが見せてくれないとなぁ。ステータスを観覧しないと結構戦況が変わるっていうし。
「そ……」
へ? そ?
「それだけ……ですか?」
ふぁ?
それだけだよ?
…………え?
なんで?
「ステータスぐらい別にいいんですけど」
「えええ!? 前ミライが拒絶してたから見れないとかそういう感じだったよな? いいの?」
「はい」
先に言ってくれ。戦場入る前に言ってくれ。
「すっかり忘れてました」
シーファが舌をペロリと出す。可愛いからオッケー。許そう。
「じゃぁ、見てもいいんだな?」
「ミライに今鑑定遮断を外してもらいました」
「……わかった」
一つ深呼吸。シーファの表情を伺うと、彼女は大きく頷いてくれた。鑑定でここまで緊張する人俺以外にいないだろうよ。なんという現場なんだ、ここは。周りから見たらなにしてんだって思われるぞ。
き、気を取り直して……鑑定っ!
シーファ
種族 鳥獣人
状態異常 なし
レベル70
HP...1600/1600
MP...3320/3500
攻撃...63+5
防御...298+5
素早さ...410+5
魔法...652+10
《スキル》
・風球・風刃・風圧変化・火球・火刃・水球・雷球・闇球・邪柱・ウォールバリア・ヒール・ハイヒール・エリアヒール・料理・飛行・斬撃波・融合魔法・MP自動回復・気配感知・気配遮断・鑑定・鑑定遮断・意思疎通
《ユニークスキル》
・羽変化
《称号》
・風使い・実験台・融合された者・寂しがりや・魔物と友達・魔物人間・美少女・怒ると怖い・仲間思い・強者殺し・魔物殺し・妙なパーティーの一員
アンバラアァァァァァンスッッッ!
攻撃低っ!
防御はなんとも言えん!
素早さ俺と同じくらい!
魔法高っ!
はあ、はあ、はあ。
そういうことだ。
シーファのステータスなんていつぶりで見たんだろうな? 初めて会ったとき? それだけ久しぶりだから少し興奮してしまった。
で、少しだけMP減ってるな。これは薬飲んだほうがいいかも。え? 貴重な薬なのにこんな少しのMPだけに使うなって? ふっ、後悔先に立つよ。あれ、なんか違う? まあ、いいや。
「薬を使え」
シーファに渡す。もう反論しても無駄だと感じ取ったのか、意外と素っ気なく飲んでくれた。
「心がポカポカします……!」
彼女は幸せそうに笑った。喜んでくれて何よりだ。作ったのは俺じゃないけどさ。
で、話は戻る。和樹の話ーーではなく、ミライのことだ。
俺のこと信用してくれたのかな?
最初に思ったのがそれ。前頼んだときには頑固に拒否ったらしいしさ。あれは会ってすぐのことだったよなぁ。と、思うとやっぱり俺のこと信用してくれている? やっとミライに信じてもらえたかな。
ふふ。結構嬉しいぞ。
よし、和樹の話に行こう。
「和樹がどっちらへんにいたか分かるか?」
シーファに問う。
「ええっと……ここから南ですね」
「南というと、うわぁ」
チノ大草原の方向じゃないですかやだぁー。
あそこにはいい思い出がひとつもないんだけど。
魔物を討伐にしにいって、難あったけど必死に討伐して帰ろうと思ったときにハカイが現れたんだっけ。そんでもってハカイにボコされて……ミィトが助けに来なくちゃ今の俺たちはいないな、うん。
「おい。あっちに和樹がいるって本当か?」
ミィトさんご本人登場しました。
「い、いつの間に……!」
俺は気がついていたけどね。気配感知で感知できる者ではないけどしっかり大気感知には引っかかってくれるんだ。ミィトは。
「ミィトも行くのか?」
「当たり前だろ。俺だってあいつに恨みを持っていると話したはずだが? それに、チノ大草原にいるっていうことは俺の護衛も必要ということだ。お前らハカイに殺されかけてただろ」
ぐっ。
ま、連れて行く分には悪くないよね。
「確かにそうですね。私はミィトさんを連れて行くのは全然いいですよ」
「俺もだ。シロたちはどうする?」
「ゴォゴォ!」
ーーいいよ!
「みんないいらしいぞ。ミィト、よろしく頼む」
「ああ。せいぜい足引っ張らないようにしてくれ」
「わかってる」
ミィトが仲間になった!
ご迷惑かけてすいません。風邪、無事に治りました!
イェーイ! FOO! FOO!
これからもよろしくお願いいたします!




