第118話 グーチャ討伐
グーチャは体の上部分から蔦を出した。それも8本。放射線状に広がる蔦。その動きから見て、宙を舞うことは出来ないらしい。だが、あれに絡めとられれば面倒臭いこと間違いなしだ。
魔力を吸い取りながら俺は思う。
シロが放電で蔦を攻撃した。蔦は焦げ、真っ二つに切れる。それでも再生し、元の一本に戻った。グーチャの体内の魔力の動きからして、魔法の力で再生させているのだろう。
まだまだ魔力は消える気がしない。ずっと吸い取ってるんだけどなぁ。
グーチャは体の上部分から蔦を出した。それも8本。放射線状に広がる蔦。その動きから見て、宙を舞うことは出来ないらしい。だが、あれに絡めとられれば面倒臭いこと間違いなしだ。
魔力を吸い取りながら俺は思う。
シロが放電で蔦を攻撃した。蔦は焦げ、真っ二つに切れる。それでも再生し、元の一本に戻った。グーチャの体内の魔力の動きからして、魔法の力で再生させているのだろう。
まだまだ魔力は消える気がしない。ずっと吸い取ってるんだけどなぁ。
毒の煙も出し続けている。あ、そういえばルーゲラキラフラワーに進化したおかげでいろいろスキルが増えたんだっけか。ええっと……毒水なんかあったな。
そう考えながら毒水を出してみた。目の前に小さな紫色の球体が浮く。それは2つの太陽の光を反射し、キラキラと光っていた。確かに水だな。
それを俺に迫っている蔦に落としてみる。念じると毒水は宙を動かせることがわかった。一直線しか進めないんだけどね。単純な動きしかしない蔦に当てるのは容易だ。
毒水が当たった瞬間、蔦は酸を浴びたかのように溶け始めた。再生しようにも毒の影響で紫色に変色していって、蔦は枯れてしまう。物凄い効き目だ。飛ばせる毒として考えた方がいいかな。でも水を合成させずに毒そのままを投げた方がいいんじゃ……。まあ、いいや。
溶けているところを見ていたら無性に体が痛くなってきた。俺も酸がべっとり付いた体に密着してるんだから仕方がない。うぅ、チリも積もれば山となるで残りHPが半分を切ったぞ。
魔力だけじゃあれだし、物理攻撃も仕掛けてみるか。
俺は毒水で蔦を排除しながら毒牙というスキルを使ってみる。と、いうか噛み付けばいいんだよな?
ルーゲラキラーフラワーは頭の位置に大きな口が付いている魔物だ。目はない。でも、360度全てを見渡すことができる。スライムと同じ機能だ。それでもスライムの方が消費MPは少ないからいいんだよね。
噛み付いてみた結果、グーチャは固かった。
歯が痛いよぉ。勢いよく噛み付いた俺がバカだったぜ。
ただの肉の塊に見えるのに、防御だけは本当に無駄に高いんだな。
「サトル、一回空へ避難しますね」
シーファが叫び、大空へと舞った。シロもそれを追いかける。決心をしたようだった。
「ゴォゴォ!」
プリンは小さな翼で頑張って飛ぼうとしているが、飛べないようだ。数センチ浮き、ペタンと地に落ちる。そこに緩やかな動きで蔦が迫ってきた。プリンは包囲されている。
おおい、シロぉ! プリン置いてくなってばぁ!
俺が助けちゃうんだけどね。
自身の根を超スピードでプリンへと伸ばす。そして、地面の中からプリンを捕まえるとその体を投げ飛ばした。真上に。
ちょうどそこへシーファがやってきて、プリンを見事キャッチ。ナイス。
そこで漸くグーチャの魔力がなくなってきたことに気がついた。まだ500くらいありそうだが、かなりの進歩だ。ようし、吸いまくるぞ!
グーチャは魔力がなくなるとどうなるのかを知っているため、シーファたちに向けていた攻撃を全て俺に放ってきた。グーチャの体から針が生える。俺の腹らへんからも針が出てきた。鋭い痛みに襲われるがここで離れるわけにはいかない。
「なくなれっ! 魔力よ、なくなれぇっっ!!」
「ギュウァヴヴヴズグググギィィィアァァァッッッ!!」
ひときわ大きな雄叫びをあげるグーチャ。それは《王の威圧》だったが俺には通用しない。はは、状態異常無効って最高だな!
変化がとけない俺に気がついたのか、グーチャからは焦りを感じられた。ここまで来た初めての感情を捉えることができたのだ。こいつにも感情があるのだと、俺は思う。
「グッッッッ、ギャヴヴオォォ!」
その声は小さくなっていく。魔力切れを起こし始めたようだ。きっと今は意識が朦朧としているに違いない。
「シーファ、邪柱の準備だ!」
空にいるシーファに届いたかどうか不安だったが、きちんと膨大な魔力が操られる感覚があったので大丈夫だと悟った。俺は根を引っ込ぬき、変化を解く。グーチャは攻撃してきたが、全く見当違いの方向に放っている。今しかチャンスはない。
俺も聖柱の詠唱を始める。グーチャが気づいた頃にはもう遅かった。
「聖柱っ!」
「邪柱っ!」
俺とシーファの詠唱が完了し、グーチャの足元に巨大な魔法陣が広がっていった。奴にはもうMPすらないし、素早さだって低い。逃げることは不可能だ。あ、俺もうちょっと下がっとこ。
「シーファ、シロ、もう降りてきていいぞ」
その言葉でシーファとシロが降下してくる。シーファはプリンを抱えたままだった。でも嫌な顔1つしていない。優しい子だ。
さあて、あとはピクニック気分で敵の散る姿を見ていますかなぁ。
俺はアイテムボックスからレジャーシートを取り出し、その上に座った。さらに串焼きを出す。焼きたてのままなので、結構嬉しい。
「お前らも食うか?」
シーファはじっとこちらを見つめ、シロに至っては涎を垂らしていた。俺の一言でシーファとシロは食いつく。
「その前にシロは雷獣化をとけ。その大きさじゃぁ串焼き一本じゃ足りなくなるだろ」
シロは普通の子犬に戻り、串焼きにかぶりついた。俺も食う。シーファもかじる。
え? ケチだって? なんぼでも言えばいいさ! これが俺の生き方なんだからな! ふはははは!
馬鹿やってる間に、魔法陣が発動した。魔法陣から黒と白の混合した光が漏れ、一瞬にしてグーチャを包み込んだ。邪柱と聖柱は互いに混ざり合い、大きな竜巻へと変化を遂げる。いつ見ても迫力すごいなぁ。
あ、レジャーシートがぁ!
レジャーシートは風に吹っ飛ばされて空の彼方に吹っ飛んで行った。俺の体重を無視して吹っ飛びやがった……。
取り寄せるの苦労したのに……。
竜巻が晴れた頃には、グーチャの姿など跡形もなかった。俺の頭にレベルアップを告げる鑑定さんの声が響く。仲間が喜んでいる間、1人落ち込む悟であった。




