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楊(やなぎ)の綿毛が届くまで  作者: 草間 奏
5/9

まるで


部屋の隅に座る君と

部屋の真ん中に立つ僕


まるで、と前置きをして

僕は世界をふたつに分けました


テレビに映った渋い顔の評論家は僕のようだ

壁に掛けてある絵の優しい色は君のようだ


工事現場を闊歩する猫は君のようだ

散歩を嫌がるあの犬は僕のようだ


踏まれて音を鳴らした木の枝は僕のようだ

見向きもされず咲いた花は君のようだ


どこからか聞こえる拙いピアノの調べは君のようだ

速いリズムを刻む階段の足音は僕のようだ


霞に映ったあの山の影は僕のようだ

灰色の端っこの真っ赤に染まった地平線は君のようだ


僕たちはどこまでいっても交わらない

僕たちは違う人間だから


まるで、と前置きをして君はいいます

あなたは私のようだ


そのとき世界はひとつになった


全く違うタイプなのに妙に気が合う人っていますよね

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