6話 次の目的
いきなりミーナが俺を飼いたい、と言い出した。
でもラノベとかではテイムもしていない魔物は街などに入れないが、俺はテイムとかされてないけど入ってもいいのだろうか。
「おいおいミーナ流石に駄目だろ、此奴は知能はあるが魔物なんだぞ?従魔でもないのに王国に入れるのは駄目だろ」
はい、やっぱり駄目だった。
「それに此奴の知能は人族の俺達と同じくらいだろう、そんな奴が従魔にならんだろ」
確かに、と俺は思う。そもそもの話俺は誰かの従魔になる気はない、俺は人族や他種族の姿になって適当に生きるのだから、誰かの下についたら他種族のやつを倒しに行けないしな。
「ミーナに飼われるよりも俺が人族に変化すればいいんじゃないか?」
「そうなんだが、お前が人族に変化するためには人族を殺さないといけないだろ?俺達は他人を殺しに行きますって奴を逃がすわけには行かないんだわ」
そんなことは分かっている。俺だって誰でもいい訳では無い。だから一つの方法を使う。
「確かに俺が人族に変化するには、人族の誰かを殺さくてはいけないが、この世界にも犯罪者とか賊は現れるだろ?」
そう、犯罪者なら殺してもいいよね?ってことだ。
日本では犯罪者を殺したらもちろん罰を受けるが。ここは異世界、しかも魔物達がいるんだ、命の危険はそこら辺に転がっている。
だから別に殺したって構わんだろ。
「確かに犯罪者とかだったらいいんだけどな、ここら辺は平和でそこまで犯罪は起きねーし賊もそこまで多いわけじゃないからな、どこにいるか分からんぞ?」
ここら辺は結構平和でそんな奴らあんまりいないらしい、それなら俺はどうしたらいいのだろうか。
(うーんここら辺にいないなら、他の場所に行くのも考えるか、それともそこら辺にある村を襲うか、どちらにせよそれを成すには力が足りないが)
すると、ミーナがこんな事を言い出した。
「あら、いるわよ犯罪者」
「「「......はぁ!?」」」
「何を言ってんだよミーナ!」
「そうだそ!てかなんでお前が犯罪者がいることを知ってるんだよ!?」
「それってどこ!?教えてくれミーナさん、そして俺を連れてってくれ!」
「うるさいなー別にいいでしょ私が何を知っていようが、私の勝手よ」
「いや、そうなんだがな、なんで知っているかを教えてくれ」
「分かったわよ、話すから少しだけ静かにしときなさいよ?」
「「「はい」」」
「よろしい、まず私はね.........」
話を聞くところによるとミーナは貴族の三女で、さらに上に兄がいるのでミーナの家では三女は他の貴族に嫁ぐか、自由にすることが出来るらしい、それに犯罪者は数年前にミーナの父が治めている領地で起きた殺人事件の犯人で屋敷の牢屋に入っているらしい。あと、その犯罪者がもしかしたら脱走しているかもしれないから居るかは、着いてから確かめるみたいだ。
それと貴族には苗字が有るのが普通だが、ミーナには無い。それを聞いたら冒険者になるのだったら無くした方が良いと、スキルを使って苗字を消したようだ。
そしてギルとバルドはこの話を聞いて唖然としていた。まぁ仕方ないと思う、仲間が貴族だなんて知らなかったし、ステータスを覗いても苗字がないからな。
「ミーナが貴族なのは分かったけど、ミーナさんのお父さんが治めている領地ってどこなんだ?こっから近いのか?」
「うん?私のお父様が治めている領地は、ハールナル領だよ」
「ハールナル領か、そこってここからどれ位の距離なんだ?」
「ハールナル領はここからだと半日で着くな、どうする?ファントム、今からでも出発するか?」
「別に今からでもいいよ、どうせ目的はもう達成されてるから」
まずまず俺の目的は人族達の強さを見ることなので、目的はギル達3人で達成されてる。だから今から行くのも、後で行くのも俺にはどちらでもいいのだ。
「目的?まぁ、それは今度でいいか。バルド、ミーナはどうする?」
「俺は今からでいいぞ」 「私もー」
「それじゃあ、決まりだな早速ハールナル領に行こうか」
「「「おー」」」
こうして俺の次の目的が、ハールナル領の犯罪者吸収に決まった、多分[溶解]で溶かせるだろうから武器も何もいらないし、牢屋に入っているらしいから安全に殺れるだろう。
「なぁなぁ、ハールナル領には歩いていくのか?」
「いや、ハールナル領までの馬車を出しているはずだからそれに乗せてもらう」
「従魔じゃない魔物がそれに乗っても大丈夫なのか?」
「大丈夫だよー、私の帽子に入っとけばバレないし、もしバレても何もしなかったら多分襲われないよー」
何か凄く不安なんですが、大丈夫なのか?鑑定を使えるやつがいたら俺もしかしたら殺されるかもしれん、その時は返り討ちにすればいいが多分降ろされるだろうな。はぁ凄く不安である。