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チンピラとは妖精の一種である  作者: 大穴山熊七郎
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第十三話 とある警備隊の連絡ノート(2)

トラーシュ市警備隊 みんなの連絡ノート

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<使い方>

・気がついたことや、みんなに伝えたいことを、書きましょう。

・書いたことは、各詰所に置かれた全てのノートで共有されます。魔術ってすごいね!

・待機の時には、なるべくこまめに読むようにしましょう。

・魔術がかかっているので、汚さないように。特にスープをこぼすな!

・雑談は、ほどほどに。下ネタはやめましょう。

・<超重要!!!>ポエム禁止。


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■ニ月二十二日の連絡■


・街門 異常なし この町 人 あんまり来ない(ペペ/街門)


・官庁街もとくに何もありませんでした! でもジルヴィさんが不機嫌で困りますー。(ダン/見習い)


・あーイーガンの件な。(ボブ/下町)


・イーガン・ロックエルか。とんだ大物だったな、アダの後釜。(サムス/見張り塔)


・武闘大会四位。英雄候補で四番目に強かった奴だもんな。ま、見たとこ全然そうは見えないんだけど。(メイスト/中央広場)


・彼のことは以前から聞いてたよ。地味だ地味だと言われるが、冒険者の仲間内では非常に評価が高かった男だ。戦闘能力より、むしろ問題解決能力でな。(バーウッド/副隊長)


・<何でも屋イーガン>ね。南部の小都市でなく首都で仕事を続けていたなら、英雄候補にならなくとも確実に冒険者ギルド幹部になっただろうと言われている。堅実で粘り強いと、相当に高い評価を受けていたようだ。(サドラ/管理部長)


・例の仕事をしないのなら、うちの警備隊にぜひとも欲しいもんだな。(ヴァイス/郊外警備)


・ほー、俺はまだ彼に会ってないんだが、ヴァイスさんがそこまで気に入るぐらいの奴か。(サムス/見張り塔)


・すっごいいい人ですよ! (ダン/見習い)


・同意。なにより飲んでて気持ちいい奴さー。(グレイブル/城門)


・だけどさあ、ちょっと立派すぎるんだよな。(ボブ/下町)


・そうだな。アダなんかとは全然違う。まだ気持ちが冒険者だ。いつも周囲を観察してる。崩れてないんだよ。(メイスト/中央広場)


・それは無理もないわなあ。武闘大会に出てからまだ一年経ってないんだからな。(バーウッド/副隊長)


・何があって英雄候補でなくなったのか、いくら飲ませても全くしゃべってくれないしなー。(グレイブル/城門)


・ちなみに大鹿亭とふくろう亭のツケは経費では落ちんからな。自分たちで払えよ? (サドラ/管理部長)


・えええええっ!? そ、そんなあ! 部長が仲良くなれっていったのに……(ボブ/下町)


・ああ その一言が

鬼女だ 行き遅れだと

心無い言葉を招くのだと

あわれ仕事一途のしょじ……


・おいやめろ馬鹿(サムス/見張り塔)


・さあ仕事だ 解散解散(バーウッド/副隊長)


・おまえら……まさか私を陰でそんな……(サドラ/管理部長)


・いやいやいや! 謎のポエム野郎なんかの言うこと真に受けないでください、たわごとですよ! ほらダン! (ボブ/下町)


・か 管理部長はとっても素敵な女性です!(ダン/見習い)


・でも、しょじ(ペペ/街門)


・上司強権発動! ペペしばらく発言禁止な。(バーウッド/副隊長)


・さすが副長、好判断だ。(サムス/見張り塔)


・あー、しかしそのイーガンが、ワーダルに祈るのを拒否して、中途半端な状態が続いてるわけだが。(ヴァイス/郊外警備)


・理由がいまひとつわからん。慎重なのは冒険者にとっては美徳なんだが、あれはそういうのとはまた少し違う気がするな。(メイスト/中央広場)


・警備隊で迎え入れるにせよ、とにかく加護だけは受けてもわらないといけないからな。頭が痛い。……おまえら、何かいい手はないか? (サドラ/管理部長)


・うーん……。(メイスト/中央広場)


・そう言われてもなー。理由話してくれないしなー。(グレイブル/城門)


・副(ペペ/街門)


・長(ペペ/街門)


・発(ペペ/街門)


・言(ペペ/街門)


・許(ペペ/街門)


・うわ、なんだこいつ。(バーウッド/副隊長)


・こいつもう強権破ってやがる。どんな裏技だ。とんでもないな! (サムス/見張り塔)


・例の言葉は言わないな? いいな? 発言許可するぞ?(バーウッド/副隊長)


・はー苦しかった(泣)(ペペ/街門)


・そういう小芝居はいいから。(ボブ/下町)


・何か思いついたのか? (メイスト/中央広場)


・イーガンの最大の特徴……弱点がある……。(ペペ/街門)


・ほう!ぺぺの観察眼だけは信用できる。それは何だ? (ヴァイス/郊外警備)


・かなりの……お人好し。(ペペ/街門)


・……ああ。なるほどねー。(グレイブル/城門)


・たしかに彼はそういうタイプだな。弱い者が情に訴えたら無理してしまう性格だろう。(メイスト/中央広場)


・そうだな、損な性格だ。冒険者としては人気が出るだろうけどな。(ボブ/下町)


・ふむ……。なるほど、さすがはペペの観察眼だ。(サドラ/管理部長)


・まあ……取り柄だから。それで、部長がしょ(ペペ/街門)


・強権発動! ペペご苦労さま。(バーウッド/副隊長)


・ふむ……そうなると、イーガンの情に訴える必要があるわけだが……俺たちが泣いてすがっても気持ち悪いだけだな。事情をでっちあげようにも、サムス以外は面割れてるしな。(ヴァイス/郊外警備)


・言っておくが俺はそういうのまるでダメだぞ。(サムス/見張り塔)


・うん知ってるー。(グレイブル/城門)


・え? 部長もまだ会ってないんじゃないですか? (ダン/見習い)


・あ、ああ、会ってない。そうだな、そういう演技はあまり得意ではないが、いちおう女だ、どうしてもというなら……(サドラ/管理部長)


・いやいやいや部長は俺たちの切り札なんで! そう簡単に表に出すわけにはいきませんよ! (ボブ/下町)


・まあここはやっぱり専門家、あのお人にお願いするのがいいんじゃないですかね。(メイスト/広場担当)


・やっぱりそうなるかー。(グレイブル/城門)


・え、でも、あの人に頼るとジルヴィさんの機嫌がますます……(ダン/見習い)


・それは君の輝く笑顔でなんとかしてくれ、ダン。(メイスト/広場担当)


・そんなあ、無理ですよお!(ダン/見習い)


・よし、じゃあこの件は俺が段取り組むわ。部長、いいですかね?(バーウッド/副隊長)


・うむ、よろしく頼む副長。あと私は……違うからな? (サドラ/管理部長)


・…………

……あ、ハイ。(ボブ/下町)


・ここは気まずい雰囲気が漂う連絡帳ですね(笑)(ペペ/街門)


・おまえのせいだよ!(サムス/見張り塔)

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