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Ω's War  作者: あいますく
戦争開始
5/11

四話 Plasma 前編

めっさ遅い

線路沿いに男が二人立っていた。

一人は炎を身にまとい、もう1人はまだ秋だというのに分厚いトレンチコート、手袋に耳あてまで付けている男だ。

「俺に会ったが運の尽きだな。"Ice"の男。」

「…」

「俺の炎でおまえを消し炭にしてやるぜ。覚悟しな。」

「…死ぬ前に一つだけ言ってやる。」

「なんだ?命乞いか?」

「私は"Ice"などではない…」

トレンチコートの裾、袖、襟から冷気が漏れだす。

「ひっ…うっうわああああああああああああああああ!!!!」


「……」

「……」

「…さあ、どうしたもんかね…」

「彼はルールに従っていた。しかし…」

「あまりに人道的で無かった。ってわけだ。」

「あなたの判断は間違っていない。あのままでは人類史が終わっていた。」

「フォローはいいよ。だが…次、あいつのようなやつが増えたら…」

「…そうだ。監視役を作るのはどうだ。」

「監視役…俺の力を一部分け与えればいいか。」

「そうだな。だが、監視役という名では手が出せないかもしれない。」

「なら審判にすればいい。審判が違反だと思えば違反だ。誤審はない。」

「なるほど。次回からは改訂しておこう。」

男は一人、こう呟いた。

「…二度とこんな惨劇を起こしてはいけない。ゲームなのだから。」



…ナムーラオスーフィーリピーン…べートナムーラオスーフィーリピーン…

なんだこの歌と思いながら私は目覚まし時計を叩いた。

本当になんの歌だ。誰の曲だ。

いや、あの夢も気になる。

また、あの男の夢。

しかし、今回はなんだか落ち込んでいた気がする。

それに、その前に見た、誰か…

思い出せない。どんな人だっただろう。ただ、その冷たい殺気だけは、覚えていた。



「おはよー…」

「おはよう、杏。」

黙々と食べる。テレビは秋にも関わらず凍死事故が増加していると話していた。


 ・

 ・

 ・

「Shield…?」

私はあの男が言ったことが理解できなかった。

「Shield…盾か…」

彼は何かに納得した様子だった。

「本当なのか?」

「しっ、知らない!私は能力者じゃない…はず…」

「…もしかしたら俺の勘違いかもしれない。Jetだってありえない話じゃない。」

「…」

「…」

しばらくの沈黙。

私はたまらなくなって話を切り出した。

「…もう帰ろうか。」

「…だな。ここにいても無意味だし…」


私は本当にShieldなのだろうか。

でも、蘭子先輩と須田宮君が見た夢とは違う。

私は何の能力者なのか言われていない。

…いや、忘れているのかな。

そんなことを考えていたら、部屋にノックが響いた。

「回収に来たよー!」

「お姉ちゃん…」

「どう?東南アジアの歌第一は?」

「なにそれ…自作?」

「ん?これは美神シノの新曲だよ?」

「はぁ…」

世界は広いなあ

「じゃあ明日は第二だねー♪」

「普通に戻して…午前中ずっと気になってたんだから…」

「でも第二も気になるでしょ?」

「…うん。」

「じゃあ決まりだねー。」

私はその日、家から出ずにおとなしく過ごした。

あんなことがあった直後だ。下手に出歩いたら誰かに狙われるかもしれない。

「…時は来た…開戦の時が…」

皇帝は口を開く。

「これは、世を総べる戦いである!」

「民よ!この戦は…」

荒野に立つ男は呟いた。

「この力があれば、きっと世界すら破壊できる…」

長身の外国人は私に語りかける。

「君は如何なる悪事をも見逃してはならない。それが、君の使命であり、君の力。」

「君は全ての調停をなす者、"審判"としてこの戦いを見届けるのだ。」


めがっさ遅かった

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